俺が眠らせてあげるから5

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5章 恋人になりたい

【朝のリビング】
ケイの作った朝食を一緒に食べている。

修司:結局、ケイくんが朝ごはん用意するようになっちゃったよね

ケイ:だって、修司さんに俺が作ったご飯食べて欲しくて

修司:って言われちゃうから
  :俺もついつい甘えちゃうんだよなぁ
  :ケイくんのご飯美味しいし

ケイ:もっと甘えてくれていいですよ?
  :(ちゃんと嬉しいのに……)
  :(でも好きって気づいちゃったから)
  :(胸の中もやもやする)

修司:どうかした?

ケイ:え?

修司:少し浮かない顔してる
  :お泊りの頻度多すぎて、ケイくんが寝不足になってない?

ケイ:(ないとは言い切れないかも……)
  :大丈夫ですよ
  :だから泊まるのなしって言わないで?

修司:そうは言ってもさ

ケイ:俺が泊まるの、迷惑じゃないでしょ?
  :添い寝の依頼も続けてくれてるし
  :嫌ならはっきりダメって言うなり
  :俺を呼ぶの止めるなりしてるはずだよね?

修司:迷惑ではないけど心配はするよ
  :ケイくんの添い寝があるのとないのとで
  :睡眠の質が違うの自分でわかってるから
  :ケイくんの体調が悪くなれば俺の睡眠にも関係してくる

ケイ:(俺を心配するのは安眠確保のためか)
  :(そりゃそうだって思うのに)
  :(胸、痛い……)

修司:ああ、本当に具合悪そうだな
  :食べ終えたら今日は帰るといい
  :それとも、今すぐ帰るかい?

ケイ:や、やだ!

修司:ヤダって言われても……

ケイ:本当に平気だから
  :帰れなんて言わないで
  :だって俺が修司さんとこ来れるの
  :添い寝の依頼入ったときだけなんだよ?
  :少しでも長く修司さんと一緒に居たいよ

必死に言い募るが逆効果だったかもしれない。
微妙な顔をされて、しまったと焦る。

ケイ:あ、その……
  :ごめんなさい、俺
  :あまりに必死過ぎだった
  :あの、もしかしてドン引き……?

修司:ドン引き、ではないけど

ケイ:ないけど?

修司:お金になるわけじゃないのに
  :ケイくんが俺と一緒に居たがる理由がわからなくて
  :前に友達になりたいって言われたときも驚いたけど
  :トラウマ持ちの引きこもりで睡眠障害まである男の
  :何がそんなに興味をひくのかなって

ケイ:そんなの……
  :(どうしよ、なんかずっと胸痛い)
  :好きになっちゃったから、ですよ
  :(ああ、言っちゃった)

修司:ん?
  :今、好きって言った?

ケイ:言いました
  :この前、友達になりたいって言ったけど
  :でも多分本当は
  :恋人になりたいんだと、思う

修司:恋人……

ケイ:眠れないなら毎晩だって隣で一緒に寝てあげたいし
  :気持ちよさそうに眠ってると嬉しくて仕方ないし
  :添い寝屋キャストやる上でいっぱい研修受けたり
  :売れっ子って言われるくらい実績出したり
  :そういうの全部、修司さんと出会うためだったのかもって
  :最近は、そんな事まで考えてる

修司:いやちょっと、待って

ケイ:やっぱ男の俺じゃ、ダメですか?

修司:そうじゃなくて
  :あー……

修司が言葉を探すのを、ただじっと待ってしまう。

修司:驚いたけど気持ちはありがたいと思うよ
  :ただ友達にはなれないって言ったのと同じ理由で
  :今はとてもじゃないけど
  :恋人なんて作る気になれないんだ

ケイ:そ、ですよね……

その後、気まずいまま時間だけが過ぎていく。
結果、朝食後には修司の家を後にした。

ケイLINE:シュンさん、ごめんなさい

シュンLINE:どうした?

ケイLINE:俺、修司さんのこと好きになりました

シュンLINE:え?

ケイLINE:客に本気になるなんてキャスト失格ですよね
     :俺のこと、クビにしますか?

