明後日の更新(雑記)

今月は31日まであるので、来月1日と奇数日が続きますね。
明日の更新用も用意出来てない状態ではありますが、一応1日も更新するつもりでいます。
明日土曜日だし! きっと多分書く時間取れる……はず。
なるべくいつも通り9時半ごろにはと考えていますが、もしかしたらそれより遅くなるかもしれません。
いやでも頑張ります。

でもってそんな微妙な予告だけなのもどうかと思うので、ツイッターでのちょっと気になるツイートを。
もちろん私のツイートではなく、たまたまTLに流れてきたものなんですが。

これ幾つ入ってるのか知らないんですが、かなりの量があって内容もなんかいろいろ酷い(褒め言葉)
というわけで、いつかこれ使ってお話書くのやってみたいんだよねーという野望。

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

兄に欲情しています

1話戻る→   目次へ→ 

 少し年の離れた姉が家を出ると言い出したのは、高校1年の夏休みに差し掛かる頃だった。2つ上の兄が大学を受験するにあたって、2人の弟をいつまでも同じ部屋で生活させるのは可哀想だという配慮らしい。
 余計なことをと思ってしまうのは、もう何年も前から、兄と同じ部屋で過ごすことに喜びを見出していたからだ。
 もちろん、不便なことだってたくさんある。姉だけ一人部屋なのがずるいと言って騒いだことも何度だってある。
 転機は中学に上がった頃だったと思う。夜中にふと目を覚ましたら、二段ベッドの下の段から荒い息遣いが聞こえてきた。最初熱でも出して魘されているのかと思ったが、寝ぼけ半分に「どーしたアニキ?」と声をかけたら、その息がピタリと止まった。
 オカシイと思いつつも眠さに負けてまたすぐ寝入ってしまったが、次にその状況に出くわした時にはわかってしまった。自分が眠る下の空間で、兄がオナニーしている。
 それからは注意深く、寝たふりをしつつ兄の様子を探るようになった。おかげで随分と寝不足にもなったが、自分よりも相当キッチリとした性格の兄は、オナるスケジュールも割合わかりやすかった。なぜそんなものを探ってしまうのか、当時はもちろんわからなかったが、今は納得できている。
 盗み聞いている罪悪感と背徳感の中、自分自身もイヤラシイ気分になってしまって、最初は随分と戸惑いもした。兄はイッた後でだいたい一度部屋を抜けだすので、その間に自分も抜くようになったのは、兄が時折、弟である自分の名を呼んでいることに気づいてからだろうか。オナる兄をオカズにするなんてと、必死になって耐えることも、翌朝シャワーでごまかしつつ別のオカズで抜くことも、なんだか馬鹿らしくなってしまった。
 自分は兄に欲情している。兄の抑えた息遣いに合わせるように、自分自身もひっそりとナニを扱く。それはたまらない快感だった。
 兄に気づかれたって構わないと思いつつも、知っていると告げずに続けるのは、その背徳感が快感の一部であることを知っているからでもある。
 兄が既に気づいている可能性だってないわけじゃない。兄のように証拠隠滅なんて図る気もなく、精液を吸ったティッシュは丸めてベッドの隅に置きっぱなしだし、翌朝普通にゴミ箱に捨てている。
 兄は何も言わない。気づいていて咎めることもせず、オナニー中にこちらの名前を呼び続けているというなら、これはもうどう考えたって同罪だ。
 姉が家を出ることと、それによって自分たち一人一人に部屋が与えられる事。それはそんな夜の終わりを意味している。
 迷ったのは数日だった。このまま何もせず、何も言わずに部屋を分けてしまえば、本当に何もなかったことになるだろう。
 兄がどうしたいのかは正直わからなったけれど、兄から何か行動を起こすことは、兄の性格的に考えられない。だとしたら、動くのは自分だ。
 決行日は姉が家を出てしまう前日の夜にした。明日姉の引っ越しが終わると同時に、空いた部屋に自分の荷物を移すことになっているから、実質2人で過ごす最後の夜だ。
 多分きっと、兄は今夜もオナるだろう。いつも通りあっさり寝入ったふりで暫く待てば、ゴソゴソと動く気配の後、小さく息を飲む声が聞こえてくる。やがて飲み込みきれずに熱い息が吐き出されてくるのだが、その前にベッドから身を乗り出して思いっきり下段を覗き込んだ。
 ギシリとベッドの柵がきしみ、暗闇に慣れた目にも、兄がぎくりと強張るのがわかる。
「なぁアニキ、そっち行っていい?」
「……えっ?」
 戸惑いの音が漏れる頃には、既にハシゴを降りていた。
「え、ちょっと、なに……」
「わかんねぇの?」
 言いながら兄のベッドに乗り上げる。慌ててずりずりと後ずさるが、そこにあるのは部屋の壁で、逃げ場なんてどこにもないのは兄だってわかりきっているだろう。
 手を伸ばして兄の股間を握った。正確には、パジャマのズボンに突っ込まれたままの兄の手を握った。
「んぁっ」
 兄の手の上から、ぐいぐいと力強く揉み込んでやれば、予想以上に可愛い声が上がる。
「一緒にきもちぃことしよ。って言ってんの」
 ぐっと顔を近づけて、間近に兄の顔を見つめた。
「俺が知ってるって、アニキも知ってたよね? このまま部屋分けて、それで終わりにしたかった?」
「それは……」
 言いながらもそっと顔をそむけようとするから、許さないとばかりにその顎を掴んで固定する。
「言葉にごしたアニキの負けね。もうわかっちゃったから、逃さないよ」
 にっこり笑ってから唇を塞いだ。閉じられた唇の間を舌先でつつけば、諦めの吐息とともに緩く開かれていく。遠慮無く口内を舐ってやれば、んっ、んっと甘く鼻を鳴らす。
 待たれていた。兄はずっと自分にこうされたかったのだ。触れ合う舌にそう確信する。そして自分も、ずっとこうしたかったのだと、改めて感じて胸が熱くなった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

