カラダの相性

 既に何度も果てた後の、甘く掠れた嬌声が、部屋の中を満たしている。お願いだから今日はもっと奥まで触れて欲しいと請われて、初めて、彼の中に全てを受け入れて貰った。
 大丈夫だからの言葉どおり、確かに全て入ったし、腕の中の男は甘い嬌声を零しているのだけれど、無茶しやがってという気持ちと嘘だろうという驚きが心の中の大半を占めていた。
 充分に慣らして、感じさせて、蕩けきった後だとしても、苦痛を感じて当然だってくらい自分の性器がデカい自覚がある。男のステイタスとして羨まれることもあるけれど、同性相手の見栄以外でいい思いをした経験なんてそう多くはない。というよりも、苦労した経験のほうが圧倒的に多いと思う。
 プロなら、と思って風俗を利用してみたこともあるけれど、ほぼ躊躇はされるし、挿入は無理だと断られたこともある。わざわざ金を払って傷つけられに行く趣味はないので、プロからも断られるレベルとわかってからは行かなくなったし、いろいろな意味で諦めも付いた。
 なんて話を、酔ったついでに愚痴った相手は、少し前に趣味の世界で知り合って、なんだかんだ意気投合して飲みに行くようになった男だった。
 ここ数年恋人はいないという話をしたら、凄くモテそうだし彼女だってすぐに作れそうなのにと言われて、彼女は出来てもどうせセックス出来ないしすぐに振られてしまうと言ったのだ。お互い酔ってたから、ずばっと、インポなの? 薬試した? なんて言われて、でかすぎて入らないだけと理由まで話してしまった。
 その時は、なんて贅沢な悩みだとやっかまれなかっただけ、やっぱり良い奴だなって思っただけだったのに。
 それからしばらくして、そんなシモな話をしたことすら忘れかけた頃に、相手から、実はゲイなんだとカミングアウトされた。しかも、女性が好きなのはわかっているが、彼とのセックスを試してもらえないかと頼まれた。懇願された、と言ってもいい。
 曰く、デカチンじゃなきゃ満足できない体だから、だそうだ。プロに嫌がられるレベルのちんこをぜひ見てみたい、とも言われた。
 以前酔った際に聞いた話がどうしても忘れられなくて、無事にセックス出来る可能性のが高いし、そうすればお前にとってもそこまで損はないんじゃないかと説かれた。男がどうしても生理的に受け入れられないなら諦めるけれど、ちょっとでも迷ったなら試すだけでもいいからと必死に口説かれて、結果、彼と一緒にホテルに入った。
 色々と諦めすぎていて、本当にデカチンが好きで規格外ちんこで気持ちよくなれるってなら、この際男だっていいかと思ってしまった。さすがにここまであけっぴろげにカミングアウトされた後じゃ、無理って断っても、上手く出来ずに終わっても、多分もう、彼との関係はここで終わりだ。だったら試すだけ試して、無理そうならそのときに無理だと言えばいいかとも思った。
 万が一、本当にお互いに気持ち良くなれたら儲けもの、くらいの気持ちだった。
 結論から言えば、彼のデカチン好きは本当だったし、自分も男の体相手に勃たせることが出来たし、つまり、セックスは成立した。
 セックス中、すげぇ、最高、気持ちいい、なんて言ってもらったのは初めてで、その後あっさり彼とのセックスに嵌ったのは言うまでもない。
 ただ、奥の壁を強引に開かせて、相手の尻タブに自分の腰が密着するほど押し込む真似は、どうしても出来なかった。入るよ、とも入っていいよ、とも言われたけれど、閉じた場所をこじ開ける、というのが無理だ。
 もし本気で奥にまで欲しいというなら、自分で迎え入れて欲しい。せめて、最初の一回は。
 彼とのセックスだって、初回は、彼が自分から自分の意志で、体を開いて飲み込んでくれた。あの時みたいに、本当に大丈夫だってことを、彼の方から示して欲しい。
 そもそも、根本まで全部を受け入れて貰わなくたって充分に気持ちが良かったし、こちらの快楽重視で腰を振っても気持ちがいいと言って貰えるだけで満足だった。
 それを言ってからもっと入ってもいいよとは言われなくなったけれど、だからと言って、彼の方から強引に迎え入れに来ることもなかった。きっと、入らないことはないけれど、無理に入れたいものでもないんだろう。それなら、入っていいよの言葉に乗せられて、強引に進んでしまわなくて本当に良かった。だって無理をさせたいなんて、これっぽっちも思っていないのだ。
 そう、思っていたのだけれど。
 ただただ体の相性がいいだけのセフレみたいな関係を、先程とうとう恋人へと進化させたら、お願いだから奥まで入れて欲しいと頼まれた。入っていいよ、ではなく、入れてくれ、というのが珍しくて、なんでそんなことを言うんだと聞けば、さすがに自分からそんな奥へ迎え入れた経験がないからだと返された。
 そこまで挿れられた経験そのものは皆無ではないけれど、自分からするのは無理、だそうだ。でも恋人になったんだから全部頂戴、なんて言われてしまったら、こちらが頑張るしかないだろう。
 とはいえ、やっぱり強引に押し込むのは躊躇われて、どうすれば少しでも閉じた先が緩むのかと、探り探り奥の壁をつついたせいで、いつになく感じさせて何度も果てさせてしまったけれど、でもきっと、それで正解だったんだろうと思う。
 腕の中で掠れた甘い声をこぼし続ける恋人にホッとしながら、全てを包みこんでぎゅうと締め付けて貰う感動を堪能する。なんて、あたたかで幸せなんだろう。
 とうとう奥まで入った、という衝撃が落ち着けば、次に胸の中へ押し寄せてくるのは相手への愛しさだった。