シュンLINE:気が早いな
      :というか二人で俺をからかって遊んでないよな?

ケイLINE:そんなことするわけないでしょう

シュンLINE:なら本気ってのを信じるけど
      :それ恋愛感情でって意味だよね?

ケイLINE:そ、です

シュンLINE:修司には?

ケイLINE:言いました
     :気まずくなりました
     :もう俺ホント何やってんだろ

シュンLINE:ホント何やってんだよ
      :で、修司はなんて?

ケイLINE:今は恋人作ろうと思えないからって
     :俺が男だから無理とは言われなかったけど
     :それは気を遣ってくれただけかも?

シュンLINE:実際、今は恋人どころじゃないんだろ
      :そういやケイはどこまで事情聞いてるの?

ケイLINE:元カノの話は聞いてます

シュンLINE:知ってて告白したのか

ケイLINE:だってなんかもう抑えられなくて
     :どんどん好きになっちゃうから
     :なんか苦しくって

シュンLINE:なるほどな
      :相性いいだろうなとは思ってたけど
      :そうか、どんどん好きになっちゃうか

ケイLINE:シュンさんのせいですよ!
     :ってことにしたいくらい、やらかしてる自覚はあります
     :なのでクビでも受け入れるので

シュンLINE:修司だけが特別で、他の客で問題起きそうにないなら
      :オーナーとしては辞められる方が困るかな

ケイLINE:修司さんだけが特別です

シュンLINE:なら処分は修司次第かな
      :クレーム来たら考えるわ

ケイLINE:クレームはわからないですけど
     :さすがに次の依頼はないと思うんですよね

シュンLINE:それはどうかなぁ
      :あっちはあっちでケイのことかなり気に入ってるから

ケイLINE:未練残っちゃうから止めてくださいよそういうの

シュンLINE:はいはい
      :じゃあ、修司の件は俺の預かりで

ケイLINE:わかりました

【数日後】
シュンLINE:【朗報】
      :喜べ、修司から次の依頼が来たぞ

ケイLINE:素直に喜べません
     :ていうか行かないとダメですか?

シュンLINE:行きたくないの?

ケイLINE:気まずいですって
     :そもそも行っていいんですか
     :オーナーとして止めるべきとこじゃないですか?

シュンLINE:でも修司がケイ以外じゃ眠れそうにないって言ってるし
      :アイツのこと、諦めずに支えてやってよ
      :あ、これ、オーナーとしての指示じゃなくて
      :アイツの先輩からのお願いなんだけど
      :どう?

ケイLINE:どうなっても知りませんよ?

シュンLINE:俺は自分とこのキャストも可愛い後輩も信用してる

ケイLINE:もー!

続きました→

 
 
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俺が眠らせてあげるから4

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4章 友だちになりたい

【修司の家の寝室】
ベッドで二人とも横になっている。

ケイ:修司さん眠そう

修司:うん、ごめん……

ケイ:ううん、謝らないで
  :俺と一緒に横になってると安心して眠くなるってのは
  :普通に嬉しいと思ってるし

修司:でも

ケイ:それにほら
  :今夜はロングコースで朝まで一緒だしさ

修司:今夜は、って言うけど
  :最近は後の予定なかったら勝手に泊まってくよね?

ケイ:それは、そうなんだけど
  :でも俺が泊まっても、迷惑、ではないでしょ?
  :シュンさんにもずっと内緒にしてくれてるし
  :(それが二人だけの秘密っぽくて嬉しいんだよな)

修司:迷惑ではないけどやっぱり申し訳ないよ
  :毎回ロングで朝までお願いできればいいんだろうけど
  :さすがにそこまで懐に余裕がない

ケイ:そこは気にしないでって言ったよね?
  :というか無理してロング頼まなくていいんだからね?

修司:そうは言っても、先輩に黙ってる負い目もあるしさ
  :たまにはお店の売上に貢献しとかないと

ケイ:でも俺が、修司さんともっとお話したくて勝手にやってるだけだし
  :後に予約あればちゃんとそっち行くし
  :つまり空き時間の有効利用なだけだから!

