今更嫌いになれないこと知ってるくせに(目次)

診断メーカー(http://shindanmaker.com/474708)から頂いた
あなたは『「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」って泣き崩れる』誰かを幸せにしてあげてください。
というお題を、叔父と甥の2人で書いたらメチャクチャ長くなりました。
全34話です。

キャラ名はありません。
視点の主は叔父で、甥との年の差は10歳あります。
気持ちのベクトルは最初 義兄(甥父)←叔父←甥 ですが、最終的には叔父と甥で両想いハッピーエンドです。
最終的な肉体関係は叔父×甥ですが、途中、甥が叔父を押し倒して強引に色々弄るシーンなどもあります。

義兄への気持ちに気づいた後、実家とも姉家族とも久しく疎遠にしていた主(叔父)の家に、義兄そっくりに育った甥がある日突然押しかけてきた夏から、甥が高校卒業する春までの半年ちょっとの間の話です。
義兄への想いと甥への想いの間で主(叔父)が揺れまくって相当グダグダしてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 突然の訪問者
2話 懐かしい味
3話 義兄の夢
4話 義兄で自慰(R-18)
5話 自慰失敗(R-18)
6話 甥の手で(R-18)
7話 甥へのカミングアウト
8話 約束の週末
9話 甥の告白
10話 父さんの代わりでいい
11話 甥の経験値(R-18)
12話 甥の緊張(R-18)
13話 可愛い声(R-18)
14話 甥自身の手で拡張(R-18)
15話 拡張交代(R-18)
16話 指3本とお尻での快楽(R-18)
17話 ここまでで
18話 甥の帰宅
19話 姉の電話
20話 義兄の待ち伏せ
21話 甥の部屋
22話 甥の進路
23話 甥への好きを認める
24話 その気持ち、試していいの?
25話 今更嫌いになれないこと知ってるくせに
26話 親・姉・義兄に知られている可能性
27話 自分の覚悟
28話 良い報告
29話 甥の卒業と同居開始(R-18)
30話 まずは手で一緒に(R-18)
31話 性急に解す(R-18)
32話 繋がる(R-18)
33話 同時に果てる(R-18)
34話 明日も明後日もその先も

 
 
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今更嫌いになれないこと知ってるくせに34(最終話)