 
 
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お隣さんが気になって

 たまにゴミ捨ての時間が被って、アパートからゴミ捨て場までの片道2分程度の距離を、おはようございますの挨拶と、その日の天気だとか本当に他愛のない雑談でやり過ごすことになる隣人は、いつもなんだか随分もさっとした格好をしている。端的に言えば、寝癖頭に不精髭に上下スウェットにサンダルだ。
 なぜ片道2分なのかというと、自分はそのまま駅へ向かい、相手はアパートへ戻っていくからで、多分在宅仕事なんだろうけれど、どんな仕事をしているのかなどは聞いたことはなかった。挨拶すれば挨拶が返ってくるし、天気の話にも相づちくらいは打ってくれると言うだけで、とてもお仕事何されてるんですか、なんて聞ける雰囲気はない。
 そんな彼が今、いつもとは全然違った格好で、アパートの階段を降りてくる。ビシッと決めて、というほどではない普通のカジュアル寄りな服装ではあるけれど、髪も髭も整えられているし、靴だってスニーカーだけど見慣れたロゴが付いたブランド物だ。
 普段のアレを知らなければ、素直に格好良いなと言えたと思う。ただ、どうしたって、いつもとの違いに驚くのが先だった。
「こ、こんばんはっ」
 驚きからか声が上ずってしまって恥ずかしい。しかし相手は気にするでもなく、いつも通りのそっけない挨拶を返してくれた。
「ああ、こんばんは」
「今からお出かけですか?」
 普段ならこんなこと絶対に聞かない。けれど気になって仕方がなくて、思わず口から出てしまった。
「はぁ、まぁ、ちょっと飲みに」
「お一人で?」
「ええ、まぁ」
「あ、じゃあ」
「すみません、急ぐので」
 一緒に行きたいと言い出すより先に、明らかに会話を切られて、相手が足早に去っていく。
 それ以来、なんとなく、隣人に対する見方が少し変わってしまった。というか、興味を持ってしまった。
 とりあえずで、一緒に飲んでもいいかなって思ってもらえるくらい、もっと親しくなればいいんじゃないだろうか。という方向で頑張ってみた結果、あっさり駅前の居酒屋で飲む仲にはなった。職業が作家だとも聞いた。ただし、格好はもっさりが多少マシになった程度だし、ペンネームは恥ずかしいからと教えて貰えていないままだった。
 おしゃれすれば格好良いのにもったいないなーとは思うし、たまに口に出したりもしていたけれど、でももっさりのままでも、博識で聞き上手な彼と飲むのは普通に楽しい。正直にそう言えば、物好きだとは言われたけれど、相手だって満更でもなさそうだったから、隣人と飲みに行けるような仲になれたことをただただ喜んでいた。
 そんなある日、また、お洒落な彼が駅へ向かうのを見かけた。今回はアパート前ではなかったから、相手はどうやらこちらに気づいていない。
 これはチャンスなのでは?
 そう思った直後には、彼の後をそっとつけていた。
 電車に乗って移動した彼は、繁華街の中を迷いなく抜けていく。見失わないように必死で追ったが、けれどあっさり見失った。なんせ人が多すぎる。
 すごすごと自宅へ引き返す道すがら、携帯から彼が消えた辺りの情報を探った。なんとなくそうなのかなと思った予想は当たりで、同性愛者が集まる地域としてそこそこ有名らしい。
 彼がゲイだと確定したわけでもないのに、なんだか胸がドキドキする。
 胸のドキドキがもやもやに変化するのはあっという間で、抱えきれなくなったもやもやを持て余して、隣室のドアベルを慣らしたのは二日後だった。
「あの、一昨日の夜なんですけど、すみません、後、つけました」
 出てきた相手にまず謝れば、驚いた後で苦々しげに、わかった、とだけ返される。何がわかったっていうんだろう? なんて一瞬考えてしまった間に、じゃあそういうことで、と扉を閉められそうになって焦る。
「え、ちょ、待って。まだ」
 肝心な話が何も出来ていないのに、扉を閉められたらたまらない。
「いやいいよ。わざわざ言いに来るとか、真面目だね。でもこっちに気を遣うことないし、今後は別に、挨拶だってしなくていいから」
「は? なんで?」
「なんで、って、ゲイとか気持ち悪いだろ?」
「あーやっぱそうなんだ」
 もやもやの原因はこれだった。彼は本当にゲイなのか、男が恋愛対象になるのか、気になってたまらなかったせいだ。
「良かった」
「は? 何が、良かったって?」
 眉をひそめて聞き返されたから、ゲイで良かったと繰り返した。ついでに。
「恋人に、立候補したいんですけど」
「何言ってんの。君、ゲイじゃないだろ」
 またしても良かった、と思う。恋人がいるとか、好きな人がいる、とか言われなかった。
「でも、好きなんですよ、あなたを。多分、恋愛的な意味で」
 しばし無言が続いた後で、出直してこい、と言われて扉が閉まってしまったけれど、諦める気なんてさらさらない。というよりもむしろ、諦めなくて良さそうだ、という手応えを感じてしまった。だって、無理だダメだ嫌だの拒絶じゃない。出直してこい、だ。
 とりあえずは近日中に一度、飲みに誘ってみようと思った。