ショタ/弟に欲情しています

目次へ→

 悶々として眠れない夜、何度も寝返りを打っていたら、上方でドカッと壁を殴るような音がした。二段ベッドの上側で眠る弟が、どうやらまた側面の壁に腕か足かをぶち当てたようだ。
 痛っ、という短い悲鳴一つ漏れてこないので、きっとぐっすり眠っている。それでも暫く息を潜めて、上の様子を探った。
 自分が眠れない原因を、まだ幼い弟に知られてはならない。
 耳を澄ますとイビキとまではいかない寝息が聞こえてくる。それを確認してから、ゆっくりとパジャマのズボンの中に手を入れた。
「……は、ぁ」
 パンツの上から股間を撫でただけで、熱い息がこぼれ出す。そこは既に硬さを持ち始めているが、撫で続けるともっとオチンチンが熱く硬くなっていくのだ。
 初めての射精を精通と呼ぶそうだが、学校で習った後だったので、先日初めて吐き出したもので手を汚してしまった時も、そこまで驚きはしなかった。自分のしている事が、オナニーと呼ばれる行為だということも、もちろん知っている。
 身体が大人になっていく過程で、それはおかしなことじゃない。当たり前に皆している。実際、どうやるとキモチイイかなんて話を平気で口に出すクラスメイトだっている。
 ただ、自分が普通じゃないと思うのは、オチンチンを弄りながら、弟の事を考えてしまうからだ。
 2つ下の弟は、まだ精通もオナニーも単語すら知らないだろう。なのにその弟に、オチンチンを弄られる事を想像している。硬くなったものを握らせて、上下に擦らせ、時には舐めさせ、最後吐き出したものが好奇心で興奮しているだろう弟の顔に掛かる一連のイメージが、自分にとってのオカズだった。
 なんでそんな事を考えてしまうのかわからない。なんとなく聞こえてしまったり、たまに引き込まれてガッツリ聞かされてしまうクラスメイトの猥談では、オカズとして使われるのはちょっとエッチな漫画だったりグラビアだったりが主で、対象は必ず女性だった。
 性の対象が同姓であってもおかしくはない。というような事は授業で聞いたが、少なくとも自分の周りに男をオカズにしたと口にするヤツはいない。ましてやそれが実の弟だなんて、自分はきっと普通じゃない。
 これは絶対に誰にも知られてはいけない、自分だけの秘密だった。
「ん、……んっ……」
 声が漏れてしまわないように、引き寄せた布団の端を噛み締めながら、必死で手を動かした。パジャマのズボンの中で、くちゅくちゅと小さな音が響いていて、もし弟が起きていて、耳を澄ませていたら聞こえてしまうのではないかと思ってドキドキする。
 絶対に知られてはいけないと思うのに、何も知らずに眠っている弟が、いつか気づいて上から覗き込むように顔を出さないかと思ってしまうこともある。
 何やってんだよアニキ、なんて言いながらベッドを降りてきて、想像の中の弟のように、好奇心で触れてくれるんじゃないか、握って扱いてトロトロと溢れる液を舐めてくれるんじゃないか。という想像の中で射精した。
 耳を澄ませば相変わらず弟の寝息が響いていて安堵する。大きく一つ息を吐いて、それから後始末にかかる。
 さっさと済ませようと、手の中にとぷとぷと吐き出されたものを零さないよう握っていた拳を、ゆっくりとパジャマから引き出した。取り敢えずティッシュで手を拭いて、それから下腹部も軽く拭っておく。部屋の明かりは落としたままの暗闇の中、汚れの飛び散り具合がよくわからないからだ。手の隙間から溢れたもので汚れているかもしれない。
 このまま眠ってしまえたらと思いながらも、だるい体を起こして汚れを拭いたティッシュのゴミを握って部屋を出た。
 ティッシュはトイレに流して証拠隠滅。後は手を洗って戻ればいい。
 悶々とした気持ちは精子と共に吐き出したようで随分と頭はスッキリとしているのに、ベッドに戻って横になり目を閉じると、今度はなんだか泣きたいような気持ちになる。それをグッと堪えていると、次には適度な疲労から眠くなるのもいつもの事だった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

