親切なお隣さん(目次)

キャラ名ありません。全46話。
隣に住む社会人✕貧乏大学生(視点の主)。
明確な年齢差は出てませんが、7歳位を想定。出会った時、視点の主18歳・お隣さんは25歳くらい、みたいな。

真夏にエアコンが壊れてしまって途方に暮れてた視点の主を、昔周りの大人に助けられた経験を持つお隣さんが、今度は自分が困ってる子どもを助ける番! と思って張り切って助けてくれる話。
視点の主は中学時代にパパ活経験あり。それがキッカケでアナニーを覚えて、一応処女だけど自己開発済み。だけど性経験はそのパパ活のみの童貞。
お隣さんはアナルセックス未経験の非童貞。視点の主に抱きたいって言われる可能性を考えてアナニーチャレンジ経験あり。
視点の主には毒親とその親に甘やかされて歪んだ弟がいて、作中、その弟にアナニーを知られて襲われかける展開があります。
弟から視点の主に向かう恋愛感情はないので当て馬とは少し違うかもですが、弟は放置されたまま特に救済なく終わります。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 真夏に壊れたエアコン
2話 オカシナお隣さん
3話 お隣さん宅で過ごす
4話 今後も食事作り継続
5話 大家さんに挨拶
6話 お弁当も作るよ
7話 祖父の他界
8話 喪服のお礼持参
9話 お隣さんの下心
10話 お隣さんの特殊な要望
11話 結婚なんて……
12話 巻き込みたくない
13話 抱かれたくてアナニー
14話 帰省しないお正月
15話 弟相手にも強気
16話 3人で夕飯
17話 弟と自宅に戻る
18話 実家の闇
19話 弟の来訪理由
20話 実家に戻る気はない
21話 弟から見たお隣さんとの関係
22話 弟にアナニーばれ
23話 お隣さんに助けられる
24話 お隣さんに報告
25話 弟とはキスだけ
26話 結婚諦めてない宣言
27話 今すぐ抱いてって言ったら?
28話 ひとりH中の声
29話 ラブホへ
30話 お隣さんの経験値
31話 パパ活経験済み認定
32話 あっさりイっちゃう(R-18)
33話 相手をイカセたい(R-18)
34話 飲んでやった(R-18)
35話 いっそ全部話してみる?
36話 怖い笑顔
37話 こんな体になったのは
38話 必要なものは持ってきた
39話 性急に(R-18)
40話 繋がる(R-18)
41話 また自分だけ(R-18)
42話 奥は未開発(R-18)
43話 とにかく必死
44話 エロい意味で好き(R-18)
45話 ゆっくり気持ちよく(R-18)
46話 今日の予定

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

バレたら終わりと思ってた(目次)

キャラ名ありません。
彼女が出来たつもりでいた(攻め視点)4話+バレたら終わりと思ってた(受け視点)13話の計17話。
社会人×女装大学生。

「彼女が出来たつもりでいた」は電車通勤で一目惚れしたと言ってきた女性と交際してたら、実は以前痴漢から助けたことがある男子大学生だった。という事実に驚きつつも、別れようとは全く思わなかった社会人男性の話。
続編の「バレたら終わりと思ってた」は受け視点で男とバレたあとの初デートがメインの話です。
一応18禁かなとは思うんですが、描写はかなり控えめ。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写がある話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

彼女が出来たつもりでいた
1話 久々の彼女
2話 女装だった
3話 あのときの男の子
4話 新しく始めよう
バレたら終わりと思ってた
1話 救世主
2話 男バレ
3話 やっぱり女装で
4話 このあとの予定
5話 普通のホテル
6話 女装のままのが(R-18)
7話 やり方を学ぶ
8話 どこに惚れてるか
9話 男の自分に自身がない
10話 無理はしないで欲しい
11話 崩れたメイク(R-18)
12話 狸寝入りの理由
13話 どうか、覚えていて