 
 
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何も覚えてない、ってことにしたかった2(終)

1話戻る→

 がん、とやや強い音を立てて空のジョッキを机に置いた相手が、嘘ですよね、と唸るみたいに聞いてくる。
「嘘じゃない」
「いや、絶対ウソですって。だって俺、前に、酔って記憶なくしたこと無いって、言ってたの覚えてますよ」
「あ、そっち?」
「今後は俺に冷たくするってのも、嘘だって思ってますけど。でも先にそっちです」
「本当に何も覚えてない」
 言えば探るようにジッと見つめられて、大きくため息を吐いた。
「ってことにして、なかったことにしたい。ってのは本当」
「やです」
 一瞬、ほらみろと安堵しかけた相手が、慌ててそれは嫌だと言い募る。
「というか、お前の方こそ、どうせたいして覚えちゃいないだろう?」
 何もなかったはずだ、という主張だけは、最初にあっさり否定されていた。彼にこちらを抱いた記憶がばっちり残っていたせいだ。責任とってお付き合いさせて下さい、というのが相手側の主張だったが、もちろんそんなものを受け入れられるはずがない。めちゃくちゃ逃げ回っていたのは、相手の主張がそれだったせいもある。
 ただ、抱いた記憶があったって、そこまで鮮明に覚えているとは思えない。それくらい、あの日の彼はグダグダに酔っていた。
「あまり覚えてないからこそ、ですって。俺と付き合うのがダメなら、せめてもっかい、抱かせてくださいよ」
「ぜってーやだ」
「なんでですか。俺を好きなんですよね?」
「好きじゃない」
「ほらまた嘘つく。ところどころしか記憶なくても、はっきり抱いたってわかる程度にはちゃんとあるって言ってんでしょ。俺にまたがって、好き好き言ってたの、覚えてるんで」
 それこそ嘘だろう、と思う。嘘だと思いはするけれど、実のところ、言った記憶が確かにあるから、嘘の妄言だとは言い切れないのがなんだか悔しい。
「だとしても、好きって言ったほうが興奮する、程度の言葉遊び的な、」
「はいはいウソウソ。それも嘘。あんな顔して好き好き言っといて、興奮するための言葉遊びとか無いでしょ」
「あんな顔ってどんな顔だ。あ、いや、いい。知りたくない」
「ね、それ、どんな顔してたか、ある程度自覚あるってことじゃないんすか?」
 墓穴をほったらしい。大きく息を吐きだして、もう一度抱かせれば諦めるのかと聞いた。
「いや。諦めませんけど」
「なら、さっきの、せめてもっかい、てのはなんだったんだ」
「え、もっかい抱いてる間に、落とせるかなって思って?」
「わかった。二度とお前に抱かれないし、お前とはこのまま距離をおく」
「酷っ、俺の気持ち、弄んで楽しいですか?」
「どっちかというと、お前が、俺を弄んでる気がするが」
「どこがですか。思わせぶりな態度で逃げまくって、必死に俺が追いかけるの、楽しんでるんでしょ」
「そもそもなんでそう必死に追いかけてくるんだ、って話なんだが」
 一夜の過ちで流せないにしても、酔ってホテルに連れ込まれた挙げ句にむりやり男を抱かされた、という方向で非難されるならまだわかるし、謝罪しろと言うならするつもりはあるのだけれど、相手の訴えが付き合えだのもう一度抱かせろだのだから、正直どうしていいのかわからない。
「そんなの、ずっと好きだったからに決まってるでしょ。何言ってんですか、いまさら」
 ふん、っと開き直った様子で告げられ呆気にとられてしまったが、あまりに呆然と見つめてしまったせいで、相手が少し焦りだす。
「え、まさか、俺の好き、本気にされてない?」
「というか、初耳」
「はぁあああああ!!??」
 とっさに声がでかいとたしなめたものの、さて、この予想外の展開を、ホント、どうすればいいんだろう。

