イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった(目次)

キャラ名ありません。全57話。
大学生活中、懐いてきたイケメンに気持ちよくして貰ってたら、卒業後に出来た彼女相手に勃たずに振られてしまったため、イケメンに責任をとってもらう話。大学2年頃から社会人2年目の夏くらいまで。
高校からの同級生同士でイケメン×視点の主。

同じ大学に行ったら卒業できそう、などという理由で同じ大学に進学を決めたイケメンを、その思惑通りに面倒見ているうちに始まった体の関係は、最初は手で抜いてもらうだけだったのに、だんだんとキスやフェラや酔ったら尻穴弄ってもOKと許容範囲が広がってしまい、卒業直前には素股まで経験。しかしそこまでしても恋人関係になることはなく、友人として付き合い続けたい相手に了承して卒業します。
イケメンと就職先が別れたことで卒業後に初彼女を手に入れるものの、彼女相手には勃たず破局してしまったことで、ようやく覚悟を決めた視点の主が、イケメンを落とすことを決意して呼び出し、自分たちが両思いであることを確認した後、恋人としてセックスします。

大学時代、視点の主はぜったいイケメンを好きになんかならない、という強い意志を持っていたり、イケメンも視点の主を恋愛的に好きだという気持ちを隠しているので、拗れて面倒くさいことになってますし、恋人になった後の行為も甘やかな雰囲気は少なめで、イケメンがちょっと必死です。つまり彼らがラブラブ恋人Hが出来るようになるのはエンド後。

体の関係が始まるきっかけシーンはなく、手で抜いてもらうだけ、という関係が既に出来上がっているところからスタートします。
攻めのフェラ描写あり。大学卒業前最後の行為がやや長め、恋人になった後の行為が相当長めに描写されてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 イケメンと(R-18)
2話 20歳の誕生日
3話 2人の高校時代
4話 レポートの見張り
5話 舐めて欲しいなら先にキス
6話 熱く滑る口の中(R-18)
7話 口の中でイッてみたい(R-18)
8話 卒研発表の夜
9話 絶対抱かれたくないのは知ってる
10話 服は全て脱いで
11話 いつもと違う
12話 今日で最後
13話 胸の先(R-18)
14話 もう止めたい、までは思ってない
15話 終わりを引き伸ばすために(R-18)
16話 一緒に弄ればキモチイイ(R-18)
17話 焦らしプレイ禁止
18話 ローションオナニー披露(R-18)
19話 気持ちよくなれそう(R-18)
20話 素股(R-18)
21話 ほぼ一年ぶりの再会
22話 相手の近況
23話 一人残された部屋の中
24話 会いたい
25話 ホテルに連れ込む
26話 まだ童貞だけど抱かせろとは思ってない
27話 責任とって恋人になって
28話 もっと早く好きって言ってくれれば
29話 相手がイケメンなのが悪い
30話 大学時代の真相
31話 抱かれる気はないけど
32話 風呂場で洗いっこ
33話 初めて握る相手のペニス
34話 過去を思いつつ初フェラ(R-18)
35話 相手だけ先に(R-18)
36話 焦らされる(R-18)
37話 手を貸す(R-18)
38話 気持ちよくなれるやり方(R-18)
39話 一緒にイク(R-18)
40話 食事に出かける
41話 泥酔を避けた理由
42話 頑張るのはほどほどで
43話 全部丸投げの相手任せ
44話 うつ伏せで
45話 慣らされる違和感(R-18)
46話 だんだんキモチイイ(R-18)
47話 精液お漏らし
48話 ダサいゴム装着
49話 挿入(R-18)
50話 全部は入らない(R-18)
51話 そろそろ馴染んだみたい(R-18)
52話 繋がりながらのキスと乳首責め(R-18)
53話 気持ちがいいならもうイッて(R-18)
54話 イカせてとは言えなかったけど(R-18)
55話 まだ繋がっていたい
56話 今日で最後じゃないんだから
57話 ちゃんと好きだから安心しろ

 
 