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 ほぼ同時に終われた事に心底ホッとしつつ、さすがに疲れきって、なんとか繋がりを解いた後で甥っ子の上に崩れ落ちる。体格差はそうないどころか体力的にも筋力的にも若い甥っ子のほうが断然上だろうから、相手を潰す心配はまったくしていなかったが、やはりビックリはさせたらしい。
「わっ、ちょっ、にーちゃん!?」
 相手の声も随分と疲労が滲んでいたが、それなりの声量が出せるくらいには元気なようだ。
「ゴメン、先にちょっと休憩」
 年を感じるとぼやいたら、体の下で甥っ子がクスクスと楽しげに笑った。笑いながら、背中に回った腕がゆるりと抱きしめてくる。
「にーちゃんだってまだ20代なのに。でも、疲れきるほど気を遣ってくれたんだって、わかってるよ。いっぱい優しくしてくれて、ありがと」
「途中暴走もしたけどな。でも、ちゃんと一緒にイけて、本当、良かった」
「それ、まさか本当にそうしてくれるって思ってなかったよ。凄いね。というか、疲れさせたのって、それが原因だよね?」
「まぁお前初めてだから、こっちもかなり手探りだったし。でも、悪くない初めてになったろ?」
「うん。めちゃくちゃ幸せな初めてだったよ。あの時ムリヤリ抱かれなくて良かったって、凄く思った」
 にーちゃんの言った通りだったよと言われたが、当然それも意識してはいた。自分の体を大事にしろだとか、もっといい機会が来るだとか、そんな事を言った手前、ここまで待って良かったと思えるような初めてにしてやりたかった。
「そりゃ良かった。で、体はどうだ? シャワーとか浴びれそう?」
「俺の上で潰れてるにーちゃんがそれ聞くの? このまま寝る気かと思ってたよ」
「俺はそろそろ復活するって。まだ20代だからな」
 20代を強調したら、やはり体の下で甥っ子が楽しげに笑う。
「シャワー行く?」
「ああ。でもお前が無理そうなら先に体拭いてやるから」
「平気って言ったら一緒にシャワー?」
 期待に満ちた声に思わず笑ってしまった。
「平気そうだな。じゃ、一緒にシャワーするか」
 言いながら体を起こせば、下敷きになっていた甥っ子も続いて身を起こす。
「やった。洗いっこね」
 早くと急かす甥っ子の足取りは軽く、どうやら体は本当に大丈夫そうだ。
 風呂場で洗いっこなんて事をすれば盛り上がってしまうのは当然で、特に甥っ子は若さゆえかあっという間にガチガチにまた勃たせている。10という年の差をひしひしと感じつつ、洗ったついでだと言いながら口を使ってイかせてやった。
 もちろん甥っ子も同じように口でしてくれようとしたけれど、さすがにそれは断った。してもらえばそれなりに気持ち良くはなれるだろうけれど、もう一度吐き出したい元気はない。
 甥っ子は若干不満気だったけれど、明日も明後日もその先も、何度だって次があるだろと言えば納得したようだ。それどころか、酷く嬉しげでご機嫌になった。
 そのご機嫌はベッドに戻っても続いていて、隣り合って寝転がった後、こちらを見つめる甥っ子はなんだかふわふわとした笑顔を振りまいている。
