雷が怖いので END直後1

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 気持ちに任せて抱くことになるなんて言われたら、普段みたいな気遣い無しで、彼の快楽を優先させるセックスをされるのだと思うだろう。余裕をなくした相手にガンガンと奥を突かれたら、体がどこまで持つのか、どれだけそんな彼を見つめることが出来るのか、心配したのはそんな事ばかりだったのに。
 決して大きな動きではなく、深い所を緩やかに、そして柔らかに押し上げる優しい動きは、その場所を起点に体中をトロかせる。
「んっ……ぁっ……きも、ちぃ」
「俺も、きもちぃよ」
 甘く降りかかる声は確かに気持ちが良さそうなのに、全くと言っていいほど余裕をなくしては居なかった。結局、追い詰められているのは自分の方だ。
 奥深くでじわじわと上り詰める経験はさっきが初めてだったのに、忘れないうちに覚えなさいとでも言われているみたいに、さっき以上の緩やかさでゆっくりと上り詰める事を繰り返させられている。腰はがっちり掴まれてしまって、さっきみたいに自分から腰を揺すって快楽を拾うことも許されない。
 もちろん、もっと激しく突いてというお願いは、とっくに却下されていた。それでももう自分ばかり二回も、ゆっくりと押し上げられるままに達している。
 ゆっくりとだからか、最奥に入り込まれて何度も気持ち良くイかされているのに、頭の中がドロドロのぐちゃぐちゃになって、快楽を追うこと以外何も考えられなくなる、なんてことはなかった。
「イッ、ちゃう……また、おしり、イッちゃう、ょぉ……」
「ん、じゃあ、今度はまた、一緒にいこっか」
「ほ、……ほん、と?」
「ホント」
 さっきみたいにお尻の奥で上手に絞り上げてと言われたけれど、やり方なんかわからない。イッてしまう時に、勝手にナカが収縮してしまうだけだからだ。
 それでも自分で何か出来ないかとお腹に力を込めてみたら、相手が少しだけ息を詰めたようだった。しかしその直後、自分自身が大きな快楽に飲み込まれていく。
「んぁああああ」
 相手は全く動きを変えていないのに、お腹に力を入れて相手を締め付けた事で、体が勝手に上り詰めてしまった。じわっと押し上げられて達することを繰り返していたはずで、今回も同じようにイクと思っていた所に、突然の激しい快感に目の奥がチカチカする。
 それでも、奥深くにじんわりと熱が広がった気がするのと、彼のペニスの脈動とで、本当に一緒にイッてくれたのはわかった。
「ああ、ぁあ……」
 呆然としながらも細く息を吐きだせば、優しい手つきで髪を梳くように頭を撫でられる。
「すごい上手に、自分から奥でイケたな。気持ちよかったよ」
 褒められればやっぱり嬉しい。ホッとしながら良かったと返せば、柔らかに笑い返されて、可愛いなの言葉とともに顔が寄せられる。キスを待ってそっと瞼を降ろせば、唇が塞がれる前に再度彼の声が耳に届いた。
「ああ、やっぱり今の少し訂正」
 えっと思いながら綴じていた瞳を慌てて開けば、間近で悪戯っぽく笑っている。
「お前が好きだよ」
「えっ、」
 さすがに今度は声が漏れた。それを待っていたように、与えられたキスはすぐに深いものへと変わっていく。
「んっ、んっ」
 達したばかりで口の中も敏感になっていて、くちゅくちゅと舐め回されて絡ませた舌を擦られれば、甘く鼻を鳴らしてしまう。今日は既に五度も達して確かに疲れているのに、最初に口でして貰って以降はお尻だけでイッてるせいか、またキモチヨクなりたくなってしまって困る。
 繋がったまま覆いかぶさるようにキスをされているので、自分のペニスが彼のお腹に触れているせいもあるかもしれない。もっと快楽を拾えないかと、そっと腰を浮かしてペニスの尖端を彼のお腹で擦ってしまったら、当然すぐに気づかれたらしく、重ねていた唇がスッと離れてしまった。
「元気だな」
「ご、ごめんなさ、ぃ」
「怒ってないよ。可愛いし、可愛くてたまらないなと思うこの気持も、お前を好きって事なんだろうって思ってる」
 好きだよと繰り返して、今度は触れるだけのキスが一つ、唇の上に落ちた。