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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった57(終)

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 学生時代、頑なに相手を好きになんかならない、という態度をとっていたのはこちらで、結果、彼女相手に勃たずに振られるような目にあった以上、あまり人のことを言える立場でもない気がするが、何やら相当こじらせている。
 ちゃんと気持ちよくなったとはいえ、相手を受け入れていた体は疲れていたので、起き上がらずに空いたスペースをポンポンと叩いて相手を誘う。
 話しながらゴムを処理していたのを見ていたし、こちらの腹の上は相手がまだ繋がっていたいだとか言い出す前に、相手が拭いてくれる気配を感じていたし、多分このまま寝てしまったってそう問題にはならないはずだ。
 大人しく隣に身を横たえた相手にこちらからも身を寄せて、ぎゅっと抱きしめてやる。
「お前が、そこまで俺を好きだとは思わなかった」
 こちらの想像よりずっと想われていたらしいのはかなり思い知ったつもりでいたが、それでも足りないほど、相手の想いは強いらしい。
「そういうのはもっと早く言っとけよ」
 なんで在学中に口説いてこなかったかという理由は聞いたが、それでもやっぱり、そんなに好きなら言えば良かったのにと思ってしまう。
「だって、久々にできた友達、失くしたくなかったし」
「それは聞いたけど」
 好きだと言って頼み込んで付き合っても続けられると思えず、だったら友人として付き合い続けたかった、というようなことを言っていたのは覚えている。
「好きになっちゃって申し訳ないな、とか思ってたとこも、あったし」
「それは初耳。てか申し訳ないとか思ってたのかよ」
「だって彼女欲しがってたの知ってるのに、邪魔したりも、したし……」
「それも初耳なんだけど」
「言えるわけないでしょ。てか他の男友達には彼女が出来るようにあれこれ協力すんのに、おかしいと思わなかった? 俺がひっついてるせいで、むしろ女の子に邪魔者扱いされたじゃん」
「あれってわざとだったのかよ」
「ごめん……」
「いや別にいいけど。そもそも、お前が俺に大学卒業させて貰うつもりで同じとこ通う、が現実になった時点で、大学で彼女出来るなんて思ってなかったし」
「そういう面倒見いいとこに付け込んでる自覚あったし、気持ちいいからまぁいいかみたいに思わせて、ちょっとずつさせて貰えること増やしたし、さっき気持ちぃ顔が作れるって言われたけど、それだって、俺のそういう顔が好きっぽいって思ったから利用してただけだし、なんかもう、後ろめたいことがいっぱいありすぎて」
 もともと顔なんて見えていなかったが、隠れるみたいに肩口に頭を擦り付けてきた相手が、すがるみたいにギュッと背を抱き返してくる。
「呆れたよね。恋人になれて凄く嬉しいのに、すぐ捨てられそうで怖くて、俺、なんかめちゃくちゃみっともないこと、してる」
 お願い嫌いにならないで、なんて、そんな不安は全く必要がないのに。
「嫌いにならないし、捨てたりもしないっての。てかお前、俺が今日、なんて言ってお前誘ったか覚えてる?」
「え、っと……俺が相手なら勃つか試したい、ってやつ?」
 まぁそれも間違いではないんだけれども。
「じゃなくて、責任取れよって言ったやつ。取ってくれんだろ、責任」
「それは、もちろん。取らせてくれるなら」
「取れ。お前にしか反応しなくて、お前となら気持ちぃこと出来るのわかってて、なんでお前を捨てるなんて選択があると思ってんだよ。って、あー、こういう言い方するからお前、不安になんのか?」
 これじゃあ、肉体的な欲求から仕方なく相手を選んだ、と言われても仕方がない。
「好きだよ。ちゃんと俺も、お前が好きだ。お前が思った以上に俺を好きで、めちゃくちゃ安心してるくらいには、お前のこと好きだから。だからお前も、お前が思ってる以上にちゃんと俺に好かれてるんだから、もうちょっと安心しろって」
 フフッと笑う息が首に掛かる。縋るみたいに抱きついていた腕の力が緩んで、しみじみとした声が、そうなんだ、と呟いた。
「安心したら、なんか眠くなってきたかも」
 気が抜けた声からも、その後に続いた小さな欠伸からも、相手の眠気が伝わってくる。
「寝ていいぞ。俺も、疲れてるし」
「でも、片付け、とか、体冷えたりとか」
 最低限汚れは拭いた、程度の有様なのはわかっているし、空調を効かせているので部屋のなかはまぁまぁの涼しさだし、部屋の明かりはあちこち点いたままだし、寝るならちゃんとベッドに入ったほうがいいのはわかる。だとしても。
「くっついてりゃ寒くないし、このまま朝までじゃなくて、ちょっと休憩ってくらいなら問題ないって」
「ん……」
 眠気に抗えなかっただけかもしれないが、黙ってしまった相手からは一定の穏やかな呼吸が漏れてくるから、間違いなく寝落ちている。安心したと言ってからの寝落ちに、こちらだって少なからず安心している。
 その体を再度しっかり抱え直して、こちらもそっと瞼を下ろす。疲れと安堵とが混ざり合って、眠気はすぐにやってきた。