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

バレたら終わりと思ってた1

1話戻る(前作最終話へ)→   目次へ→

 男なのに痴漢されている、という現実に、何もかも投げ出して実家に逃げ帰りたいと泣きそうになっていた時に、サクッとその痴漢を捉えて駅のホームに引きずり出した男のことが、その後の生活において心の拠り所的なものになってしまったのは多分仕方がない。
 だって大学に受かった喜びなんてあっさり霧散した、狭いアパートでの一人暮らしと混雑がひどい電車での通学に、既に心が折れ掛かっていたところだった。助けてもらったのにお礼も言わずに逃げ出してしまったことも、気持ちが落ち着いてからめちゃくちゃ気がかりだった。
 なのに次にその男を見かけた時、チラと目があっても相手は特になんの反応も示さなかった。
 自分にとっては救世主とも言えたその人にとって、自分はただのモブでしかない。そういや助けてくれたときも、相手の言葉は痴漢してきた加害者にのみ向かっていたような気がする。
 助けた相手になんて興味がなくて、全く覚えてないのかも知れない。いやでも、それならまだいい。
 痴漢行為に対する怒りを前面にだして罵る勢いで非難していた相手から、自分が掛けられた言葉は「悪いけど次の駅で一緒に降りて」くらいだったし、しかも一緒に降りるまではしたけど、痴漢男に告げる警察という単語にビビって逃げ出したわけだから、男に痴漢されるような男に嫌悪感があるとか、恩知らずにも逃げ出した自分なんかとこれ以上関わりたくないという、意思表示を兼ねたスルーかも知れない。
 そう思うと胸の奥が酷く傷んで、でもなぜか、その電車の利用を止めるという判断にはならなかった。それどころか、サラリーマンで毎朝同じ電車の同じ車両を利用しているらしい相手を、わざわざ見かけるためだけに電車に乗るようにまでなってしまった。
 相手が忘れてようと、意図的に無視してようと、どうにか機会を伺って礼を言いたい。
 そんな気持ちがただの詭弁で言い訳でしかないことを、頭の片隅ではちゃんとわかっていたけれど、自分の中の衝動と行動とをとめることが出来なかった。
 相手と対峙し、嫌悪されたり非難されるのは怖くて仕方がないから声が掛けられないのに、相手が降りる駅を突き止め、そのまま相手の背を追い続けてみたい衝動。勤め先が知りたいとか、帰宅時にも同じ電車に乗りたいとか、思考がどんどんおかしな方向に走り出して、なんだかストーカーっぽいと思ったところで、やっと相手への恋情を自覚した。
 痴漢から気まぐれに助けてくれた相手に、一方的に惚れてしまった。それは間違いなく見込みなんてないはずの恋心なのに、既に暴走気味だった思考はあっさりその先にも踏み込んだ。