修司:んふふ

柔らかに笑う気配がする。

ケイ:(笑った?よね?)
  :(滅多に笑ってくれないのにこのタイミングって)
  :(ああ、暗くて顔よく見れないの残念だな)

修司:夜は俺がさっさと寝ちゃうからってのはわかってるんだけど
  :なんでそんな必死なの

ケイ:だって気にされてロング頼まれると泊まりにくくなっちゃう

修司:無理はしてないつもりだから安心してよ

ケイ:それ、信じてますからね?

修司:うん、信じて

ケイ:(とは言っても、休職中って知っちゃってるし)
  :(正直、もうお店通さなくたっていいくらいなんだけど)
  :(もともと正規のお客ってわけでもないんだし)
  :(ああでも、シュンさんはどう思うんだろ)
  :(もし俺がやってることバレたとして……)
  :(売り上げどうこう言わない気もするんだけどなぁ)

修司:スー……

ケイ:修司さん……?
  :寝ちゃった?

修司:スー……

ケイ:(この安らかな寝息聞けるのって俺だけなんだよな)
  :(シュンさんだって知らないんだ)
  :(って思うとすっごい優越感)
  :(ああああもー)
  :(俺もちょっと仮眠とろ)
  :(明日、修司さんに寝不足顔見せれないし)

【翌朝】
ケイが作った朝食を二人で食べている。

修司:うん、美味しい

ケイ:ありがとうございます

修司:というか凄いよね
  :この朝食作ってくれるサービス

ケイ:希望者にだけですけどね
  :だって朝までってお願いしてくれるお客さんに
  :何か特別感出したいじゃないですか

修司:そういうとこも人気なんだろうなぁ

ケイ:あ!

修司:え、何?

ケイ:勝手なお泊りを黙っててくれるお礼に
  :今度から泊まったら朝ごはん作りましょうか?

修司:いやいやいや
  :悪いよ

ケイ:えー、作りたい〜

修司:だって朝までコースなお客さんへのサービスだろ?

ケイ:そうだけど
  :俺が帰ったって朝まで眠れるんだから
  :朝まで居る必要ないのわかってるし
  :でも修司さん、ダメって言わないし

修司:俺、利害が一致してるからって言わなかった?

ケイ:それ、修司さんのメリットよくわかんなくて
  :俺が朝まで居ると何かいい事あります?

修司:んー……リハビリ的な?

ケイ:リハビリ……?

修司:なんせ夜はすぐ寝ちゃうからね

ケイ:それってつまり、修司さんも
  :俺ともっと話したいって思ってくれてる?

修司:思ってるよ
  :人間不信酷くて仕事もままならないって言ったろ
  :でもケイくん相手だとそんな気負わず話せるんだよね
  :なんせ隣で安心しきって眠れるような相手だし

ケイ:あー相性がいい、みたいな?

修司:ケイくん選んで派遣してくれるあたり
  :先輩は俺を良くわかってるよね

ケイ:(俺もシュンさんには感謝してるけど)
  :(でもなんかちょっと面白くないよね)
  :(って俺、シュンさんに嫉妬してる?)
  :俺だって修司さんのこと
  :もっともっとわかりたいって思ってますよ?

修司:うん、知ってる

穏やかに頷く姿に何かが引っかかる。
何が気になるのかと思っていると。

修司:本当に先輩が言ってた通りだよ

ケイ:え?

修司:うちのキャストは優秀だからって自慢したくなるの、わかる

ケイ:あ、わかったかも
  :(修司さんのこと知りたがるの仕事でって思われてる)

修司:何がわかったって?

ケイ:あーその、俺
  :修司さんと友達になりたい、です

修司:友達?