<終>

長々とお付き合いありがとうございます。ようやくエンドが付きました。
後半特に、ペースアップできないままダラダラと書き続けてしまって、気づけばかなりの文字量です。このダラダラに呆れず最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
近日中に目次ページを作ってpixivへの投稿もしようと思っていますが、新しいお話の更新は5月6日(金)からになる予定です。

 
 
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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった56

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「ああ、そういえば、気になってたことあった」
 話題を探していた相手が、何かを思いついたらしい。
「気になること?」
「そう。さっき、なんで笑ったのかなって」
「さっきって?」
「俺が、心配しなくてもちゃんと気持ちぃよ、って言ったあと」
 ああ、あれか。
「気持ちぃ〜って顔、わざと作れるんだな、って思っただけだけど」
「えっと、変な顔だった? ってこと?」
 なんで笑われたのかその説明ではわからないという顔をされて、確かに説明不足ではあるなと思う。
「そうじゃなくて。お前今日、風呂場でも似たようなことしてたし、なんつーか、気持ちぃって顔作れないほど余裕なくしてんのかなって思ってたのが当たりだったっぽいのとか、余裕ないのに俺が迷ってんの見て、頑張って気持ちぃ顔作ったのかなって思ったら、なんかこう、こみ上げてきたっつうか、多分……」
 あそこで溢れた笑いは、多分、嬉しかった、が正解だ。でも嬉しかったを素直に口に出すのは躊躇われて、そこで言葉を切ってしまう。そして相手の方も、こちらが言いよどんだ続きの言葉ではなく、途中で告げた言葉が気になったらしい。
「あのとき、何か迷ってた? 俺がちゃんと気持ち良くなれてるか不安だったわけじゃなく?」
「いやそこは流していいとこだから」
「いや流せないでしょ。気になる。てか俺、何か重要なこと見逃してない?」
 浮かれすぎてる自覚があるから不安だと、気弱な声で訴えてくるから、ペシッと頭を叩いてやった。
「目ぇ閉じたら俺ももっと気持ちよくなれそうってわかってたけど、お前が必死で腰振って気持ちよくなって、俺に突っ込んでイクとこもこのまま見てたいなぁ、みたいな?」
 お前が気持ちよくなれてんのなんて見てりゃわかるよと言ってやったら、相手が小さく呻いたあと、慌てた様子で体を起こす。こっちは尻穴に相手のペニスが入ったままなんだから、ゆっくり動けって言ってるのに。ていうか。
「でかくすんな、っつったろ!」
「わかってる。わかってるから!」
 抜くからちょっと黙っててと、思いのほか強い口調で言われて黙った。といっても、落ち着いて萎えるのではなく、また硬く大きくなってしまったペニスを抜かれていく感覚に、こちらも否応なく肌を粟立たせてしまう。正直に言えば、気持ちが良かった。
「もしかしてだけど、」
「いや無理」
「まだ何も言ってないんだけど」
「抜かずの2発目じゃなきゃいいってわけじゃないから」
「でもちょっと反応してる」
 抜かれるの気持ちよかったんじゃないのと見事に言い当てられてしまったが、だからってこのまま2戦目になだれ込みたい意思はない。
「今日で最後、ってわけじゃないんだから、今日はもういいだろ」
「うん、まぁ、そうだよね。わかってる。今日は風呂場でもしてるし……」
「しかもお前のが多くイッてる。てかお前、実はかなり性欲強い?」
 こちらがイッた後の体を触られるのが苦手なのを知っていて、いつだって結構あっさり開放されてきたから、一晩に何度も求められる想定はなかったのだけれど。もしかして、考えを改める必要があるだろうか。
「いやそんなことは。てか卒業するときとか彼女出来たって聞いた時とか、何度もこれからは友達って言い聞かせてきたから、恋人になってセックスもして次もあるよって言って貰ってるのに、まだなんとなく不安というか、今日のうちに出来るだけやっときたい、みたいな気持ちがどっかにあるのかも?」
 ゴメンねと苦笑されて、仕方がないやつだとため息を一つ吐き出した。

