親父のものだと思ってた(目次)

キャラ名ありません。全40話。
親の離婚後出入りするようになった親戚の男は父親の恋人なんだと思っていた視点の主が、そうではないと知って手に入れに行く話。
メイン部分は社会人なりたて視点の主×トラウマ持ち元ニート童貞。
明確な年齢は出してませんが年の差多め。
20代前半×30代半ばなイメージ。

父親と恋人関係ではなく、更に、視点の主の卒業後は家政夫を辞める話になっていると知って恋人に立候補した視点の主が、卒業を機に恋人となりルームシェアという名の同棲に持ち込むことに成功するものの、人間関係に失敗してニートだった過去を持つ相手と関係を深めるのに難儀します。
年齢差がそこそこあることと、子供の頃からお世話になっている関係上、相手の立場が強いです。人間関係トラウマ持ちな部分にもかなり気を遣って、視点の主がなかなか強気に出れません。
絶対に抱く側がいいと主張する視点の主に折れて、相手が抱かれる側になってくれますが、主導権は基本相手持ち。
セックス中、視点の主(攻め)が泣いてしまうシーンがあります。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 父親と恋人じゃないなら
2話 両親離婚の詳細
3話 同棲許可取得済み
4話 同棲開始の特別メニュー
5話 不慣れすぎる初キス
6話 抱かれる側はどっち?
7話 頼れる年上彼氏に危機感
8話 直接触れたい
9話 初めて見る不安げな姿
10話 抱く側になりたい 
11話 出来そうなことから少しずつ
12話 一方的に気持ちいい(R-18)
13話 手ぇ貸して(R-18)
14話 脱いで再チャレンジ(R-18)
15話 研究熱心で好奇心旺盛
16話 相手のトラウマ
17話 トラウマが気になる
18話 長期戦は覚悟済み
19話 やっと触れた相手の性器(R-18)
20話 間近に見つつ(R-18)
21話 口を寄せる(R-18)
22話 どうせなら一緒にイこう(R-18)
23話 聞きたいことがいっぱい
24話 トラウマの原因
25話 リハビリ成功
26話 想像してた展開と違う
27話 違和感と相手の覚悟
28話 前立腺が見つからない(R-18)
29話 前立腺発見(R-18)
30話 このままイカせたいのに(R-18)
31話 主導権交代
32話 騎乗位で繋がる(R-18)
33話 嬉しそうで何より
34話 上から降りて欲しい
35話 張り切っちゃうらしい
36話 急展開
37話 2回目は正常位で(R-18)
38話 気持ちよさそうなのに(R-18)
39話 めちゃくちゃ可愛い(R-18)
40話 安心したら眠い

 
 
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親父のものだと思ってた40(終)

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「よ、よか、った……」
 大きな安堵とともに色々なものを投げ捨てて、たまらず相手を抱きしめる。
 けれど腕の中、大きなため息を吐き出されてギクリとした。どう考えても、呆れの滲むため息だったからだ。
 汚れた手もそのままに相手を抱きしめてしまったし、吐き出して萎えたとは言え、相手の負担を考えずに突っ込んだまま動いてしまったし、思い当たることはたくさんある。
 でも、どうやらその想像はかなり方向違いのものだったらしい。
「泣くなよ」
 柔らかな声が響き、そんな言葉とともに優しく背を抱かれたら、緩んだ涙腺なんて簡単に決壊するに決まってる。
「だっ、てぇ」
「酷い目にあって、泣きたいのはこっちなのに」
 呆れた口調だけれど、でも泣くなと言われて増々酷くなってしまった涙を咎められることはなく、宥めるように背をさすってくれる手は変わらず優しい。
 しばらくそうして抱きしめられながら、とにかくまずは涙を止めることに意識を集中する。早く抜けとすら言われないから、そのまま甘えてしまった。
 しかし、ようやく涙を収めて身を起こした時には、相手はすっかり寝落ちていた。