お題提供:https://twitter.com/aza3iba/status/1077577605635698689

 
 
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何も覚えてない、ってことにしたかった1

 今日もさっさと逃げ帰ろうとした仕事終わり、今日こそ逃しませんよ、と言って腕を掴んできたのは若干目の据わった入社三年目の後輩だった。
 彼がなぜそんな顔で、こんな事を言うのかわかっている。悪いのは自分で、彼はそれに振り回されている可愛そうな被害者だということも。
 知らぬ存ぜぬを貫き通して逃げまくるのもいい加減限界かもしれない。仕方なく、わかったから手を離せと言えば、素直に掴まれた腕は開放されたけれど、こちらを疑う目は鋭いままだ。
 その彼を連れて、とりあえず駅前にある個室を売りにしたチェーン居酒屋に入店した。
 そこまでしてやっと、これ以上逃げる気がないことをわかってくれたらしい。案内された小さな部屋の中、対面に座る相手は態度を一転してにこにこと嬉しげだった。
 そんな相手にメニューを差し出し、好きに頼めと言えば、相手の機嫌はますます良くなる。相変わらず単純で、わかりやすくて、扱いやすくて、いい。
 ホッとしつつ、相手が店員を呼んで注文を済ませるのを、ぼんやりと見ていた。個室のドアが閉まって店員が去ると、相手がこちらに向き直り、少し拗ねた様子で唇を尖らせる。
「なにホッとしてんですか。俺、一応、まだ怒ってますからね」
「そうか」
「ここ奢られたくらいで、なかったことにはなりませんから」
「だろうな」
 何も覚えてないからなかったことにしてくれ、を受け入れる気があるなら、そもそも逃がしませんなんて言って腕を掴んでは来ないだろう。
「ねぇ、わかってると思いますけど、年明けてからこっち、ほんっとそっけないから、俺、めっちゃショックでしたよ?」
「お前に構いすぎてたせいでああなったんだろう、と思って反省したんだ」
 昨年末の仕事納めの日、納会で少々飲みすぎた上にそのままずるずると三次会くらいまで参加して、酔いつぶれ寸前だった目の前の彼をお持ち帰りしたのだ。正確には、自宅にではなく、そこらのラブホにインした上でやることはやって、翌朝、彼を部屋に残してさっさと逃げ帰ってしまった。
 好意は確かにあったけれど、同じ部署の後輩相手に、あんな形で関係を持つだなんて、大失態も良いところだ。
 抱かれたのはこちらだし、相手も相当酔っていたから、何も覚えてないし、帰れなくて仕方なくそこらにあったラブホを利用しただけだし、きっと何もなかったはずだ。という主張を、慌てて連絡してきた相手にほぼ一方的に告げた後は、今日まで必死に逃げ回っていた。
「ちょ、待って。てことは、今後はずっとこのスタンス? なんて言いませんよね??」
「いや、言う」
 だって二度と、あんな失態は犯せない。部署は一緒だが直属の部下ってわけではないのだから、無駄に構うのを止めればいい。
「うっそでしょ」
 呆然となったところで、最初のドリンクとお通しが運ばれてくる。相手が呆けたままなので、仕方なくこちらが対応するはめになった。
「ほら、ビール来たぞ」
 相手の目の前に置いてやったジョッキに軽く自分のジョッキを当てて、さっさと飲み始めてしまえば、また少し剣呑な顔になった相手が、後を追うようにジョッキを掴む。
 一気に飲み干していくさまを、溜息を飲み込みながら見つめていた。