続きました→

 

 
 
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Wバツゲーム(目次)

キャラ名ありません。全18話。
帰宅部の高校3年生(視点の主)とバスケ部の高校1年生がそれぞれの罰ゲームにより一ヶ月ほど恋人ごっこする話。
手で抜き合う程度の事はしてますが、繋がるセックスなし。
今のところ書く予定はありませんが、罰ゲーム終了後、先輩×後輩と後輩×先輩のどっちにも進めそうな感じにしたくて、受攻もやっとしたエッチしてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してありますが、全体的に描写は控えめです。

1話 二人の罰ゲーム
2話 自己紹介
3話 土曜の夜は後輩の手料理
4話 何を聞かされた?
5話 罰ゲームでどこまでするの?
6話 過去の彼女と噂と真相
7話 後輩の下心
8話 週末はバスケット
9話 もうすぐ罰ゲーム終了
10話 寂しい理由
11話 どこまで出来るか試したい
12話 まずはキス
13話 胸を弄る
14話 本気で好きになるつもり
15話 胸を弄られる
16話 脱いでベッドへ(R-18)
17話 恋人になって欲しい(R-18)
18話 互いに相手の手の中へ(R-18)

恋人になった二人が、後輩×先輩で繋がる続きができました。
続編 罰ゲーム後

 
 
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Wバツゲーム18(終)