ケイ:うん、友達としてなら昼間会いに来たっていいでしょ?
  :俺、修司さんのこと、もう
  :あんまりお客さんって思えてないとこあるし……

修司:あー……
  :ケイくん相手にリハビリしてるとは言ったけど
  :でも友達になりたいとは思ってないと言うか
  :今はまだ、新しい人間関係を構築するのに
  :不安と抵抗が強すぎると言うか

ケイ:そ、ですか……

修司:せっかくの申し出、断ってごめんね

ケイ:いえ、俺こそ無理言ってごめんなさい

【別の日の夜】
隣で修司が安らかな寝息を立てている。
そっと頭を撫でれば甘やかな吐息が漏れた。

修司:んふ……

ケイ:ふふっ
  :(気持ちよさそな寝息)
  :(この前、断られちゃったけど)
  :(でもやっぱり修司さんと友達になりたいなぁ)
  :修司さん……
  :(もっともっと修司さんのこと教えて欲しい)
  :(もっと修司さんに近づきたい)
  :(特別になりたい)
  :(だって俺、こんなに修司さんのこと……)
  :すき……
  :(ああ、そうか)
  :(いつの間にかこんなにも……)
  :(だからシュンさんに嫉妬したりしちゃうんだ)
  :(これ、気づいちゃって良かったのか?)
  :(これからどうしよう……)

続きました→

 
 
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俺が眠らせてあげるから3

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3章 不眠の原因

【朝の寝室】
修司はベッドの上であぐらをかき話を聞く体勢を取る。
その正面に正座すれば一瞬戸惑う様子を見せた。
しかし正座に言及されることはなかった。

修司:ねぇ、なんでいるの?

ケイ:修司さんが起きるの、待ってました

修司:それって大丈夫なの?

ケイ:大丈夫っていうのは?

修司:契約違反と言うか、業務違反?
  :契約通りに帰らないってのは、怒られるやつじゃない?

ケイ:まぁ、そうですね
  :知られたら怒られますね

修司:あ、俺が先輩に黙ってればいいってことか?

ケイ:内緒にしてくれるんです?

修司:先輩には悪いけど、仕方ないだろ
  :これでケイくんの立場悪くなって、来て貰えなくなると困る

ケイ:優しいんだ

修司:こういうのは優しいって言わないよ

ケイ:じゃあなんて?

修司:利害の一致、とか?

ケイ:なるほど
  :(俺が来れないのは困る、ってくらい必要とされてるんだよなぁ)

修司:で、何か理由があるんだよね?

ケイ:はい
  :でもこれも、本当はやっちゃダメな奴で

修司:今更だろ
  :いいよ、言ってみて

ケイ:その、もっと知りたいんですよ
  :修司さんのこと

修司:えっと……
  :それも業務違反なの?
  :客のことを知っておこうっていうのはキャストとして当然じゃないの?

ケイ:相手が話したいのを聞くのは仕事だけど
  :でも、修司さんは違うというか
  :俺に自分のこと聞いて欲しいわけじゃないでしょ?
  :それをこっちから、教えてってやるのは多分、ダメです

修司:ああ、まぁ
  :それはわからなくはないな

ケイ:添い寝屋キャストとして失格というか
  :こんなの、他の子には絶対やらない自信があるのに……
  :でも、修司さんが……

修司:俺が?
  :何かしちゃった?

ケイ:いえ、むしろ何もなさすぎなのが原因ですかね

修司:何もなさすぎ……?

ケイ:結構リピートしてくれてるのに、俺、修司さんのこと何も知らない
  :シュンさんが可愛がってた後輩で、何かが理由で酷い不眠で
  :俺の添い寝は効果あり、くらいしか知らないんですよ
  :だっていつもすぐ寝ちゃうから

修司:俺と先輩の話、聞きたかったりする?

ケイ:それも興味ありますけど

修司:やっぱ、なんで眠れないか、ってのが気になってる?

ケイ:まぁ……
  :聞いていいなら、聞きたいです
  :だってシュンさんは知ってますよね?
  :(あれ?)
  :(俺、もしかしてシュンさんに張り合ってるのか?)

修司:まぁ先輩には情けない話もしやすかったし

ケイ:情けない話、なんです?

修司:まぁね :簡単に言うと、フラれたの

ケイ:恋人に?

修司:そう

ケイ:(これ、性別どっちなんだろ?)
  :(俺に添い寝されてるってことは相手男?)
  :えっと、酷い振られ方だった、ってことですよね?