続きました→

 
 
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間違ってAV借りた

 あの時自分は酔っていた。世間とは少しずれたが、ようやく纏まった休みが取れて、浮かれて結構な量を飲んでいた。
 酒を片手に、ふと思いついてDVDをレンタルしたのは記憶にある。気になりながらも見逃してきた数々の作品を、この機に見てしまおうと思ったのだ。
 便利になったなーと思いながら、DVDの宅配レンタルサイトであれこれポチポチクリックしたのは事実なのだが、思うに、あの時の自分は、自覚していた以上に酔っていたんだろう。
 本日届いたそれらの品は、時間が取れずに見逃してきた作品たちとは全然違った。何かの手違いかと履歴を確認してしまったが、そこには間違いなく届いたタイトルが並んでいたから、誰のせいでもない自業自得というやつだ。
 意気消沈しながらも、とりあえず机に積み上げたDVDの中から無造作に一枚選んでデッキに放り込む。金は払ってしまったのだし、見ないのも勿体無いかと思ったせいだ。
 なんせ、今日は一日引きこもってDVDを堪能する気でいたし、今更予定変更するのもそれはそれで面倒くさい。時間つぶし程度にはなるだろうし、これだけあれば、中には面白いなと思うものだって、もしかしたらあるかも知れない。
 
 そこそこ大きなテレビの大画面いっぱいの肌色と、そこそここだわったスピーカーから響く媚びた嬌声を肴に酒を飲みつつスナック菓子を摘む。
 怠惰に過ごすつもりだったから、ジュースや菓子を買い揃えていたのだけれど、ジュースは早々に買い置きの酒に切り替わっていた。さして面白いわけでも興奮するわけでもない映像に、飲まなきゃやってられねぇ、的な気分に陥った結果だった。
 それでもなんだかんだと見続けたのは、強いて言うなら、ただの意地のようなものなんだろう。
 アルコールの力も相まって、半ばうとうとしながらも半分近くを消化した頃、ピンポンとドアチャイムが鳴った。忙しすぎて通販多用生活なので、また何か荷物が届いたのだろう、程度の認識でふらふらと玄関先へ向かう。真面目に見ても居ないDVDは当然そのまま流しっぱなしだったが、それなりの賃貸料を払っている物件なので、リビングのドアを閉じてしまえば廊下にまでアンアン響いてくるようなことはない。
 再度鳴ったドアチャイムに、普段は急かすなんて事無いのにと思いながらドアを開ければ、そこに居たのは宅配業者ではなかった。
「定時退社頑張っちゃった。でもって明日半休もぎ取っちゃった。てわけで俺もDVD祭り参加したい」
 それを言ったのは、学生時代から、社会人になって数年経つ今も、なんだかんだと付き合いが続いている悪友だ。ホイ土産、と言って差し出されたコンビニ袋の中身は炭酸飲料や菓子類だった。
「おじゃましまーす」
 差し出された袋を思わず受け取れば、相手はこちらの脇を通りぬけ、勝手に上がり込んでくるから焦る。それはもう、一気に酔いが覚めるくらいに慌てた。
「待て。待て待て待て。来るなんて聞いてない。てか勝手に上がるなよ」
 SNSに、久々に纏まった休みが取れたから気になる映画を宅配レンタルした、と投稿したのは事実だ。到着予定日も記して、楽しみだとも書いていた。記憶があるというよりは、ログがある。
 今、その背を追いかけている友人から、いいなーという反応があったのも確かだが、でも相手が押しかけてくるなんて思わなかったし、間違えて大量のAVが届いたという投稿はアホを晒すようでしていなかった。
「えーなんだよ。俺たちの仲で今更じゃん?」
 どうせお前一人だろ、と言いながらリビングドアを開けた友人がその場で固まり足を止める。
 途端に部屋の中から漏れ出すハスキーな嬌声に頭を抱えたくなった。なぜなら、今現在流れている映像が、いわゆるニューハーフものというやつだからだ。テレビの中では、髪の長い女性的な容姿の、けれどばっちりちんこの付いた男が、可愛らしく喘いでいた。
「えっ、ちょ、どういうこと?」
 こわごわとこちらを振り向いた相手は、当然驚いていたけれど、同時になんだか酷くそわそわとしている。
「なぁ、お前ってこーゆーの有りなの?」
「こーゆーの、とは?」
「女のかっこした男を抱きたいて思うのか、それともお前が女のかっこで男に抱かれたい側?」
「別にどっちもないな」
「は? んじゃなんでこんなの見てんの」
 面倒くさいな、と思いながらも状況を説明し、男女のは見終えたから未視聴で残っているDVDはニューハーフものかゲイものだけだぞとも言ってやる。
「え、ゲイビも見んの?」
「だから、金払ってんのに見ずに返すの、悔しいだろって」
「あーはいはい。じゃ、俺も酒貰っていい?」
 ジュースしか持ってきてないと言い出した相手に、何を言い出すんだと焦った。説明したらおとなしく帰ると思っていたのに。
「は? 帰れよ」
「えー面白そうじゃん。俺も見たい」
 別にそれ見て抜こうってんじゃないんだろ、と続いた言葉に押し切られて、なぜか一緒にAVを見ることになってしまったが、悪友が男も有りだったなんてこんなに長く付き合っていて初めて知ったし、ゲイビ見ながらもの食えるくらい平然としてんならちょっと試そうと誘われて、その時にはだいぶ酔っていたのもあってうっかり応じてしまった結果、長年の友人だった男にあっさり食われたのもなかなかの衝撃だった。