続きました→

 
 
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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった55

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 恥ずかしさから、余韻に浸る振りで目を閉じたままでいれば、抱えられた足が降ろされ何やらごそごそと動く気配がする。
「ぅう……」
 小さく呻いてしまったのは、相手の動きに合わせてお腹の中にある相手のペニスが動いたせいだ。吐き出して萎えてはいるんだろうけれど、未だ充分すぎるほど存在を主張されている。
「あの、やっぱ抜いたほうが、いい?」
 やっぱってのは何なんだ。困ったみたいな声も気になって、仕方なく目を開けて相手の様子を探った。
「体、もう落ち着いた? よね?」
 ホッとした様子でこちらを窺う相手の顔は、困ったような声音とは違って、嬉しげで満たされているように見える。満足したなら良かったと思いながら、同意を示すように一つ頷いてみせた。
「このままぎゅってしたりキスしたり、は? ダメ、かな?」
「ん?」
「えっと、まだ、繋がってたいな、って……」
「あー……」
 なるほど。やっぱ抜いたほうがいいか、なんて聞いてきたのはそのせいか。
 しかし、なんでこんなに、こちらの機嫌を窺うような態度なんだろう?
 そもそもこんなことを言うヤツだったっけと思ってしまったが、はっきり言われたことはなくても、その片鱗は間違いなくあった気がする。
 うっとり気持ちが良かったと告げるこいつの甘い雰囲気に飲まれないように、他人の手のが気持ちがいいから抜いて貰っているだけ、という態度を崩さず、相手を拒絶してきたのはこちらの方だ。なんせ、あの頃は絶対に好きになりたくないという強い意志を感じていた、とも言われている。
 ずっと言えなかっただけで、恋人という関係になったから許されるんじゃないかと、口に出してみたってところだろうか。こちらの返事をソワソワと待っている姿がちょっと可愛い、なんて思ってしまうのもきっと恋人という関係になったからで、やっと言えたってなら叶えてやりたいとも思ってしまった。
「別に、いいけど」
 口だけでなく、両腕を広げて迎え入れる体制を取れば、ますます嬉しそうに破顔した相手の体が寄ってくる。
「うっ、ちょ、ゆっくり」
 できれば自身の大きさをもっと考慮しながら動いて欲しい。そう思いながらも、倒れてきた体を抱きとめた。
「ごめん」
「言っとくけど、抜かずの2発目まで許可する気ないからな」
「…………」
「大きくすんなよ?」
「無茶言わないで」
「じゃあやっぱ一回抜いて」
「わかった。大きくなる前には抜く。から、もうちょっと」
「ばぁか」
 最初からそう言えばいいものを。とは言わずに、腕の中の頭を何度か撫でた。
 ぎゅってしたりキスしたり、と言っていた気がするが、大人しく頭を撫でられていてキスを仕掛けに来る気配がないのは、キスなんてしたらそのまま2発目に突入したくなるってことだろうか。
 しかしただただジッと抱きつかれているのもなんだかこそばゆい。
「なんか喋れよ」
「んー、じゃあ、重くない?」
「今のところは」
「そっか。辛くなったら言ってね」
「おう」
「んー……」
 やはり何か喋れ、なんてのは無茶ぶりだったかも知れない。それでもこちらの要望に応えるべく、話題を探してくれてる様子に胸が暖かくなる。
 足は降ろされているが両足は結構しっかり開かれてその間に相手の体を挟んでいるし、お尻の中の異物だって当然無視できないけれど、悪くはない時間だと思った。