修司:そうだね
  :先輩が相当怒ってくれた程度には

ケイ:シュンさんが相当怒るレベル……
  :(しかもそれ原因で眠れなくなるレベル)
  :想像つきません

修司:想像ついちゃう方が嫌だよ

ケイ:それを聞かせて貰うことは?

修司は軽く頷いて話し始める。

修司:結構長いこと付き合っててさ
  :結婚とかも考えてたんだけど

ケイ:(あ、相手女性なんだ)

修司:他の男と婚約されちゃったんだよね

ケイ:は?え?婚約?
  :他の男と?
  :結婚する気があるって、言ってなかったとか?

修司:いや、言ってたよ
  :そろそろご両親に挨拶にって話もしてた

ケイ:な、なんでそれで、他の人と?

修司:それがさ、俺が知らなかっただけで
  :俺より長く付き合ってる男がもう一人いたの

ケイ:えっ?えっ?

混乱しきれば自嘲めいた笑みを見せる。

修司:二股かけられてたんだよね
  :しかも俺が浮気相手だったってオチ

ケイ:あー……
  :あああー……
  :それは……
  :キツい、ですね

修司:わかってもらえて何より

ケイ:それで眠れなくなっちゃいました?

修司:メンタル脆くて情けないだろ?

ケイ:そんなことないですよ!
  :それほど相手のことを真剣に想ってたってことでしょ?

修司:今となってはどうかなぁ
  :アイツのおかげでその後も散々だったしね
  :眠れないのと人間不信で仕事にならなくてさ
  :薬も軽めのじゃ効かないし眠れるのは副作用キツいし
  :で、結局、休職して引きこもりの完成だよ

ケイ:薬が合わなくて添い寝を?
  :あ、でも、シュンさんが強引に勧めたんですっけ?

修司:いや、最初は自分で頼んだよ
  :先輩んとこじゃなくて、女の子派遣してくれるとこ

ケイ:え?

修司:ただこれも元カノの残したトラウマなんだろな
  :女の子と一緒のベッド入れなかった
  :ってのを、先輩に愚痴ったのさ
  :添い寝試すのすら無理でした〜って

ケイ:あ、それで男の、俺?

修司:そ
  :先輩が、うちのキャストは男だし優秀だから試せって

ケイ:最初は渋ってたって、聞いてます

修司:まぁ男に添い寝してもらうとか考えたこともなかったし
  :でもいい加減眠りたかったと言うか
  :今後の生活かかってたと言うかで
  :ダメ元で試してみる気になったよね

ケイ:結果、よく眠れたようで良かったです

修司:あれは本当に驚いたな
  :翌朝目が冷めて、時計何度も見直したよ

ははっと笑う声に思わず目を見開いた。

ケイ:今、笑いましたよね!?

修司:あー、うん、笑ったな

ケイ:嬉しい、初めて笑顔見れた

修司:そんなのを喜んでくれるとか、さすが売れっ子

ケイ:売れっ子?

修司:先輩のとこの売れっ子なんだろ?
  :そんな子をこの頻度で呼んでて申し訳ないよね
  :先輩が気にするなって言ってくれるから甘えちゃってるけど

ケイ:それはホント気にしなくていいです!
  :これからも気にせず呼んで下さい
  :約束ですよ!?

修司:はいはい
  :てか俺がお願いする立場なはずなんだけどな

ケイ:呼んでくれるの嬉しいって何度も言ってるじゃないですか!
  :本気って!

修司:うん、ありがとう

続きました→

 
 
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俺が眠らせてあげるから2

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2章 もっと知りたい

【翌日の事務所】
シュン:昨日はありがとうな

ケイ:あ、修司さんと連絡取りました?
  :鍵、勝手に借りちゃった件とか

シュン:ああ、うん、鍵な
  :あっちも、渡しそこねて悪かったってよ
  :あと、感謝してたぞ

ケイ:感謝されるほどのことはしてませんけどねぇ

シュン:でも驚くほどぐっすり眠れたらしい
  :あんなに寝れたの久々だって

ケイ:なら良かったです

シュン:もしかしたらリピートあるけど
  :また頼めるか?