 隣でもぞもぞと動く気配がして、うつらうつらと揺蕩っていた意識を浮上させる。
 あのあと、一通り後始末をしてから、目覚める気配のない相手の隣に自身も横になって目を閉じていた。相手が起きた時に傍に居たいと思ったからだ。
「起きた?」
 まだぼんやりとする中で、それでも相手に声をかける。けれど暫く待っても返事はない。
 起きたわけではなかったのか。そう思いながらも、相手の寝顔を確認しようと身を捩った先にあったのは、布の壁だった。
「え……?」
 思わずその壁を凝視してしまったが、見つめる先でその壁がもぞりと動く。
 やっぱり起きてはいるらしい。
「息苦しくないの? てか何やってんの?」
 肩のあるあたりの布に触れて軽く揺すりながら問いかける。けれど返事はなく、逃げるみたいに布を被った塊が身を縮めた。掛布の中、こちらに背を向けながら膝を抱えて丸まっているようだ。
「えぇー……」
 想定外の反応に戸惑いの声が漏れはするが、相手の心情が察せないわけではない。なんせ互いに果てる直前、相手はびっくりするほど可愛かった。
 思い出すだけで頬が緩んで仕方がない。ただ、あんな姿を晒したくはなかっただろうなというのもわかる。相手の覚悟の中には含まれてはいなかった、もしくは、そうなる可能性はあっても当分先と思っていただろう姿を、初回から引きずり出してしまったのだと思う。
 自己拡張でお尻が感じることはなかったって言ってたし。自分が気持ちよくなるよりこちらが気持ちよくなる姿に興奮する、みたいなことも言ってたのに、まんまと気持ち良くなって、それが恐いって散々言ってたし。ついでに言えば、泣いちゃってたし。
 それらを思い返せば、居た堪れないとか合わせる顔がないとか、そんな気持ちの現われがこの塊なんだろう、という想像はつく。
 こっちも相当情けない姿を晒したはずなんだけど。童貞を捨てた時よりよっぽど余裕もなく必死な姿を晒したんだけど。縋って泣いて甘やかして貰うまでしてるのに。でも、それで相殺されたりはしなかったようだ。
 ただ、あんな姿を見てしまった後じゃ、これだって可愛くて仕方がない反応なんだけど。そこまで思い至ってはいないらしい。
 可愛いなぁという気持ちの赴くまま、布の塊をあちこち撫で擦る。そのたびに、手の平の下でピクリピクリと相手が反応しているのも、正直に言ってしまえば楽しかった。ちょっと過剰に反応しすぎって気もするから、楽しんでいる場合じゃないかもだけど。
 撫でるのを止めて、背後からギュッと抱きしめてみた。ビクッと震えはしたが、逃げ出す素振りはなく、腕の中でおとなしく息を潜めている。
 ホッと安堵の息を吐いた。