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 軽く流してしまってはいけない類の大事な話をされていたと思うのに、ゆるゆるとしたものから段々とイかせる目的へと変化した手の動きによって、彼の言葉について考える余裕なんて欠片もない。自分だけ先に達してしまう事態にはならないよう、必死にこちらも手を動かし、先程よりずっと強い刺激を送ってやる。
 互いに吐き出す熱い息も荒くなって、どちらも限界が近そうだ。
「イキそ、……っす」
 訴える声も熱を孕んで、切羽詰まった様子が酷く色っぽい。
「ん、いいよ。俺も、イク」
 頷いて、吐精を促すように弄ってやれば、息を詰めるような吐息とともに手の平が彼の吐き出したもので汚れた。それに誘われるようにして、自分もまた彼の手の中に吐精する。
 一度大きく息を吐きだして、後は互いの呼吸が落ち着くのを待つつもりだったが、のそりと起き上がった彼がさっさとティッシュの箱を引き寄せた。
 無言のまま、まずは彼自身の汚れた手を拭いて、それからやはり無言のままぼんやりとそれを見ていたこちらの手を取り、こちらの手の汚れも拭き取ってくれる。甲斐甲斐しいなとは思うが、それよりもうちょっと余韻があっても良かった。
 それとも吐き出して冷静になったら、さっさと汚れを拭き取らなければ気持ちが悪いと思ってしまっただろうか。
「夕飯、温め直していいっすか?」
 今にも立ち上がりそうな相手に、情緒がないのか元気なだけか、多分両方だなと思いながら苦笑する。
「その前に聞かせて欲しいんだけど」
「何っすか」
「俺としてみてどうだった? イッて賢者モード入ってるだろう今の正直な気持ちは?」
 まだ俺と恋人になりたいって思ってくれてるかと聞けば、先輩はどうなんすかと聞き返されてしまった。
「お前が告白してくれたらいいなって、思ってるよ。ちゃんと恋人になって、もっと色々お前としてみたい。もちろん、お前が出来る範囲ででいいんだけど」
「俺も、先輩の恋人になりたいって、ちゃんと思ったままっす」
「じゃ、夕飯温め直すより先に、はいここ」
「えっ?」
 ニコッと笑いながら、彼が横になっていたスペースをポンポンと叩けば、不審げな顔をする。
「お前帰らなきゃいけないのわかってるし、五分でいいから。イッてスッキリしてるのお互い様だし、男同士ならこういうの必要ないのかとも思うけど、やっぱ終わってすぐさっさとベッド出て行かれたら寂しいかなって思って。恋人、って考えたらさ」
「ああ、はい」
 頷いてすぐに隣に戻ってきた相手の体を引き寄せようとして、女の子と違って大きな体に結局、自分が擦り寄ってくっついた。片腕で相手の背を抱けば、同じように抱き返される。
 抱っこして貰う時にはポンポンと背を叩かれることが多いので、それを真似て背を叩けば、どこか戸惑った声が聞こえてきた。
「あの、これって」
「うん、何?」
「俺、甘やかされてるんすか? それとも、これも甘えられてる、……んすかね?」
「どっちだと思うの?」
「甘えられてるみたいに感じるから、なんかオカシイかなって」
 確かにこちらの動作だけ見れば、甘やかしているように見えるだろう。でも甘えられてると感じる彼の感性がオカシイとは思わない。引き止めて擦り寄って行為の余韻を欲しがっているのはこちらなのだから、それを甘えと言わずなんというのか。
「じゃあ甘えてる。オカシクないよ」
 背を叩くのを止めて、抱きつくようにきゅっと腕に力を込めた。
「でもお前を甘やかしてやりたいって気持ちもあるから、いつかお前も甘えてね」
 そうだ。この可愛い後輩を、甘やかしてやりたいのだ。甘えるばかりではなく、彼にも甘えてほしいなと思う気持ちはどんどん大きくなっている。
「それ、いつかじゃなく今でもいいんすよね?」
「もちろん。何して欲しい?」
 いったいどんな風に甘えてくるんだろうとワクワクしていたら、して欲しいのではなく、キスがしたいと返ってきた。そういえばキスもこちらからするばかりだったっけ。
 いいよと言えば、背に回っていた腕がスルッと背中から肩を回って頬を撫で、最後に軽く顎を支える。元々近い顔が更に近づいて、ちゅっちゅと軽いキスが何度も唇に押し当てられた。
 それはやがて唇から離れ、顔中アチコチにキスの雨が降る。なんだか随分とこそばゆい。甘えさせて欲しいと言われて許可したはずのキスで、結局は甘やかされているようだった。
 男だし、甘え慣れてないのかもしれない。自分だって、彼の抱っこに慣れて、自分からねだるようになるまでそこそこ時間が掛かった。
 恋人になってこちらが甘やかす時間を増やせば、いずれは彼も甘やかされることに慣れるのかもしれない。
 ああ早くこの罰ゲームが終わればいいのにと、たくさんの優しいキスを受けながら思った。