ケイ:いいですよ〜
  :(全然喋れなかったからなぁ)
  :(シュンさんが可愛がってた後輩、気になってるのに)

【2週間後】
ケイ:修司さん、こんばんは〜
  :2週間ぶりですね
  :(ってまただいぶ酷い顔してんなぁ)

修司:これ

ケイ:あ、鍵ですね!
  :ありがとうございます、お預かりします

ケイは受け取った鍵をしまった。
修司はフラフラとした足取りで寝室へ入っていく。

ケイ:(これもう相当眠いやつ〜)
  :(こんな状態になる前に呼んでくれればいいのに)
  :ねぇ修司さん

修司:ん?

修司はさっさとベッドの中で横になっている。
隣に潜り込み寄り添いながら、その頬をそっと手のひらで包み込む。

ケイ:あなたが安心して眠れるなら、俺はいつでも駆けつけますからね
  :ケイが必要だよ、って言ってくれさえすれば

修司:ふっ……

ケイ:(あ、今ちょっと笑った?)
  :今日はそれだけ、覚えてから眠って?

修司:ああ
  :おぼえとく

ケイ:じゃあ目ぇ閉じて

修司:頭

ケイ:もちろん撫でてあげますよ〜

修司:ん

ケイ:ふふっ、気持ちよさそな顔
  :おやすみなさい、修司さん

修司:ん……スー……

ケイ:(相変わらずはっやっ!)

暫く様子を見てからそっとベッドを抜け出す。

ケイ:修司さん、寝てますよね?
  :じゃあ俺、帰りますから
  :いい夢、見て下さい

起こしてしまわぬよう小声で囁いた。

【2週間後】
ケイ:修司さん、こんばんは〜

修司:ケイくん、こんばんは

ケイ:最近は随分顔色良くなりましたよね
  :(ついでに随分小綺麗にもなったよね)
  :(髪とかしたり髭剃ったりの余裕が出来たなら良かった)

修司:まぁこの頻度で来てもらってれば、な
  :よく眠れて体調も随分いいよ

ケイ:数日置きですからねぇ

修司:負担になってない?

ケイ:ちっとも!
  :ほんとは毎日だって呼ばれたいくらいですけど

修司:ふっ

ケイ:今、笑いました!?

修司:いや笑ってない

ケイ:(確かに顔は笑ってないけど)
  :(ああ、笑ってる顔、見てみたいなぁ)
  :本気で言ってますからね、俺

修司:知ってる
  :いつもあっさり寝落ちる俺は、楽な客の部類なんだろ?

ケイ:ちがっ!
  :いや、違ってないけど、でも!
  :毎日呼ばれたいのは楽だからじゃなくて!

修司:いいよいいよ
  :そっちにもメリットあったほうが気楽に頼みやすいし
  :だからほら、今日も頼むよ

ケイ:もー
  :じゃあはい、ベッド入って
  :てかたまには頭撫でる以外も試しません?

修司:もっと色んなテクを見せつけてやりたい的な話?

ケイ:そう、って言ったら腕枕させてくれる?

修司:いやぁさすがにそれは
  :その、楽してるとか言って悪かったよ
  :だからいつも通りで

ケイ:はーい

頭を撫でてやればゆるりと修司の目蓋が落ちていく。
程なくして寝息が聞こえてきた。

ケイ:(あーあ、もう寝ちゃった)
  :(気持ち良さそうな寝顔だなぁ)
  :(安心して眠ってくれるのは嬉しいけど)
  :(眠るまでが早すぎるよ)
  :(修司さんともっと話がしたいのに)
  :(修司さんが起きるまで、待ってちゃダメかなぁ)
  :(まぁダメに決まってんだけどさぁ)

寝顔を見ながら悶々としている内に終了時間が来てしまう。
帰らなければと思いながらもベッドを出られない。

【朝】
ケイ:(完全に業務違反やらかした)
  :(でももう、ここまできたら)
  :(修司さんが起きるの見届けずにいられないよね)

修司:んんっ……

ケイ:修司さん?

修司:ん……けーくん?

ケイ:(わぁ〜、寝ぼけた声、新鮮!)
  :そうです

修司:あれ?
  :んん??