 顔を見せて貰えないし返事すらして貰えないけど、そこに拒絶の気配はない。撫でても抱きしめてもされるがままなのは、彼の許容に他ならない。
 安心したら、途端に眠気が襲ってくる。
「うーん……俺としては、これはこれで有り、なんだけど。ねぇ、このまま二度寝していい? 本当に息苦しくない?」
 腕の中の塊が布越しでも温かくて、目を閉じればすぐにでも眠りに落ちそうだ。けれど、目を閉じて眠気に意識を委ねようとしたところで、腕の中の塊がもぞりと動いた。
 仕方なくもう一度意識を引っ張り上げて、どうにか目を開ければ、至近距離でこちらを見つめる相手と目があう。
「あ、やっと顔見れた」
 にへらと笑えば、相手は不満げに唇を尖らせる。それすらなんだか可愛くて、ふへへと間抜けな吐息が口から漏れた。
 今日はもう何をされても、見ても、可愛いとしか思わないのかも知れない。もしかしたら、今日どころかこれから先ずっと。
 そんなの、むしろ大歓迎だけど。
 なんてことまで思いながら、思ったままを口から零す。
「かぁわいい」
「そういうのいいから。てか、本気で寝ようとしてる?」
「うん、まぁ。安心したから、今度は本気で寝ちゃいそう」
「安心?」
「あんなに抱く側主張しておいて、無理強いする気ないとかも言ってたけど、でもやっぱ色々無理させたと思うし、上手にできなかったし、泣かしたし、泣いたし、情けないばっかりのセックスしちゃったから、起きたら何言われるんだろって思ってたんだよね。でも起きても可愛いばっかりだから、大丈夫かなって」
「いや、意味分かんないんだけど」
「んー……セックスしたら恋人がめちゃくちゃに可愛く進化したから、これからはひたすら可愛がっていけばいいだけなんだな、みたいな?」
 そうだ。泣いてしまったから仕方なく慰めるのを優先してくれただけで、寝落ちる前、酷い目にあって泣きたいのはこっちだと言っていたし、起きたら怒られたり非難されたりする可能性が高いと思っていた。覚悟だってしていた。
 でもそんな素振り全然なくて、ただただ可愛いだけだったから、安心したし、これはもう、今後はひたすらに可愛がっていけばいいのでは、みたいに思ってしまった。
 可愛い可愛いって何度か口に出しているけれど、本気で嫌がられてはいないみたいだし。彼ならきっと、年下の恋人に可愛がられるのだって、回数を重ねれば絶対慣れてくれる。
「いやいやいや。全然わかんないよ?」
「えー、もう眠い」
 また今度ゆっくり話そうという言葉は、どこまで音になっただろう。
「もう〜、仕方ないなぁ」
 閉じた目蓋が開かなくなって、意識が眠りに落ちていく。そんな中、優しく頭を撫でてくれる手が、ひたすらに気持ち良かった。