続きました→

 
 
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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった54

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「ぁっ、あっ、ああっ」
 勢いで奥まで突っ込む気はやはりないようで、グイグイと押し付けてくるようなことはないけれど、先程よりも速いスピードで、それなりの深さまでを何度も往復された。前立腺だけを狙って捏ねられているわけではないが、すっかりそこでの快感を覚えてしまったらしく、ペニスの往復で擦られるだけで気持ちがいい。
 目を閉じて、自身の快楽を拾うことに集中したい気持ちと、少しずつ息を荒げながら、快感を貪り昇っていく相手を見続けたい気持ちとの間で揺れる。
 相手もこちらの様子は気になるようで、快感を貪ると言ってもそれだけに没頭しているわけじゃない。チラリチラリと何度となく互いの視線が絡んでいれば、相手にもその気持ちの揺れが伝わったらしい。伝わったのは、何かを迷っている、という部分だけだったようだけど。
「心配?」
「ぁ、んっ、なに、ぁっ?」
「ちゃんと、すごく、気持ちぃ」
 ふわりと笑ってみせる顔は、大学時代に散々見てきた快楽に蕩ける顔だった。やっぱ意識的に作れるのか、その顔。
「ふはっ、ぁ、ははっ」
「ちょ、ここで笑う?」
 不満そうな声を出されたが、そんなの全く気にならない。ただ、相手の気持ちに連動してか、腰をふる勢いが少し萎えたのは有り難い。
 息を整えるために深めに息を吐き出した後。
「はぁ、……おれも、きもちぃ、から、も、イキたい」
 イカせてとはっきり甘えられたらもっと良かったのかも知れない。いい加減イカせてって泣くくらい焦らしたい、みたいな事を口走っていたのを忘れていない。
 それでも、相手に甘える気配が滲んだことに、相手は満足したようだ。満足というか、見事に煽られてくれたらしい。
「ぁああっっ」
 こちらの足を抱え上げながらも、器用にペニスを握り込まれて歓喜の声を上げた。同時にぎゅうとお尻を締め上げたせいで、相手も一瞬息を詰めたようだけれど、相手の様子に意識を向ける余裕はなかった。
 射精を促す手の動きと、まるでお腹の奥から精液を押し出してやるみたいな腰の動きに、あっという間に射精感が募っていく。目の前がチカチカして、さすがに相手を見ていたいなんて気持ちを維持できない。目を閉じて、与えられる快感に酔いしれる。
「ぁ、あ、いい、やば、ぁっ」
「いーよ、イッて」
 甘やかすような優しい声音じゃない。でも興奮に掠れた相手の声が、自分だけじゃないと教えてくれるから、そのまま素直に上り詰めていく。
「ん、ぁ、いくっ、いっちゃ、あっ」
「ん、おれも」
「で、る、ぁああっ、ああっ」
 自分のあげる声にかき消されてしまったけれど、どうやら相手も一緒にイッたらしい。
 相手の手の中に精を放つ手前、数度お腹の奥を押し上げられる感じがして苦しかったけれど、次の瞬間には吐精の快感に全て塗りつぶされてしまって、正直何が起きたのかよくわからなかった。ただ、こちらが落ち着くのを待つようにその後動きを止めたから、相手も一緒にイッたのだろう。
 想定通りとは言え、尻穴にペニスを突っ込まれて気持ちよく果ててしまった……
 恥ずかしいような居た堪れないような、でもホッとするような嬉しいような。それらの気持ちを抱えながらも、実際は少しばかり途方に暮れている。
 だって動きを止めたとは言え、相手のペニスが未だ腹の中にあるのだ。これじゃあ、イッてスッキリしたからハイ終わりと勝手に動き出せない。相手から離れることが出来ない。てかこの後どうすればいいのかわからない。