<終>

罰ゲーム終了後、先輩×後輩と後輩×先輩どちらにもなれそうな関係を目指してたら、こんな感じになりました。最後までお付き合いどうもありがとうございました〜

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Wバツゲーム17

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 口でして貰う気持ちよさを思えば、してやりたいし、して欲しいと思う。けれどやってみないと出来るかわからないと言っていた事を、今試してしまうのはどうだろう?
 後追いしてくるから、こちらが咥えれば相手だって張り合って、取り敢えず口でしてくれるのはわかっている。でも無理をさせたいわけじゃない。
「先輩?」
 余裕なんてなさそうなのに、こちらの逡巡を感じ取ったらしい相手が、どうしたのかと問いたげに見つめてくる。
「ゴメンね」
 謝れば不思議そうな顔をするから、こちらも首を少しばかり傾げてやった。
「他のことに意識散らしてるの気付いて、それを咎めたわけじゃないの?」
「何、考えてたんすか」
 硬い声は掠れかけたうえに緊張が滲んでいる。試されている側と言っていたから、ダメ出しでもされると思っているんだろうか。
「他のことって言っても、結局はお前のことなんだよ。ちょっと、どうすればもっと一緒に気持ちよくなれるか、考えてただけ」
「やっぱ、もの足りないてこと、すよね」
 はぁと熱くこぼれた息はため息にも似ている。ああ、失敗した。
「ちっがう、って。メチャクチャきもちぃしお前可愛いし、もっとアレコレ色々してみたいけど、お前に無理させたいわけじゃないし、お前に引かれたくないの。俺の恋人になるのは無理だって思われたくないの」
「それ、まるで、俺に恋人になって欲しいみたい……っすよ」
「そうだよ。そう言ってるんだよ」
 言えば少しばかり大きく見開いた目を、パシパシと何度か瞬かせる。それから嬉しそうに、おかしそうに、顔を綻ばせながらクッと喉の奥で笑った。
「先輩って、可愛いっすよね」
「は?」
 脈略がなさすぎてすぐに反応ができずにいたら、相手はますます楽しげだ。
「なりますよ、恋人に。一ヶ月経ったら本気の告白しに行くんで、そしたら罰ゲーム終わらせて、俺をごっこじゃない恋人に、して下さい」
「それは、もちろん。でもお試しは? まさかここで中断とか言わないよな?」
 とっくに互いの手は止まっていたけれど、だからって自分の手の中のものが萎えていないのも、相手の手の中にある自分自身の勢いが衰えていないこともわかっている。
「さすがにここで中断はお互い辛すぎじゃないっすか?」
「んぅっ」
 くちゅっと尖端を指の腹で擦られて、一瞬だけ息を詰めた。
「先輩俺より全然エッチだし、したいこと全部出来るとはとても言えそうにないっすけど、でも、恋人になって欲しいって事は、俺が出来る範囲で満足してくれる気でいるんすよね?」
「うん。というか俺、エッチなことさせてくれないからって理由で、彼女に別れてもらった事なんてないんだけど……」
 逆はある。挿れてくれないのは愛されていないからだと判断されて振られる事はあった。あまりに求められたら、変な既成事実を作られる前に、応じられないと言って別れを切り出すこともあった。でも基本的には振るより振られる方が断然多い。
「別れてって言わないことと、お前じゃ満足できないって思わないことは、イコールじゃないっすよ。先輩に振ったつもりがなくても、別れるといい出すのが相手側でも、それって結局、先輩が振ってるのと変わりないと思うんすよね」
 そんなことは考えたことがなかった。言われてドキリと、心臓が嫌な感じに跳ねる。
「先輩を好きって思ってたら、それに気付いて恋人続けられなくなる人が居るの、わかる気がするんすよ。というかきっと俺は、そうなるタイプっす」
「そ、……っか」
 辛うじて吐き出した声ははっきりと掠れていた。相手は責めてるわけじゃないっすけどと苦笑してみせる。
「先輩は優しいっすけど、それは特別な一人に対してだけじゃなくて、誰にでも同じように優しいんすよね。先輩が恋人とあまり長く続かないの、相手が誰でもいいの隠さないからってのも、理由の一つなのわかってます?」
「それは、まぁ」
「誰でもいいなら俺でもいいっすよね。とは思うんすけど、お前じゃ物足りないって態度を長く続けられたら俺のほうがダメになるのだけ、覚えてて下さい。これから俺は、先輩を本気で好きになるっすけど、自分の傷が深くなる前に離れようと思ってるくらいには、俺だって自分が大事なんで」
「わか、った」
「萎えるようなこと言ってすみません」
 続けていいっすかと言いながら、止まっていた手をゆるゆると動かし始める。ずっとこちらを追いかけるように動いていた手が、相手の意思で好き勝手に動き始めたことで、中断していた熱はあっと言う間に再燃した。