<終>

エンド付けてしまいたくて遅くなりました。
そこそこ年齢差があって子供の頃から知られてる上にトラウマ持ちという中々面倒な相手に対して、視点の主が抱く側にこだわって大変でしたが、どうにか当初の予定通り初Hを済ませることが出来ました。
ここまでお付き合いありがとうございました。

1ヶ月ほどお休みを貰って、次の更新は2月27日(月)からの予定です。
目次ページは近日中に作成したいと思います。

 
 
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親父のものだと思ってた39

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 確かめるように視線を落とした先、相手のペニスは中途半端な大きさでゆるく勃起している。ビシャビシャというほどではないが、やっぱり先走りは零しているようで、先端辺りの相手の腹部分は濡れていた。
 どうやらお尻で感じると、ガチガチに張り詰めた射精待ちにはならないまま、気持ちよさで先走りだけ零すらしい。指で弄っていた時は最初もっと萎えていたから、慣れたらしっかり勃起するようになるのかも知れないけれど。
「触るよ」
「んぁっ」
 驚かせないように声をかけたけれど、触れた瞬間にはやっぱり大きく体が震えた。ついでに言えば、キュウっと穴が締まるのをペニスで感じ取る。
「ぁ、あんっ、んっ、ゃ、あ、ああっ、だ、……め、あ、やぁっ」
「すっごい、お尻キュウキュウ締め付けてくる」
 ダメだの嫌だの混じりながらも、本気で嫌がるというか逃げる様子はないし、手の中のペニスはあっさり固く張り詰めていき、連動するように括約筋が動いてペニスをグニグニと喰まれるのがなんとも気持ちがいい。
「ぁああっっ」
 気持ちよさに腰を揺すってしまえば、相手の声が一層高く響いて全身が小さく震えた。
「いいとこ当たっちゃった?」
「ぅ、そこ、ゃだ、ってぇ」
「ごめんごめん」
 言いながら、ぐぐっと奥まで押し込んでやる。これで少なくともペニスの先端やら開いた傘の段差やらが、相手の前立腺を刺激してしまうことはないはずだ。
「あ、ああっ、やぁ」
 いい所に当てているつもりはないが、それでも相手は体を震わせながら高い声を上げ、ペニスの先端からトプっと大量の先走りを吐き出した。
「あれ? まだ、いいとこ当たってる?」
「うぅ、も、やだぁ、ぜんぶ、きもちくて恐いぃ」
 そんな事を言いながら睨まれたけれど、潤んだ目と興奮か羞恥かで赤く染まった頬の愛らしさで、申し訳無さよりもさきにこちらの興奮が増してしまう。てか全部気持ち良くて恐い、という発言内容からしてかなりクル。やっばい。
「んんっ、また、おっきくしたぁ」
「ちょ、そんな、理不尽な」
 そんな非難めいたことを言われたって困る。
 てかなんだこれ。どうしよう。めちゃくちゃ可愛い。
「ぅううっっ」
 さらにペニスの質量が増したせいで恨めしげに睨まれたけれど、やっぱり可愛いばっかりで、口元がだらしなく緩みそうだった。というか緩んだ。ついでに、可愛いがあふれて口にも出してしまった。
「すごい、可愛い」
「ばかっ、ぁ、ああ、ば、かぁ」
「はは、語彙力、崩壊してる。かわい〜」
 全部気持ちいいならあまり意味はないのかなと思いつつ、一応前立腺は狙わないつもりで大きなストロークはせずに、深く埋めたまま小さく腰を前後させる。もちろん片手は相手のペニスを扱き続けているから、根元あたりはずっとキュムキュムと締め付けられているし、時折壁のようなものに先端が擦れるのもあって、充分に気持ちが良かった。
「ぅ、あ、やぁ、ばか、も、こわい、こわいぃ」
 恐い怖いと言いながらも、相手のペニスはいまにも弾けそうなほど張り詰めていて、どうみたって気持ちが良さそうなんだけど。ああ、でも、気持ちいいのが恐いんだっけ。
「恐くない。怖くない。気持ちぃだけでしょ。今度こそ、イクとこ見せてよ」
「う、ぅう、ゃっ、やぁ」
「やじゃなくて。ね、イッて。イッてよ」
 イッてイッてと繰り返しながら、グッグッと腰を押し付ける。こんなに強くしたらダメだろと思いながらも、腰の動きが止められない。ヤダヤダ怖いと口走る相手の目にはとうとう薄く涙の膜が張りだして、それがポロリとこぼれ落ちるのを見てしまったのに。それでも、どうしようもなく、自身の快感を追ってしまう。
 相手がイケないのは、もしかしたらこちらの、そんな身勝手な動きのせいかも知れない。
 痛いだとか、もう無理だとか言われていないのだけが救いだった。もし今、もう無理ヤメテと訴えられても、そこで止まれる自信がない。
 もっと相手を気遣って、相手の快感を引き出して、安心して気持ちよくイカせてあげたいのに。でももう、そこまで自身に余裕がなかった。
 早くイッてくれないと、こちらが先に果ててしまいそうで焦る。
「ねぇ、イッちゃうから。も、保たない、から。お、お願い、一緒にイッて」
 情けなくもそう懇願しながら、グッと腰を押し込んだところで射精した。してしまった。相手がイクまではと思っていたのに保たなかった。
 ただ、がっくりと落ち込むその手前。
「あ、あっ、でて、る、んぁあ」
 相手の背がしなって、手の中のペニスが震える。その先端からは、とうとう白濁が吐き出されていた。

続きました→

 
 