 男にしては小柄な体型と母親似の女顔だったから、自身の中の悪魔のささやきに乗って、女装に手を出してしまったのだ。
 これのせいで痴漢にあったのかもと、うっすら恨んですらいたのに。背の低さは元々それなりにコンプレックスだったのに。
 それすら良かったとポジティブに捉えられるようになったのも相手に惚れたおかげだと、ますます相手への気持ちを募らせていたのだから始末が悪い。
 でも、そうやって相手に熱中できていたから、新しい生活に馴染めずに鬱々とした日々から気持ちをそらすことが出来ていたのも、紛れもない事実だった。本当は、目を背けたくて相手に熱中した、が正しいのかも知れないけれど。
 自覚したのが夏休み直前だったのもあって、夏休み中にひたすらバイトと女装の知識を仕入れ、ある程度資金が溜まった夏休み明けから実行した。
 本来の自分ではない姿に気が大きくなって、安々と相手の勤め先もおよその帰宅時間も把握し、更には相手の嗜好などへも興味の対象を広げていく。相手の視線の先を追って、女性の好みなども把握し、自身の女装へ反映させていく。
 そんな風に相手を一方的に追いかけるような日々ではあるが、なんせ相手を追えるのは朝と夜だけなので、大学にはちゃんと通っていたし、女装資金のためのバイトだってしないわけにはいかない。
 真面目に大学やバイト先に通い続ければ、新しい生活にだっていずれは馴染んでいく。ひとりきりのアパートで、泣きながら布団をかぶる夜はなくなったし、友人だって出来たし、痴漢に怯んで泣きかけるようなこともなくなった。
 まぁ、男の姿で痴漢されたのはあの1回だけだし、女装時の痴漢は自分であって自分ではないようなものなので、そこまで精神的にキツくないのが大きいけれど。あと、女装とバレてエスカレートするタイプの痴漢には、幸い遭遇してないのも多分大きい。ついでに言うなら、気づいてなさそうなら、それは自信につながる。
 女装までして、ストーカーじみたヤバいことをしている。という自覚はあったので、いい加減止めなければと思っていた。
 思っていたけれど、女装への自信がそこそこついてもいたから、これで最後とばかりに勇気を振り絞ってバレンタインに直撃した。といっても、ホームで呼び止めて手紙を添えたチョコを渡しただけだけど。
 ホワイトデーまで待って何もなければ、それできっぱりおしまい。
 そういう覚悟で渡したチョコは、今まで無反応だった相手から認識されるというちょっとだけご褒美みたいな1ヶ月を得て、当初の予定通り終わるはずだった。だって手紙に添えた連絡先に、相手からのメッセージが届くことはなかったから。
 なのにホワイトデー前日に相手から連絡があって、そのままお試し交際が開始してしまった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた(目次)