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Wバツゲーム16

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 相手が同じように脱いでいくのを、主に股間を注視しながら見守ってしまえば、さすがに見過ぎとのクレームが入る。いやだって、気になるだろ。
「ゴメン。デリカシーなさすぎた」
 それでも謝罪の言葉を吐き出し、自嘲を混ぜた苦笑を見せたのは、相手の頬が薄っすらと赤くなっていることに気付いたからだ。興奮よりも羞恥でという雰囲気に慌てたせいもある。
 今までの抱っこも先程のキスも、胸に触れて舐めるのでさえも平然と受け入れていたから、てっきり羞恥という感情とは無縁かと思っていた。恥ずかしがる姿なんて見たことがなくて、内心それなりに驚いていたし、その一方で喜んでもいた。
 期待や興奮の漏れ出る声を聞くことも、ほのかに頬を染め羞恥する姿を見ることも、楽しくて仕方がない。
「でも恥ずかしがる必要なんてなさそうなのに。というか立派すぎない?」
 謝罪して苦笑しながらもそこから視線を外せなかったのは、下着の中からボロンと出てきた彼のペニスを目にしてしまったからだ。
「わー、これ、ちょっとショックかも。身長ほぼ変わんないのに、お前のが明らかにデカイよね」
 服越しでは自分との違いなんてわからなかったし、そこまで大きな差があるわけではない。それでも絶対彼のほうが大きいと思う程度には立派なものが、彼の股の間で勃ち上がっている。
「大きけりゃいいってもんじゃないっす」
「早漏なの? もしくは感度悪くてめちゃくちゃ遅い方?」
「人と比べたことないんでわかりません」
 からかう口調で聞けば、ますます気を悪くした様子の、苛ついた声が吐き出されてきた。見過ぎと咎められたのも結局口先で謝っただけで視線が外せていないままだし、立派と思うのはこちらの主観でしかないのはわかっているし、どうも何がしかのコンプレックス持ちらしいから、これ以上この件に触れるのは止めた方が良さそうだ。
「うん。俺もない。ま、お前がどっちでも大丈夫だからベッド乗って。それとも立ったままのが興奮する?」
 触っていいかと聞いたらベッドへと返ってきたので、頷いてすぐ隣に置かれたベッドに転がり、脇のスペースをぽんぽんと叩いて同じように横になるよう促した。
「もっかい、キスしようか」
 素直に横へ転がった相手に擦り寄って、顔を寄せながら甘やかに誘う。
 早く触れたいと急く気持ちはもちろんあった。内心にそんなギラつく欲望が渦巻いているのを自覚していたが、当然そんなものを顔に出すわけがない。
 だってもう、こちらの気持ちは決まっているのだ。求めすぎて応じられないと思われるわけにはいかない。気持ちよく満足しあって、これなら恋人としてもやっていけると思ってもらわないと困る。罰ゲームを終えた後に、告白して貰う気満々だった。
 はいと頷くのを待って唇を塞ぐ。先程気持ち良いと言ってもらえたキスを、再度惜しみなく与えてやる。そうしながらも空いた手を彼の性器に絡ませれば、一度大きく体を跳ねた後、相手もこちらの性器へ手を伸ばしてきた。
 最初は自分が感じるやり方で、だんだん相手の反応が大きな場所を重点的に、ゆるゆると撫でて擦って扱いてやる。刺激に弱いわけではないようで、簡単にイッてしまうということはなかった。かといって感度が悪いわけでもなさそうで、与える刺激にビクビク震えながらトプトプと先走りを零し、キスの途切れた口からは熱い息を吐き出している。
 たまらなく可愛いと思うのは、こちらが相手の反応に合わせて手の動きを変えているのに対し、相手はこちらの動きを後追いしている点だろう。胸に触れられた時もそうだった。童貞ではなくても、やはりそう経験があるわけではないのだろう。
「気持ちよさそ。可愛いね」
「先輩は? 気持ちよくないとか、言わないっすよね」
「もちろん。きもちぃよ。凄く」
「可愛いっすよ。先輩も」
 ふふっと笑いながら声を掛ければ、笑い返す余裕まではないもののしっかり張り合ってくる。本当に、可愛い。