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親父のものだと思ってた38

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 二度目の挿入で相手も多少は慣れたのか、こちらのペースで根本まで押し込んでも痛がる様子はない。苦しさはあるようで多少息が乱れはしたが、それでもこちらが押し込むのに合わせて、さほど抵抗なく飲み込んでくれた。
「ぜんぶ、はい、った?」
「うん」
 頷けばホッとした様子で体が少し弛緩する。馴染むまで待ったほうがいいんだろうと思っていたが、このタイミングは逃さないほうがいいかも知れない。
「ふぁ…ぁ、……んっっ」
 押し込んだときと同じくらいのペースで、今度はゆっくりと腰を引いていけば、相手の口から色の乗った甘やかな息が吐き出されてくる。すぐに慌てた様子で口を閉じてしまったし、弛緩していた体にはあっさり緊張が走ったが、それでも内心ガッツポーズを決めた。
 弛緩とまではいかないものの、緊張が解けるのを待ってまたゆっくりと腰を引く。
「んっ……」
 口は閉じたままだが、鼻から漏れる息はやっぱり充分に甘やかだ。
 この段階ですでに、相手もそれなりに感じているらしいとと思って嬉しくなる。
 本当に良かった。思っていたよりも、一緒に気持ちよくなるというハードルは高くないかもしれない。
「んっ……ん、……んぅっ……」
 相手の様子を探りながら、緩やかで長いストロークを数度繰り返す。相手は自身の快感に集中するためにか、途中から目を閉じてしまったが、そうやって自身の快感に浸る姿を見るのは珍しい。本当にこちらに身を任せてくれているのだと思うと、嬉しくて、興奮して、既に充分すぎるほど勃起したペニスがさらに膨張した気がする。
 もちろんそれは気の所為なんかじゃなく、目を閉じていた相手がチラッとこちらを見たあとで満足げに笑ったから、相手もすぐに察するほどの変化があったってことだろう。
「うっっ」
 キュッと締め付けられて思わず小さく呻けば、相手がやっぱり満足げに笑っている。
 随分と余裕が出てきたらしい。それはこちらも同じで、相手が意図的に締め付けてきたって、それで暴発したりはしなかった。
 ペニスはずっと気持ちはいいし、相手の反応に興奮だってしているが、でも、すぐにでも射精してしまいそうな危うさはない。それくらいには、気持ちも体も落ち着いている。
 そろそろいいかと、次に狙うのは相手の前立腺だ。ペニスで感じとれるかはわからないが、位置はもうわかっている。
「ん、ぁ、あっ、おまっ、そこ、はっ」
 相手の反応は早かった。しかも、嫌がるように身を捻ろうとするから、仕方なく一度動きを止めた。
 ただ、止めはしたが逃がす気はないので、足と腰とをガッツリ抱え直して下半身を固定してやる。さっき、もう後ちょっとで相手をイカせられそうなところまでいったのを、忘れてなんかいないからだ。
「ここ、いいとこ、でしょ?」
「ふぁ、ぁ、ぁあ、や、やだ、って」
 わかってるんだぞと言うように、その場所をまた少しだけ擦ってやれば、気持ちの良さそうな蕩けた声を上げながらもイヤイヤと首を振ってみせる。
「そこ、変になる、から」
「って言われて、止めれるわけないんだけど」
「ぅっ、で、でも、ほんと、そこばっか、む、……むりっ、だから」
「………ずっるい」
 躊躇う素振りはみせつつも、はっきり無理だと言われてしまったからには、約束通り引くしか無いんだろう。わかってても、不満の一つや二つは漏れても仕方がないと思う。
「わか、ってるけど、でもほんと、ごめん。し、信じてる、から」
「ますますズルいんだけど」
 信じてるってなんだよ。そんな事言われなくたって、無理とまで言われたら、前立腺をこれ以上狙って擦ったりはしないのに。でもそれくらい、必死に嫌なんだってことだけはわかった。
 結構気持ちよさそうな声、出すのになぁ。
「てか、そこ狙わなかったら、続けていいんだよね?」
「そりゃ、ここで終わり、はさすがに」
「狙わないけど擦れちゃう分は、諦めてくれるってこと?」
「うっ……それは、……」
「気持ちよくなれてるっぽいのわかってるのに、一緒にイクの拒否とか、言わないでよ?」
 イカされた後に抱かれるのが無理だというから、手でイカせるのを諦めた経緯だってあるのだ。相手が感じているのをわかっていて、自分ひとり気持ちよく果てて終わりになんて出来るはずがない。なのに。
「お、お尻が気持ちよくて、イク、とか、頭でわかってても、こわっくて、こわい、んだよっ」
 恐いが二回重なるくらい恐いのはわかった。けど、それってやっぱり、前立腺を刺激されたら気持ちいいって言ってるのと同じだよなぁと思う。てか、前立腺狙って突いたら、お尻だけで気持ちよくイケそうって意味だったりするんだろうか。
 そこんとこ詳しく。とは思ったけれど、さすがに今聞くことでもなさそうだ。だって、もう前立腺は狙わないって決まってしまった。
「じゃあ、一緒にちんこ扱けば、イッてくれる?」
「えっ?」
「さっき、ちんこ一緒に扱いたらイケそうだったよね? てか、また放置しちゃってたの、ごめんね?」
 もっと早くペニスも一緒に触ってあげればよかったって、さっきも一度思ったはずだったのに。相手を気遣いながらの腰使いに意識が持っていかれて、またしてもずっと放置だった。

続きました→

 
 