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになったの続きです。
引き続きキャラの名前なし&視点変更なし。全16話。

「再度撮影兼ねて遊びに行き、可愛い年下の恋人を態度でも金銭面でも甘やかす攻めと、こんな優しい人が自分なんかとずっと付き合ってくれるはずないと思ってギクシャクする受け。そんな受けに甘えていいと説明してくれる攻め。恋が続くうちに一生懸命イチャイチャしようとする二人」というリクエストを頂いて書いた、本編から3週間後の初デート話です。
洗腸の手伝いは今回もしてますが描写はほぼなく、代わりに風呂場でのアニリングス描写がそこそこあります。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 あれから3週間
2話 久しぶり
3話 酒の力を借りて
4話 早々とチェックイン
5話 昼寝を終えて
6話 セックス抜きでも会いたい
7話 昼寝後にやりたかったこと
8話 そろそろ準備へ
9話 欲しいご褒美
10話 お礼のアニリングス(R-18)
11話 やっとキス(R-18)
12話 今更の緊張(R-18)
13話 前回とは違うこと(R-18)
14話 繋がる(R-18)
15話 余裕のない急ぎ足(R-18)
16話 ベッドでゴロゴロ

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

煮えきらない大人1

 closeの札がかかった扉を開ければチリンと軽やかな音が鳴る。
「いらっしゃい。待ってたよ」
 来訪に気づいて厨房から顔を出したのはこの店の二代目で、ニコニコと楽しげな顔にこちらの頬も緩んでしまう。
「こんにちは。えと、今日はありがとうございます。楽しみに、してます」
 少しばかり緊張しながらもペコリと頭を下げれば、誘ったのこっちなんだからむしろ来てくれてありがとうだよと、やっぱり笑顔で返される。期待してていいよ、とも。
「じゃ、用意するから座って待っててくれる?」
 テーブル席のがいいかなと続いた言葉に軽く頷いて、一番奥のテーブル席へ向かって歩く。両親と訪れるときの定位置だ。
 物心ついたころから年に数回、親に連れられて訪れていたこのカフェは、両親が学生時代によく利用していたという思い出の場所らしい。近くに両親が通っていた大学があって、春からは自分も通うことになっている。
 進学先をその大学に決めた最大の理由が、この店だってことは誰にも言ってないけど。でも二代目はもしかしたら気づいてるかもしれない。なんせ、高校に上がって行動範囲が広がってからは、何度か一人でこっそりと訪れていたから。
 それに、合格が決まった先日、春からはもっと頻繁に通えるようになるって、わざわざ知らせに来てもいる。しかも浮かれて、ちょっとどころかかなりテンション高めだった。思い出すたび、少々恥ずかしいくらいに。
 でもそんなテンション高めの報告をしたおかげで、こうして合格祝いを貰ってるんだけど。
「お待たせ〜」
 そんな言葉とともに、次々と皿が運ばれてくる。お皿はどれも見たことがあるのに、メニューにない料理ばかりが盛られているから驚いた。
「すごいですね。てか多すぎません?」
 どのお皿も、一品一品そこそこの量がある。せっかくの特別メニューを残したくはないけど、どう見ても一人で食べ切れる量じゃない。
「ちょっと張り切りすぎたとこあるのは認める。けどまぁ、二人分だと思えばそこまででもないだろ」
 そっちの若さに期待してる部分もあるけどと言いながら、これで最後だよと大きめのグラタン皿が中央に置かれた。
「二人分」
「さすがに今日はね。一緒に食べようって思ってさ。わざわざ定休日に来てもらったの、そのためだもん」
 取皿使ってねと言われて、初めて、カトラリーケースの横にお皿が数枚積まれていることに気づく。一緒に食べよう、なんて言ってもらえると思ってなくて、いっきに鼓動が早くなる。
 どうしよう。嬉しさと期待で緊張が増してしまう。
「飲み物なにかいる?」
「いや、水で良いです」
 じゃ、座っちゃうねと言って、相手が対面の席に腰を下ろす。こんな風に向かい合って食事をするなんて当然初めてで、思わず相手を凝視してしまえば、その視線に気づいた相手が照れくさそうに笑った。
「お酒飲める年齢なら、ここでワインの1本も開けたいとこだよな」
「俺のことは気にせず、別に飲んでもいいですよ?」
「いや、いいよ。お酒飲めるようになったら、また祝わせてよ」
「それはもちろん、嬉しい、です。けど……」
「けど?」
 言っていいのか迷えば、言葉尻を拾って訪ねてくる。
 18歳になって成人したけど、ほんの数年前までは20歳で成人だったわけだし。急かすつもりはないんだけど、でも高校卒業も目前だし、そろそろ言葉が欲しい気持ちもある。
「えっと、それは期待していい、やつなんですかね?」
「メニューの話? 食べたいものあるなら、言ってくれれればなるべく希望に沿うように頑張るけど」
「あ、いや、そういうのじゃなくて」
 なんだろ? と首を傾げる相手にはなんの含みもなさそうで、わざとはぐらかしてるようには見えなかった。前からだけど、意識してくれてるのバレバレなのに、こっちの気持ちには鈍いところがある。
「あー、その、いつ告白してくれるのかな、って」
「えっ???」
 めちゃくちゃ驚かれたことに驚いた。なんでだよ。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