続きました→

 
 
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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった53

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「やぁあっっ!」
 指先に摘まれクニクニと揉まれるのも、吸われた口の中で舌先で転がされるのも、多分間違いなく気持ちがいい。一年以上前に一度きり弄られた胸の先が、こんなにも簡単に快感を拾うなんて思っていなかった。
 ただ、甘い痺れを生んでいるのは胸の先だけじゃない。快感の逃し方がわからず身悶えてしまうせいで、つまりは自ら腰を揺らして、勝手にお尻まで気持ちよくなっている。
「やぁっ、ぁっ、あっ、やだぁ、ぁん、ちょっ、むりっ、も、やめ」
「なんで? 気持ちぃでしょ?」
 お尻揺すって自分から前立腺当てて来てるよねと指摘され、笑う吐息が濡れた胸の先に吹き掛かった。そんな微かな刺激にさえ、感度の増してしまった乳首が疼いて切なくなる。嫌だ無理だ止めてと訴えたくせに、もっと続きをと望んでいるみたいで恥ずかしい。
「自覚あるかわかんないけど、キュウキュウ締め付けてくるから、俺も、気持ちぃ、し」
 自覚は、ある。強い刺激を受けるたびに、お尻の穴がキュッと締まってしまうから、そのたびにお尻の中に相手のペニスが入っていることを意識させられる。自ら腰を揺すって快感を拾ってしまう以外にも、そうやって締め付けるせいで、お尻の中のイイトコロに相手のペニスが当たってしまうこともあった。
「きもちぃ、なら、も、イケ、よ」
「うん。でもなんか、惜しい気がしちゃって」
 なんとなく、そんな気はしていた。卒業前の最後の夜に、延々と焦らされたことがあるせいだ。あの時は、最後だから時間を掛けてイチャイチャしたい、みたいなことを言われていた。
 どうすればこちらがイッてしまうかわかっている相手は、こちらをイカせないようにしながら、随分と長時間、気持ちがいい状態を引っ張ってくれた。あの時と、どことなく似ている気がする。
 お尻でも胸でも、想定以上に気持ちよくなっているけれど、その刺激だけでイケるとは思えない。だいたい、ペニスに触れられないままイケるわけがない。
 さっき一度、お尻を弄られながら精液を漏らしたらしいけれど、あれだって一応ペニスは相手の手の中に握られていた。扱いてもらえなかったから上手くイケなかったというか、中途半端に精液を垂れ流す結果になったけれど、あれで扱かれていたらもっとちゃんと気持ちよくイケたはずだ。
 こっちだって早く気持ちよくイキたいのに……
「今日で最後、ってわけじゃ、ねぇのに?」
 突っ込まれるのは二度とゴメンだなんて言う気はないが、執拗に弄られすぎたら次回を躊躇うことはあるかもしれない。
 体を繋げるのは初めてなのに、お尻でも胸でも感じまくっている現状を、どう考えたって相手ほどには喜べないし、正直信じられないというか信じたくないと言うか、受け入れられてもいない。こっちは未だ童貞で、お尻だってさっきまで相手の指くらいしか知らずにいたんだから、惜しいとか言ってないでもっと手加減して欲しい。さっさとイッて、ついでにこっちも、さっさとイカせて欲しい。
「そ、っか」
「イク気に、なったかよ」
「うん」
 やっと体を起こした相手が、降ろされていた足を再度抱えあげる。止まっていた腰をまたゆるゆると動かしだす。

続きました→

 
 
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