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親父のものだと思ってた37

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「今も、上手く出来るかわかんないとは思ってるけど、でも、お前泣かせてまで拘るとこでもないかなって思って」
 言いながら、こちらに向かってカパッと足を開いた相手が、手の上に出していたローションを先程まで繋がっていた穴へと運んでいく。
「んっ……」
 体勢的にしっかり見えているわけではないが、ローションをまとった指が抵抗なく穴の中へと入っていったのはわかる。
 なにこれエッロい。
 何を見せられているんだとは思うものの、もちろん目は相手の股間に釘付けだった。
「見てるだけじゃなくて、早く、ゴム、替えなよ」
 ハッとして顔を上げれば、こちらを見ていただろう相手が逃げるみたいにすっと視線を伏せたので、視線が合うことはなかったけれど。顔を上げたことで、いつの間にやら顔をずいぶんと赤くしていた事に気づく。
「まだ、気持ちに切り替え、出来ない?」
 目は逸したまま、相手が少しばかり腰を浮かす。浮かすというか、突き出すというか、つまりは指がはまった穴をこちらに見せつけてくる。
 間違いなく煽られていた。早くその気になってハメろと誘われている。
 こんなの、興奮しないわけがない。ただ、真っ赤になった顔から相手も相当恥ずかしい思いをしているのが伝わってくるから、その頑張りにもギュンと興奮が煽られた気がする。
「替えた」
 手早くゴムを付け替えて、短くそれを宣言した。こんな短な言葉を発するだけでも、興奮と緊張とで若干声が詰まって掠れている。
 小さく頷いて、相手が中に埋めていた自身の指を抜いていく。
「来て」
 返されたのも同様に、たった2つの音しか発されていないのに、かすかに掠れて震えていた気がする。少なくとも、相手も緊張はしているようだと思う。
 短な距離をにじり寄れば、相手は黙って背を倒す。膝を立てた足は開いたままだった。
 さっき指で慣らす時は背中を向けられてしまったが、向きを変える様子がないのでこのまま正面から抱いていいらしい。まぁ、既に正面から乗られ済みなので、今更ってことだろうか。
 後ろからじゃなくていいのと確かめる気はない。言って相手の気が変わったら大変だ。
 膝に手をかけ軽く持ち上げるように力を掛ければ、眼下には濡れた穴がヒクヒクと小さな穴を開閉しながら待っている。そこにペニスの先端を押し当てて、一度相手を窺った。
 顔は赤いままだが、視線は逸らされていない。むしろこちらもガッツリ見られているようだ。
 さっき、こちらが気持ちよくなるのを見たいだとか、こちらの興奮を見て興奮する、みたいなことを言っていたのを思い出す。
 相手の痴態に興奮が増すのなんてお互い様だ。こちらの興奮がちゃんと伝わって、少しでも相手の興奮が増せばいいなと思う。
「いい?」
「なるべく、ゆっくり、な」
「わかってる」
 視線をまた穴へと戻して、少しずつ腰を進めていく。ぐっと押し込まれていた穴がその圧に負けて広がり、ゆっくりと亀頭を飲み込んでいった。
「んっっ」
「くっ」
 相手が小さく呻くのに合わせて、こちらも思わず歯を食いしばる。カリの下側がきゅっとはまれる気持ちよさに耐えていた。
 欲に負けて押し込んだら、その勢いであっさり二度目の射精を果たしてしまいそうだ。
 一度果てて余裕があるはずだったのに、あれこれ話して時間が経っているのと、なにより、相手が身を任せてくれている喜びや、さきほどとはまた違う視覚からの情報に興奮しっぱなしで、あったはずの余裕はあっさりどこかへ飛び去った。
 だからって、2回も挿入直後に射精だなんて醜態はさらしたくないし、今度こそじっくり相手を堪能したい。可能な限り、相手のことだって気持ちよくしたい。
 少なくとも今回は、自分のペースで進められる。落ち着いて進めれば大丈夫なはずだ。指で相手が気持ちよくなれていた場所だって、ちゃんと覚えている。
 大丈夫。大丈夫。
 気持ちを落ち着けるように何度か深い呼吸を繰り返しから、ゆっくりと腰を押し込んでいった。