「にーちゃんと一緒に暮らすの、本当にずっと憧れだったんだよね。うんと子供の頃からさ。なんで夜は別々の家で寝なきゃダメなんだろって思ってた。なのににーちゃん遠く行っちゃって帰ってこなくて、それでにーちゃんの嫁になりたいとか、完全に憧れ拗らせてる自覚あったけど、でも、今、すっごく幸せだ」
 恋人にしてくれてありがとうと言いながら、甥っ子がゆるく抱きついてくる。
「明日も、明後日も、その先も、ずっとにーちゃんと一緒に暮らしたいよ」
「俺だってそのつもりだよ。あちこち巻き込んで、許してもらって、それで一緒に居られるってのに、そう簡単に別れてなんかやれるか」
 覚悟しとけと言ったら、にーちゃんもねと返された。
「あのさ、不束者ですが、末永くよろしくお願いします」
「こちらそこ至らない点も……って何言わすんだ。てか何言ってんだ」
「恋人にはなれたから、次はやっぱ嫁狙いかなぁって」
 受験後に時間あったから一応花嫁修業もしてきたんだよねなどと言って、ふへへと照れ笑う。
「おまっ」
「料理のレパートリー増やしたかっただけなんだけど、それだけじゃダメって言われて、掃除とか洗濯のコツとかも、にーちゃんの負担にならないように教え込まれてきたからさ」
 家事は俺がやるからねなどと張り切られて、じゃあしっかり稼いでこないとなどという思考になってしまう辺り、とっくに嫁になりたい発言も受け入れてはいた。とはいえ、彼の今の身分は大学生で、叔父の世話で忙しく単位を落としたなんて事になったら、親や姉夫婦に合わす顔がない。
「そりゃ助かるけど、でもあんま無理すんなよ。先は長いんだから、頑張り過ぎると疲れるぞ。家事なんて分担してやりゃいいんだって。あと、勉強第一な」
「わかってるよ。でもご飯は俺の担当ね。そこ譲らないから。にーちゃんの胃袋掴むから」
「てか俺がたいしたもん作れないの、お前知ってんだろ。正直メシに関しては期待してるよ」
 キッチンは姉の家同様の3口コンロだし、冷蔵庫もこの機会に大きな物へ買い換えている。それに気づいた甥っ子が随分と喜んでいたのは、つい数時間前の話だ。
 調理器具に関しては、夏に甥っ子が購入したもの以外ほとんどないと言っていい状態だけれど、それも必要な物は追々揃っていくのだろう。
「後、俺の胃袋なら夏の間にお前がとっくに掴んでっから。10年ぶりに近い実家の味とか、あざとすぎなんだよ」
「ばーちゃんが味方で俺の大勝利」
 ふふっと笑う顔はやはりふわふわと幸せそうで、こちらもなんだか胸がじわりと暖かくなる。
「俺が作れるようになったばーちゃんのレシピ増えてるから、ホント、楽しみにしてて」
 言いながらあくびを噛み殺す。
 ふわふわとして見えるのは、どうやら眠さもあるようだとようやく気づいた。
「楽しみにしてるよ」
 軽いキスを一つ贈って、ベッドヘッドに置いていたリモコンで部屋の明かりを落とす。
「寝るの?」
「疲れてるだろ?」
「でもなんか勿体無くて」
 なんて事を言った割に、ものの数分後には寝息が聞こえてくる。可愛い寝息を吐き出す唇に、もう一度チョンと触れた後。自分もそっと目を閉じれば、すぐに心地よく幸せな眠りに包まれた。