お題提供:https://twitter.com/aza3iba/status/1077577605635698689

 
 
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兄は疲れ切っている(目次)

キャラ名ありません。全40話。
雄っぱい持ち大学生弟(視点の主)×疲労困憊社会人兄。どちらも女性経験ありで男性経験なし。
同情から雄っぱいを揉ませたことで兄を意識するようになった視点の主が、彼女ができそうという兄に焦って、酔い潰して先に体だけ手に入れたら大失敗だった話。
目一杯優しくしても一向に絆されてくれないどころか心を閉じていく兄と、最終的には恋人同士になります。
21話から先はダラダラと恋人同士の甘ったるいセックスをしているだけですが、S字結腸まで突っ込んじゃったり、後始末でお湯の排泄させたりが混ざってます。描写は控えめ。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 1分百円
2話 酔った兄に絆されて
3話 兄の奢りで居酒屋へ
4話 ラブホ連れ込み(R-18)
5話 兄覚醒と抱く宣言(R-18)
6話 とにかく諦めて(R-18)
7話 泣かれて一時中断(R-18)
8話 再開したけど(R-18)
9話 その後の迷い
10話 上手くいかない(R-18)
11話 兄だけ先に(R-18)
12話 兄の口奉仕(R-18)
13話 精飲と湧き上がる怒り(R-18)
14話 嫌だと言えば開放する
15話 兄の告白
16話 ポンコツなりに必死
17話 兄の惨めさの正体
18話 土下座で謝罪
19話 セックス前から好きだった
20話 やっと恋人同士
21話 初デートの余韻を残して
22話 ちっぱい堪能(R-18)
23話 襲っていいよ
24話 嬉しくて仕方がない(R-18)
25話 いつもと違って(R-18)
26話 耳元に甘い声(R-18)
27話 ゴムを口で着けてみたい
28話 初の対面座位(R-18)
29話 兄が自分で(R-18)
30話 初トコロテン(R-18)
31話 もっと、愛して(R-18)
32話 中出しマーキング(R-18)
33話 奥までじっくり(R-18)
34話 奥のその先(R-18)
35話 これから先はいつだって
36話 抱っこで風呂場
37話 後始末のお手伝い了承
38話 排泄中だって可愛い(R-18)
39話 湯船でうとうと
40話 おやすみ

 
 
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