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親父のものだと思ってた36

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 やばい。
 黙ってじっとしていた相手の背がピクリと震えて、間違いなく相手もこの状況を把握している。
 気持ちを鎮めようと焦れば焦るほど、なぜか興奮していく悪循環にはまってどうしていいかわからない。なのに。
「ぅあっっ」
 キュッと根本が締め付けられる感覚に、たまらず声を零してしまった。
「ぁ、ちょっ」
 キュ、キュ、と何度か繰り返されて、どうやら意図的にお尻の穴を収縮させているのだとわかったけれど、こちらの戸惑いは増すばかりだ。だって、これがやりたくて「もうちょっとだけこのままこうしてて」と言われたわけじゃないはずだからだ。
 しかも、腕の中から堪えきれなかったらしい笑い声が、小さく漏れてくる。
「うぅ、酷い……」
「ごめん、あんまりお前が可愛くて」
「意味わかんないんだけど。てか煽んないで欲しいんだけど」
「そうだな。じゃ、一回抜くか」
「えっ?」
「降りるから一回腕どけて。あと、ゴム、つけ直してよ」
「抱っこはもういいの?」
「うん。も、大丈夫」
 言われるまま背を抱いていた腕を下ろせば、上体を起こした相手がその流れのまま腰を持ち上げていく。といってもやはり動きは緩やかなので、根本から先端へと向かって、ゆっくりときつめの締め付けが移動していくのがたまらなく気持ちがいい。
「んっっ」
 開いた傘が引っかかって、そこが抜ける時は更に焦らされたけれど、そこが抜けてしまえばあとはつるっと亀頭すべてが抜けていった。
「……はぁ」
 残念な気持ちも少々混ざりつつも、相手が自ら降りてくれたことに小さく安堵の息を吐く。
「で、何してんの」
 降りた相手がベッドの上に転がっているローションボトルに手を伸ばすのを横目に見ながら上体を起こせば、お前はこっちねと、新しいゴムのパッケージが差し出された。思わず受け取ったけれど、さすがにすぐさまそれの封を開ける気にはなれず、手に持ったまま相手見つめてしまう。
「2回目する前に、俺の方もローション足して置こうかと思って」
 こちらの視線には気づいたようで、躊躇いなくローションボトルから中身を手のひらに出しながらそう返されたけれど、展開の速さに全くついていけない。いやまぁ、2回目するって話にはなってたし、繋がったまま大人しく待てずに反応させたのはこちらだけど。
「ちょ、待って。我慢できなくて体が反応しちゃったのは事実だけど、こっちの気持ちの切り替え、まだできないよ。てかさっきの何だったの」
「俺が、お前にちゃんと抱かれる覚悟、決めるための時間」
「え?」
「俺が張り切ってお前を気持ちよくしなくても、俺がお前に任せて体預けても、お前は間違いなくちゃんと自分で気持ちよくなれる。ってのはわかってるんだよ。ただ、お前は俺を気持ちよくしたい気持ちが強いうえに、俺より断然、筋力も持久力も精力もあるだろ。なんせ若いからさ。そのお前に主導権渡すのは、やっぱ、怖い。自分でコントロールできない中で、自分がどうなるかわからない不安がある」
「無理強いするつもりはないし、無理って言われたら、出来る限り、途中でもやめる。つもりは、あるよ?」
「わかってるよ。それに関しては実績もかなりあるし、信頼もしてる。俺が自分で主導権握ってたいなぁとか、お前に主導権渡すの怖いなとか不安だなってのは、そういうのじゃなくてさ。さっきも言ったけど、お前が可愛くて仕方ないってとこなの」
「え、つまり……?」
「つまり、お前が熱心に俺を気持ちよくしようと頑張って、それで本当に俺が気持ちよくなった時、お前が一緒に気持ちよくなるのを見逃すのが惜しい。ていうか正直いうと、お前が気持ちよくなってるとこを見て興奮してるとこがかなりあるから、自分の快感に意識向けるより、お前の快感に意識向けてたいんだよね」
「……は?」
「けど、お前に主導権渡しといてそれやると、お互い無駄に焦れて時間掛かる上に、俺の体が持たないから、もしお前に主導権渡すなら、俺はちゃんと自分の快感に向き合って、お前に気持ちよくして貰うことに集中しなきゃなんだけど、それが上手く出来るかわかんないってのも躊躇う理由だったんだよ」
「そ、そう、なの」
 なんと返していいのかわからなくて、とりあえず相槌を打ってしまったが、主導権を渡したくない理由が想像の斜め上を突き抜けている。

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