意気地なしの大人と厄介な子供1

 酒が飲めるようになったから誕プレでどっかいい店奢ってよとねだったら、相手の最寄り駅から徒歩数分の個室居酒屋に連れてこられて、これは多分、酔い潰れたらお持ち帰りも考慮された店選びなんだろう。まぁ、お持ち帰られたところで、何かされるわけでもないのはほぼほぼ決定で、せいぜい酔っ払いとして世話を焼かれるだけだろうけど。
 好きなくせに意気地なし。と内心思わなくもないけれど、お持ち帰りを考えてくれたことで良しとする。それに、酔って迫ったらワンチャンあるかも知れないし。
「誕生祝いだし、好きに頼んでいいぞ。あ、でも、先に飲むものは決めて。まずはビール、ってタイプじゃなさそうだもんな、お前」
 差し出されたメニューを受け取りながら、叔父さんはビール苦手だったっけと、ここにはいない親戚の男を脳内に思い浮かべた。
 血の繋がりがあるのと、中学を卒業するくらいまでかなり近所に住んでいたから当然かも知れないが、叔父とはそれなりに見た目も食の好みも似ている。もっと言うなら、思考パターンなんかも多分似ている。だって、幼い自分から見ても、憧れるには充分な人だったから。
 小さな個室の中、目の前に座っている男は叔父の学生時代の友人で、今現在通っている大学の事務職員だ。
 自宅から通学するにはちょっと遠い大学への入学が決まったあと、すでに近所とは言えない場所に住んでいた叔父がわざわざ電話をかけてきて、引越し後に一度会いに行くと言われた時は意味が分からなかったけれど。でもこの男と引き合わされて、お前の通う大学の職員だから何か困ったら頼れよと紹介されて、どうやらただの親切心とお節介だった。
 ネットで調べりゃ大概のことが出てくる現在で、日々の生活に困るようなこともなければ、大学でのあれこれだってちゃんと説明を聞いていれば問題なく過ごせるようになっている。そもそもこの人は職員は職員でも情報システム系だというから、紹介はされたが、頼ることはないだろうと思っていた。それはつまり、叔父抜きで会うことはないだろう、という意味だ。
 なのにお酒が飲めるようになるまでの1年とちょっと、誕プレでいい店連れてってなんて言えるような関係にまでなったのは、相手からちょくちょくと声をかけてきたからに他ならない。
 最初は叔父に頼まれての様子見だった可能性は高い。正確には、母か祖母あたりに頼まれた叔父経由の様子見、なんだろうけど。
 でもまぁ、食事に誘わるのは正直言ってありがたい。なんせ一回りも年上ということで、会計は全て相手持ちだからだ。
 さすがに叔父から資金が出てるわけではないらしいので、多少は出すべきかも、と思ったことはある。思うだけでなく、口に出しても聞いてみた。けれどその結果、一銭も支払うことなく現在まで来ている。
 いわく、金に余裕がある時にしか誘わないし、独り身だから誰かと食べる食事が嬉しいし、こんなおっさんの相手してくれるだけでありがたいから。だそうだけど、それ以外の理由も多分あると気づくのは早かった。
 口に出して確かめたことはないが、多分この人の性的指向はゲイまたはゲイ寄りのバイで、叔父に対しても何らかの感情を抱いていた過去がある、はずだ。
 叔父は既に既婚者で、さすがにもう気持ちの整理なりはついているんだろうけれど、結構本気で好きだったんじゃないかなと思ったりもしている。ちょっと似たところのある甥っ子を、度々食事に誘ってしまうくらいには。
 つまりは、自分を通して、叔父を見られているような気持ちを味わうことがある。でもその頻度は食事をするたびに下がっていって、最近は自分自身を見られている、と感じることが随分と増えた。
 元々叔父が好みなら、自分だってそりゃ相手の好みの範囲だろう。という納得と、ちょっとした期待。なんせ自分の性的指向がゲイだという自覚があるので。目の前のこの男を、悪くないなとも思っているので。
 でもそんなこちらの気持ちは、多分相手に伝わっていない。伝わっていてなおこの状況なら、相手の忍耐力というか自制心に疑問が湧くレベルだと思う。
「決まったか?」
「んー、じゃあ、カルーアミルク」
 言ったら少し驚かれたので、似合わないものを頼んだ自覚はある。
「初心者でも飲みやすいって聞いたから、とりあえずそれで」
 正確には、初心者がうっかり飲みすぎてヤバいことになる酒のランキング1位だったのがこれだ。なんて事は当然言わない。
「ああ、なるほど。けどもし、料理に合わせてみてイマイチと思ったら別の頼めよ。別に残しても構わないから」
 わかったと頷けば、じゃあ店員呼ぶから食べたいものも幾つか決めとけと言って、相手の手がテーブルの上に乗ったボタンを押した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