ケイ:よく眠れました?

修司:うん、それは
  :え、朝?

ケイ:朝ですね
  :おはようございます

修司:えっ!?

修司がガバリと身を起こす。

続きました→

 
 
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HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

俺が眠らせてあげるから1

CHAT NOVEL@CHATNOVEL)さんで公開された「俺が眠らせてあげるから」(リンク先は試し読みのWeb版で3章まで読めます)がアプリで読めなくなったので全文公開します。

目次へ→

1章 オーナーからの紹介

【ピコン♪】
バイト先のオーナーであるシュンからLINEが届いた。

ケイ
:(あれ、シュンさんからのLINE?)

シュンLINE:突然で悪いんだけど、男性客取る気ないか?

ケイ:(え、ちょ、なんで?)
  :(うちの店、女性専用じゃなかった??)

ケイLINE:本当に突然ですね
     :何か事情があるんですか?

シュンLINE:知り合いが相当ひどい不眠らしくて、つい、
      :うちのキャスト試せよって言っちゃったよね

ケイLINE:あー……で、俺に行けと

シュンLINE:嫌?

ケイLINE:嫌というか、自信ないです
     :男性客取ったことないですもん

シュンLINE:指名No.1の売れっ子が何言ってんの
      :男相手でもケイなら大丈夫って俺が保証するよ
      :というか、うちのキャストではケイが一番
      :あいつと相性良さそうなんだよね

ケイLINE:相性どうこう言えるほど相手のこと知ってるんです?

シュンLINE:学生時代に可愛がってた後輩だからな

ケイ:(シュンさんが可愛がってた後輩かぁ)
  :(それはちょっと気になる)

ケイLINE:なら行ってもいいですけど
     :でもあんまり期待しないでくださいよ

シュンLINE:わかってるよ
      :そもそもお試しだからあまり気負わなくていいぞ
      :ケイでだめならキャスト変えたってダメだろうし

ケイLINE:そうなんです?

シュンLINE:そうそう
      :あいつ最初かなり渋ってたし、そこまで乗り気でもないから

ケイLINE:そんな相手の所へ俺を送り込むんだ……

シュンLINE:嫌な思いさせたら悪いな
      :まぁその分、給料割増で出すからさ

ケイLINE:シュンさんが?

シュンLINE:そう、俺が
      :今回の依頼は俺からって事で頼むよ

ケイ:(シュンさんにここまでさせる相手、ますます気になる)

ケイLINE:わかりましたー
     :コースどうします?
    :依頼者がシュンさんなら、シュンさんが決めるんですか?

シュンLINE:あー、そうだな
      :そこ臨機応変でってのでもいい?

ケイLINE:臨機応変、ってのは?

シュンLINE:相手が眠るか追い返されるかしたら終了みたいな

ケイLINE:あー、なるほど了解
     :終えたらシュンさんに連絡でいいです?

シュンLINE:うん、それで頼む

ケイLINE:じゃあ相手の情報とか希望日とか送って下さい

シュンLINE:わかった

【修司の家の前】
ケイ:(さて、どんな男が出てくるのかな)

チャイムを鳴らして暫く待つ。

【ガチャ】
ケイ:初めましてケイです!

修司:……

ボサボサ頭に無精ひげの陰気な男だ。
ジロリと見られて怯みかけるが笑顔を保つ。

ケイ:(あーこれは……)
  :(確かにやばいレベルで睡眠取れてない感じ)
  :シュンさんからの依頼で伺ったんですけど
  :えっとぉ
  :まずはお家、お邪魔していいですか?

修司:……

男は無言のまま踵を返した。
ケイは男に続いて家の中へ入っていく。

ケイ:おじゃましまぁす
  :(ああ、フラフラしてる)
  :(これ初回の説明とか飛ばしていいかな?)
  :(臨機応変でって言ってたし、いいよね?)
  :あの!
  :いきなりですけどもう布団行っちゃいましょう
  :あ、俺が添い寝するのでダメじゃなければ

修司:じゃ、ぁ
  :ケホッ
  :ここ、が

ケイ:(久しく喋ってないのか……)
  :(この状態なら納得だけど)
  :無理して喋ろうとしなくていいですよ
  :そこが寝室?