< 終 >

最後まで読んでいただけてすごく嬉しいです。
長々とお付き合い本当にありがとうございました!

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今更嫌いになれないこと知ってるくせに33

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 縋られ胸の中で泣かれていてさえ、抑えきれずに燻る情欲から、完全に動きを止めてやる事はやはり出来なかった。強引に突き上げる事をなんとか堪えているだけで、中を擦って揺すって辛そうに喘がせてしまう。
 代わりに、何度も名前を呼んで、好きだと繰り返した。泣いて喘ぎながらそれでも必死に、好きだと言い返そうとしてくれる相手が酷く愛しい。
「好きっ、俺も好きだかっ、ら…いー、よ。我慢、しないで…いーからっ」
 まさか、さっきみたいにしてなどと、甥っ子から言い出すとは思わなかった。
「だ、ぃじょーぶ…だから、…ね、俺で、きもちく、なって」
 胸がキュウとして痛い。これはダメだ、このままではダメだ。彼の言葉に甘えて、このまま自分の欲を吐き出してしまったら、絶対に後悔する。
「お前、ほんと、どこまで可愛くなるつもりだよ」
「んなの、にーちゃんの、せぃ」
「そーだな、俺が、悪い。もっとちゃんと、きもちくさせてやりたかったのに、ゴメンな」
「きもち、ぃよ。ちゃんと、きもちーから、へーきっ」
「もっとゆっくり、一緒にきもちくなる予定だったんだ」
 肩掴んでいいから少し腕を緩めてと言いながら、相手の肩を軽くさすってやれば、素直に従い肩が掴まれ、少しばかり互いの体の距離があく。空いた隙間に手を差し入れて、若干萎えつつも、腹の下で擦れていたせいかまだ硬さを残す相手のペニスを握った。
「んぅっ」
「一緒にイけなかったら、ほんと、ゴメン」
 大きく息を吸って吐いて深呼吸を一つ。それから抜いて差しての前後運動をやめて、グッと奥に押し入ったまま中を軽く揺するだけにした。そうしながら、手の中のモノをイかせる目的で扱きだす。
「あ、…? っあぁ??」
「前に……こっち、集中して?」
 大丈夫だからと言いながら、先程までに零した雫をすくって先端に塗り広げた。
「んぁあっ、っえ、ちょ、ちが……さっきの、ちがっ」
「うん。これはイヤ? 怖いか?」
「じゃ、ない。けどっ…にー、ちゃ、は? これっ、ぁっんん、これ、いーの?」
 こちらが動いているようには感じないだろうし、実質ほとんど動いてはいないから、自分ばかりがと思ってしまうのかも知れない。
「お前がキモチクなって、中、締めてくれたら、俺も、ちゃんとキモチクなるから」
 大丈夫と繰り返してから一度顔を寄せて、何度かキスを繰り返した。宥めるように、愛しむように、そして快楽を引き出すように。何度も触れ合ってから口を離せば、溢れる吐息の色が変わる。随分と甘く響くようになる。手の中のモノもしっかり硬さを取り戻していた。
 可愛い声を指摘しながらもっと聞かせてと告げれば、わずかに躊躇ったあとで、喘ぐ吐息に気持ちが良いと知らせる単語が混ざりだす。中がうねり、握って扱く先端からダラダラと先走りがあふれるようになってから、握る手をそのままに前後運動を再開した。
 弱い場所を狙って緩く突き上げる。若干戸惑いが滲んでいても、溢れる吐息は甘いままだった。やがて戸惑いは消えて、そうなる頃にはイッちゃうという訴えが混ざりだす。
「いいよ。イッて」
 手の中の刺激を強めつつ、自身の動きも加速した。
 前を弄りながらならイケるとは言っていたが、自分で強弱を調整出来る自慰と、こうして他者に強制的に快楽を送り込まれるのは違う。数カ月前までは指2本がキツイと言っていた彼の自己開発は、どう考えたって拡げる事が中心だっただろうから、中への強い刺激と吐精とがまだ噛み合っていないのかもしれない。
 イッちゃうと繰り返しながらも、なかなか極められずに身悶える甥っ子に煽られ焦らされながらも、どうにか先に果ててしまうのを耐えたおかげで、彼が達する時の収縮に合わせてあっさりこちらも精を放った。