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Wバツゲーム15

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 まったく想定外の情報が色々と流れ込んで来たせいで、酷く戸惑っている。律儀で、真面目で、色々気遣ってくれるこの後輩への好意は当然育っているが、でもそれはもちろん恋愛的な好きではない。相手の好意だって感じてはいたし、だからこそ甘えるような真似ができていたというのもあるが、まさか相手にそういった感情が育っているなんて、考えたこともなかった。
 戸惑って何も言えずに突っ立ったままでいれば、あっさりシャツを脱がされ、肌の上を手の平が這い回る。気持ちが悪いどころか、どこか慰撫するような優しい触れ方に、安堵や安らぎを覚えてしまうから、その手を振り払えはしなかった。
 罰ゲームじゃなく付き合ったらきっと傷つけてしまうのに、諦められると言っている今のうちにキツく突き放せないのは、結局自分優先なクズだからなんだろう。だって罰ゲームを終えた後、次に誰かが告白してくれるまでの空白期間を寂しく過ごさなくて済む。
 好きだと言われてしまった以上、罰ゲーム中とまったく同じようには行かないだろうけれど、それでも人の本質はそうそう変わるものではない。もう付き合いきれないと思われるまでは、この後輩との楽しく穏やかな時間も、充実しまくった週末の食事も堪能できるのだと思うと、どうしたって嬉しい気持ちが勝ってしまう。
 今のうちに諦めたらとはちゃんと勧めた。本気の恋人には向かないと忠告だってした。その前には、自分と付き合うことのデメリットを説明してさえいる。それでも相手から踏み込んでくるものを、言ってわからないならとキッパリ拒絶できるような優しさなんて自分にはない。
 バカだなぁと思う。色々噂を聞かされたはずだし、それを肯定するような事もあれこれ言ったはずなのに。寂しさを埋めてくれる相手なら誰でもいいと思っているような男に、好きになったから付き合いたいと言ってしまうなんて。
 アチコチ撫で擦った後、胸を両手で包まれる。決して立派とは言えない胸筋を手の平でやわやわと揉まれながら、乳首の上に乗った人差し指がそっと乳首を押しつぶした。
 ああ、これ、さっきのを真似ているのか。
 自分が彼にやった事を、ほぼ同じように辿られている事に気づいて、その意図はともかく随分と可愛らしいことをすると思った。
「ぁあっっ」
 手順がわかっているのだから、次は乳首を舐められるのだということもわかっていた。わかっていたのに、しゃぶりつかれた瞬間、思いの外大きな声を上げてしまってビックリする。相手も驚いたのか、せっかく付けた口を離して、真っ直ぐにこちらを見つめてくるからさすがに照れくさい。
「先輩は胸、感じるんすね」
 感じすぎるなら今は舐めるの止めましょうかと言われて、慌てながらもそのまま続けてと口にしてしまい、何を言っているんだと更に羞恥がつのった。顔が熱い。
 赤面するこちらへの戸惑いはあるようだったが、そこへの突っ込みはなく、相手は軽く頷いた後、素直に頭を再度胸の先に寄せていく。近づく気配だけでも、ぞわぞわとしたものが背筋を駆け上った。ちゅ、と乳首の先に触れた唇が開かれていき、ぢゅっ、と彼の開かれた口の中に吸い込まれていくのを見ながら、これはヤバイと思いつつ小さく呻く。
「んぅっ……」
 それは物理的な気持ちよさというよりも、視覚的な快感だった。ほぼ真っ平らとも言える男の胸の先に必死で吸い付く彼が、なんだか酷くイヤラシイと思ってしまったのだ。
 イヤラシクて、可愛くて、興奮する。
 たまらなくなって、そっと相手の股間に手を伸ばした。胸を舐められても感じている様子はなかったし、男のまっ平らな胸を吸って弄っても興奮はしていないかもと思ったが、布越しでも相手の昂りははっきりとわかる。良かった、萎えてない。
 脱がすよと言った時に下も一緒に脱がしてしまえば良かったと思いながら、ベルトへ手をかけたところで、胸を舐め弄っていた相手の頭が胸元から離れていった。
「先輩?」
「下、脱いで。お前の、触らせて」
「先輩は? 俺だって触りたいっす。俺も触って、いいんすか?」
「ん、いいよ。じゃあ、俺も脱ぐから」
 相手のベルトに掛けていた手を離して、さっさと自分の着ていたズボンと下着を脱ぎ捨てる。夕飯後に帰宅予定の相手と違って、どうせもう家を出ることはないとラフな格好をしていたので、あっさり素っ裸だった。

続きました→

 
 
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