頷く男の後に続いて寝室へ入る。
しかし男はベッドの前で立ちすくんでしまう。
ケイは男の隣に立って相手の顔をそっと窺った。

ケイ:(渋ってたって言ってたしなぁ)
  :(でも寝室へ入れてくれたってことは)
  :(全くダメでもないんだよな?)
  :立ってたら辛いですよね?
  :まずはあなただけでも座って、って
  :あー……
  :呼び名対応も出来るんですけど
  :希望の呼び名がなければ修司さんで
  :そう呼んで、いいです?

修司:ん

ケイ:じゃあ修司さん、座って下さい

修司は促されるままベッドに腰掛ける。
その前に跪いて顔を見上げながら。

ケイ:返事は頷くか、首を振ってくれればいいので
  :俺がシュンさんの依頼で添い寝に来たのはわかってますよね

修司:ん

ケイ:俺が横で寝ても、いいですか?

修司:ん

ケイ:そこに薬がありますね
  :今日の分はもう飲みました?

修司:……

ケイ:(薬のせいでぼんやりしてるわけじゃないってことか)
  :えっと、飲まずに寝ます?

修司:ん

ケイ:まぁ薬飲んじゃったら、添い寝で寝れたかわからないですもんね
  :じゃあ目を閉じて、まずは横になりましょうか

修司はやはり促されるまま目を閉じ横になる。
布団を掛けてやりその隣に滑り込んだ。

ケイ:素直ないい子ですね
  :頭なでられるの、嫌じゃない?

修司:ん

ケイ:ん、じゃあ、暫くこうしてるので

修司:スー……

ケイ:(えっ!?)
:(いやちょっと待って、早い)

頭を撫でるのを止めても深い呼吸は変わらない。
そのまま暫く様子を見てみる。
変化がないのでベッドを抜け出した。

ケイ:修司さん?
  :起きてませんね?

【修司の家の廊下】
ケイ:はぁ……
  :(超展開すぎた)
  :(え、で、どうしよこれ)
  :(ま、まずはシュンさんに報告と相談だ)

ケイLINE:シュンさんどうしましょう!!

シュンLINE:何があった?

ケイLINE:修司さん、寝ました

シュンLINE:は?
      :慌てさせんなよ、さすがだな
      :いやでも早すぎないか?

ケイLINE:そうなんですよ!
     :しかも俺、鍵渡されてないんです、まだ

シュンLINE:あれ?
      :用意しとくよう言ったぞ俺は

ケイLINE:それがその、あんまり辛そうなんで寝室直行しちゃって
     :ほとんど会話ないまま眠られちゃって  
     :ていうか、鍵もらい忘れた俺のミスです
     :すみません

シュンLINE:あー……
      :リビング場所わかる?
      :テーブルの上確認してみて

ケイLINE:許可なく勝手にうろついたら問題あるんじゃ

シュンLINE:俺が許可する
      :だから自力で鍵探せ

ケイLINE:はーい

リビングを探して移動する。

シュンLINE:てかそんな酷かったか?

ケイLINE:かなり酷かったですね
     :あ、鍵発見しました

シュンLINE:じゃあそれ使って
      :ポスト入れて帰宅な

ケイLINE:了解です!

シュンLINE:お疲れ様

続きました→

 
 
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俺が本当に好きな方(目次)

CHAT NOVELさんでWeb版が3章まで読めます。
高校同級生。三角関係。全6章+後日談1話。
主人公の祐希は親友隆史への恋心を隠していたが、クラス替えの後、隆史の双子の弟である悟史にその恋情を知られてしまい、更には好きになったと告白までされる。隆史と悟史の間で気持ちを揺らしながらも、最終的には隆史と恋人になります。キスまで。
後日談は隆史視点で、恋人として初めて祐希の部屋を訪れる隆史の話。

1章 双子の弟
2章 隆史に彼女
3章 悟史からの告白
4章 揺れる気持ち
5章 男同士で好きなんて
6章 本当の本当に両想い?
後日談

 
 
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