続きました→

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今更嫌いになれないこと知ってるくせに32

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 慎重に全てを埋め込んで一つ息を吐き出す。
 最初だけ、やはり指とは違うだろう感触に戸惑う様子を見せていた甥っ子は、途中から自身の体を拓くこちらを真剣な表情でジッと見つめていた。呻くでも耐えるでも喘ぐでもなく、初めての行為に随分と余裕がある。
 それはきっと、彼が想像していたよりずっと痛みや苦しさや辛さが軽かったからなのだろう。それはこちらの望んでいた事でもあるから、良かったと安堵する気持ちはもちろんあった。しかし、かと言って挿入されるだけで感じてしまうような、強烈な快楽を叩きこむ解し方もしていないから、せっかく念願かなって繋がったというのに、思いの外何も感じなかったなどという感想を持たせたのなら切ないなと苦笑する。
「全部入ったぞ」
「うん」
「随分余裕の顔してるが、まさか、あんま良くないな~とか思ってないだろうな?」
 こっからだからなと告げれば、余裕なんかないよと眉尻を下げてみせる。
「にーちゃん」
 意を決した様子で呼ばれて、何を言われるのだと若干身構えてしまうのはどうしようもない。どうしたと問いかける声は少し緊張が滲んでしまった。けれど甥っ子はそれには気づかない様子で、一転ふにゃんと泣きそうに笑う。しかもその口から吐き出されて来た言葉は、まったく想定外のものだった。
「好きだよ」
「おまっ……」
「すごく、すごく、好き。にーちゃんが、大好き」
 言葉だけなら盛大な告白というだけだが、その声は切なげに震えていて、マイッタなと思う。どうしてそうなったのか、理解が追いついていない。
「俺だって、好きだよ」
「うん。わかるよ」
 理解できないなりに告げた言葉は、思いの外あっさりと受け入れられていく。
「凄く、伝わってくる。だからなんかちょっと、ビックリして」
 抱かれるのって凄いね、なんてことを、思わずといった様子で零すから、愛しさと安堵と驚愕でやはり苦笑するしかなかった。
「まさかそれで泣きそうになってんのか?」
「泣きたいわけじゃ、ないんだけど。でも、にーちゃんが今、俺の中に居るんだって、凄い、嬉しくて」
 嬉しいと言いつつも、甥っ子の顔はますます泣きそうだ。手を伸ばしてその頬を撫でて、うっすらと目元に滲んだ涙を指先で拭いながら、極力甘く響くようにと意識しつつ名前を呼んだ。
「感極まるには早すぎだろ」
 さっきも言った、こっからだぞというセリフをもう一度告げた。
「だってぇ……」
 にーちゃんが好きなんだもんなどと、鼻を啜りながら言われてしまえば、こちらもいい加減限界だ。
「だからあんま煽るなって」
 繰り返してしまう苦笑と共に、動くぞと宣言して律動を開始する。
 当初の気持ち的にはもっとゆっくり中を味わうように、じっくりと快楽を引き出すつもりで責めてやるはずだったのに、そんな予定は吹っ飛んだ。
「あっ、あっ、ああっ、ちょ、なあぁ、まっ、んぁっ…んまっ、ああっ」
 ずっと強くは触れずにいた弱い場所をグリグリと擦ってしまったせいで、鋭い嬌声が次々とこぼれ出す。突然に与えられた強い刺激で、驚き戸惑い慌てる様子に、申し訳ない気持ちは確かにある。気持ちはあるが、待ってやれる余裕などなかった。
「も、無理。待てないって。スマン」
 待って待ってと音にならない言葉は届いていたけれど、こちらも情けなく謝るしかない。そして謝りながらも、更に弱い場所を狙って突き上げた。
 それを気持ち良いと感じられるだけの素養は多分まだないだろう。だとしたら、現状彼が感じているのは、違和感と恐怖と、もしかしたら痛みすらも与えているのかもしれない。
 あっ、あッ、と突き上げるたびに吐き出される声は苦しげで、潤みきった瞳からは大粒の涙がボロリボロリとこぼれ落ちている。
 奥を擦られて突かれても、それを気持ち良いと感じられるように、ゆっくりと慣らしてやるつもりだった。じわじわと感じていく、きっと可愛らしいに違いない様を見てやろうと思っていたのに、いったい自分は何をしているのか。
 グッと奥歯を噛みしめて、暴走する欲望を抑えこむ。早い律動を、ゆるやかなリズムに変えていく。
「あ、あッ、んんっ、にーちゃぁぁ」
 ボロリボロリと流れる涙は変わらないものの、甘い声が呼びかける。縋るように伸びてきた手に誘われて前屈みに身を寄せてやれば、首筋に絡んだ腕がぎゅうと抱きしめてきた。

続きました→

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今更嫌いになれないこと知ってるくせに31

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 用意していたローションとゴムを取り出せば、やはり最初は自分でしたほうがいいのかと尋ねられる。
「一緒に気持ちよくなるんだろ?」
 首を振って否定して、前回と同じように、こちらに背を向け横臥するよう促した。
「それとも、自分で慣らしたい?」
 躊躇う様子に問い直せば、慌てて違うと否定しつつも、なお逡巡する様子を見せる。
「言っていいよ。どうして欲しい?」
「あ、のさ、」
「うん」
「にーちゃんの顔、見てたいんだけど」
「えー……っと、どういう意味だそれ」
「だ、だって、前みたいのだとにーちゃん背中にいて顔見れないからっ」
「あー、うん。そうだな。…ってことは、向い合ってされたいって話か」
「うん、まぁ、そう」
「そりゃいいけど、顔見ながら慣らされる方が恥ずかしくないか? 後、慣れてるやり方のが楽だろ?」
 言いつつも返事は待たずに、甥っ子の足を開かせてその間に身を進めた。
「恥、ずかし、…けど、にーちゃんにされてるって分かったほうが、いい」
 素直に足を開いて待ちながらも、それにと続けた甥っ子は、あの後は自分で弄る時はなるべく仰向けでしていたと知らせてくる。それは当然、次は向い合ってしたいからという気持ちで、自分を慣らしていたという意味だ。
「おっ前、可愛いのもいいけど、あんま煽ってくれるなよ。理性すっ飛ばして突っ込みたくなるだろーが」
「ゴメン、なさい?」
「うん、確かに謝るとこじゃないけどな」
 疑問符の付いた謝罪に苦笑しつつ、手の平にたっぷりとローションを垂らしてから、更に足を広げさせて目的の場所へ濡れた手を触れさせる。
「けど煽られた分、ちょっと急ぐぞ。辛かったら言えよ」
 宣言して、前回よりも格段に早く、その場所を解していく。もちろんいくら煽られたからといって、ムリヤリに拓くつもりはないので甥っ子の様子には注意していたが、先程聞いた通りなら相当自分で拡張訓練を積んだらしい相手に、痛みを堪えるような様子はほとんどなかった。
 前回のように何度もキモチイイと口にさせ、気持ちごとゆっくり快楽を引き出すような手順を取らなかったので、甥っ子のあげる声は羞恥を耐えていたく控えめだ。もちろん問いかけ促せば、前回同様、素直に気持ちが良いと口にするだろう。しかし今回は、それを言わせて相手の気持を煽る必要がない。
 性急な行為であったが、心も、体も、それを受け入れ感じる余裕が、相手にあるのが見て取れる。一切触れていないにも関わらず、勃ちあがった性器からはトロトロと先走りがこぼれ落ちている。
 舐めて啜って、口を使って極めさせて、吐き出されたものを余さず飲んでやりたい。などという衝動がないわけでもなかったが、今日の所はお預けだろう。
 一緒に気持ちよくなって、という可愛らしいお願いを、出来る限り叶えてやりたかった。だから解し拡げる行為は急いでいても、相手の弱い場所をえぐって、快楽を引きずり出すような触れ方だってしていない。
 それでもその場所を弄られ感じてしまうのは、どうしたって仕方がないだろう。快楽を逃すように時折目を閉じて波をやり過ごしているものの、甥っ子の視線は常に自分に注がれていた。こちらも時折顔を上げてその視線を受け止めてやれば、羞恥と快楽と不安と安堵とをごちゃ混ぜた顔をする。
「辛いか?」
 肯定が返らないことはわかっていながら、愛しさを込めて問いかける。ふるふると首が横に振られるのを待ってから、何度目かわからないセリフを繰り返した。
「もうちょっと、慣らそうな。もう少し我慢、できそう?」
 出来ないなんて言えるはずもないだろうことも、もちろんわかっている。わかっていながら繰り返すのは、相手を気遣う気持ちを伝えるために他ならない。
 そうして急ぎながらもしっかりと、柔らかに3本の指を包み込んで蠢くほどに解してから、ようやく指を引き抜いた。
 体の中の異物が抜けてホッと息を吐くものの、さすがに続く行為への緊張が滲んでいる。そのまますぐに挿入したい気持ちを、もう少しだけとどうにか抑えて、屈みこんで顔を寄せ唇を塞いだ。
 あやすように何度も繰り返し口付ければ、こちらの気遣いに応じるように少しずつ緊張を解いていく。やがて、大丈夫だからもう入れて、という甘やかな囁きに促されて、ようやく相手の中に自身を埋めて体を繋いだ。

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今更嫌いになれないこと知ってるくせに30

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 そうさせるつもりで触れている。だからいくらでも、何度でも、イけば良い。
 言えば涙目のまま、ヤダよとやはり力ない声が訴える。嫌だと言われてしまうと、ヤダって言ったのにと泣かれた夏の日を思い出してしまって、このまま性急に快楽を引き出してしまえと思う気持ちが鈍る。
「なにが嫌だって?」
「今日は、にーちゃんも、一緒にイッてよ」
「もちろん、最終的にはそのつもりだけど?」
「最終的には、じゃなくてさ。俺ばっかり気持ちよくなってイかされるの、ヤダ。後、俺だけ脱ぐのとかもヤダから」
「あー……なら、俺のも触るか?」
 お前が俺を気持ちよくして? と誘えば、いいの? と問い返す顔は一転して好奇心と興奮に包まれていた。
「いいよ。じゃあまぁ、取り敢えず脱いじまうか」
 言いながら、既に腹の上まで捲り上がった相手の服に手をかける。
「にーちゃんも?」
 体を浮かせて脱がせやすいように協力してくれつつも、まだ不安げに聞いてくるから、もちろんと頷きながら脱がせた服をベッド脇に落とした。
「お前が脱がす?」
 自分の服に手をかけながら誘えば、やはり、いいの? と問い返しながらも腕が伸びてくる。そうして交互に服を脱がせあってから、裸で向かい合うように横になった。
 胸が触れ合いそうな程にくっついて、キスを繰り返しながら互いに相手のペニスを握って扱き合う。経験差があるのでどうしたって相手ばかりが喘ぎがちではあったが、下手でゴメンと謝られながら、それでも一緒にイッて欲しいのだと望まれれば、それを無下に出来るはずもない。
 こちらのタイミングに合わせて貰うために、相手の熱を極めてしまわない程度にゆるく煽り続ける羽目になってしまったので、途中から力の入らなくなってしまった甥っ子の手はそこに触れているだけの存在だ。なので最後は、互いに刺激しあうというよりはこちらが一方的に2本のペニスを握って擦るような形で終わったが、それでもほぼ同時に達したことで、相手は随分と満足気で嬉しそうだった。
 良かったと思う反面、こんな所で満足されきったら困るという気持ちにもなる。
 引き寄せてぎゅうと抱きしめて、腰から回した手で尾てい骨の辺りからそのすぐ下の臀列上部に指先をすべらせる。尻肉を割って指先を奥へ伸ばすことはしなくても、続く行為を充分に想像できるだろう。
「一緒にイけて満足そうだけど、ここで終わりとは思ってないよな?」
「うん」
 すぐに肯定する声が返って、内心ではかなり安堵していた。
「さすがに今日はお前の中に入るまで止める気ないけど、お前の覚悟は? 出来てる?」
「当たり前だろ」
 胸を押されて抱きしめていた腕を緩めれば、そのまま少しだけ体が離れ、真剣な顔が見つめてくる。
「にーちゃんこそ、まだ早いとか言って途中でやっぱやめたはナシにしてよ?」
「しないよ。姉さんの差金で相当焦らされた分、歯止めがきく理性なんて残ってないな」
「半分以上は俺の意志だけどね」
「知ってる。俺が焦らされてるの、楽しかったか?」
「楽しくはなかったけど、嬉しくはあったかな。今もちょっと余裕ない感じが、嬉しいなって思ってる」
 ゴメンねと謝られて、何がと問い返したら、躊躇いと羞恥を混ぜながらふにゃりと笑った。
「俺に手出すの、卒業まで待ってくれてありがとう。待たせてゴメンなさい。でももう俺も、多分大丈夫だと思うから」
 言い方が少し引っかかる。高校生のうちは節度ある関係を、というだけで待たされていたわけではないのだろうか?
「大丈夫って、何か問題があったのか?」
 しかも多分と付いているから、もし今現在も大丈夫ではない可能性があるとしたら、それが気にかかるのは当然だった。
「問題っていうか、自分で3本入れられるようになったから……」
 その言葉の意味を理解するまでに若干の時間が必要だった。
 要するに、指2本がキツくて気持ちよくなれなかった状態から自己拡張していた、という話らしい。
 思わずマジマジと見つめてしまえば、目に見えて顔を赤くした後、少しばかり離れていた体をすり寄せて、隠れるように俯き額を肩に押し当ててくる。
「あ、あのさ…、だからさ……」
 隠れながらも躊躇いがちに口ごもるその先を、言っていいよという気持ちを込めながらそっと促がした。
「うん。なに?」
「一緒に、キモチク、なれると思う」
 破壊力抜群の誘い文句だと思いながら、先ほどのように腰から手を回して、今度はさっきよりもより深い位置へ指先を伸ばす。
「ふ…ぁっ……」
 乾いた指先を押し当てて、くすぐるように軽く揺すれば、ヒクヒクと蠢き誘うように吸い付いてくる。
「指3本、自分で弄って気持ち良くイケる?」
「前も弄れば」
「そっか」
「でもにーちゃんにされたら、またお尻だけでイけちゃうかも……?」
 不安げに揺れる口調からは、それを期待されているのかどうかはわからなかった。
「そうされたい?」
「……わ、かんない。まだ少し、それは怖い、気もする」
 わかったと伝えて、一度体を起こす。
「無理させるつもりはないし、ちゃんと一緒に、気持ち良くなろうな」
 言いながら、横になったままの甥っ子の頭をくしゃくしゃと、いささか乱雑に撫でてやる。髪を乱されながらも、甥っ子は安堵の表情で嬉しそうに頷いて見せた。

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