リバップル/処女を奪った友人が童貞も貰ってくれるらしい2(終)

1話を読む→

 仰向けに寝転がり頭だけ持ち上げ見つめる視線の先、自身のペニスが狭い秘所へと飲み込まれていく。澄ました耳に、ぬちゃりと湿ったいやらしい音と、相手の漏らす小さな呻き声と、キツい締め付けにこぼした自身のいやらしい吐息が混ざって届いた。
 手を伸ばして上にまたがる相手の尻肉を掴み広げれば、止めろと相手の焦った声が響く。
「入るとこ見えた方が良いだろって言ったの誰だよ」
「だからって広げるヤツがあるか!」
「せっかくなら入ってくとこしっかり見たい」
「ざけんな。手、放せって」
「じゃ、入るの見れなくていいからこっち向いて」
 代わりに顔見せてと言ったら即答で嫌だと返ってきた。
「なんで?」
「なんでも!」
「お前が初めて俺抱いた時、正常位だったろ。でもって苦しいのときもちぃのとでわけわかんなくなってる俺に、散々可愛いとか言いまくったよな?」
「お前は可愛いからそれでいーの」
「なんでだよ。俺だってお前に可愛いとか言いたいだろ」
 そもそも背面騎乗位というらしい、今のこの体位で繋がる事にイマイチ納得が出来ていない。
 初めて彼とセックスをした時、一度は抱かれる覚悟を決めた相手に上手く挿入出来ず、結果タチネコ交代した経緯があるので、百歩譲って相手が自分の意思で挿入される騎乗位なのは仕方がない。けれど、脱童貞するならちゃんと入ってくとこ見たいだろ、などという理由で背中を向けられたのはいただけない。
 勢いに押されるまま、背中を向けた相手に跨がられてしまったが、入っていく所を見たいなんて欲求は特にないからだ。しかも見ろと言うならじっくり見てやろうと広げてみれば、こうして文句が飛んでくる。
「言わなくていい。てか可愛いとかないからっ」
「お前が可愛いかどうか決めるのは俺だ。てかお前、その体勢キツくないの?」
 相手は先だけ入った状態の中腰で、若干前屈みになりながら身を固めている。もちろん、尻肉を開くこちらの手もそのままだった。
「キツイにきまってんだろ。だからさっさとその手放せよっ」
「やだ。つかさ、」
 言いながら少し腰を突き出すように浮かせてみる。
「うわっ、バカっ」
 そのまま入っていくところが見れるのかと思ったら、相手の尻も突いた分だけ浮いただけだった。
「無理にしようとすんなって。おとなしくその手放せば、俺がちゃんとお前の童貞貰ってやるってば」
「なんで入んねーんだ。俺はお前のあっさり入れられたのに」
「あったり前だっつーの! バリタチなめんな」
「バリタチ?」
「抱く側専門のこと」
「は? 何お前、抱く側のプロなの?」
「そーだよっ。俺に男抱いた経験あるのはお前もわかってんだろ」
「そりゃまぁ慣れてるとは思ったけど。でも抱く専門なんて聞いてない。てかなんで抱く専門のお前が俺に抱かれようとしてんの?」
「お前が抱く側ならだの童貞のまま抱かれるの嫌だのって言うから仕方なくだっつーの。だいたいさ、ちゃんとキモチくなれてんのに、なんでお前、抱かれるだけで満足しねーの? なんで俺、こんなことしてんの?」
「いやお前、自分で答え言ってるから。俺の童貞貰うって言い出したのお前の方だから」
「だってお前と恋人になりたいんだからしょーがないだろー」
 童貞貰ったら恋人になるって約束したろ? したよな? と確かめるように問う声は僅かに鼻声だった。もしかして泣いてるのかと思ったら、どうにもその顔を見たくてたまらなくなった。けれど振り向いてとお願いした所で、絶対に叶えてはくれないだろうこともわかっている。
「あ、あのさ」
「なんだよっ」
「やっぱ一回抜いていい?」
「なんで!?」
「入るとこよりお前の顔みたいし」
「嫌だっ」
 拒否の声を無視して相手の尻をぐいと持ち上げつつ腰を引けば、深くまで入っていなかったそれはあっさり相手との結合を解いた。そのまま相手の下から抜けだし起き上がり、背中を向ける相手の肩を掴んで勢い任せに引き倒す。
「ちょっ!!」
「泣いてんの?」
「泣いてねー」
 そう言いながらも、上から覗き込んだ相手の目元は、泣くのを耐えてか赤く染まっている。胸がキュウとして鼓動が跳ねた。
「教えて」
「何を?」
「男の抱き方。上に乗られるんじゃなくて、自分で、お前に入れたい」
「だーかーらー! バリタチなんだっつったじゃん。入ったら童貞卒業に変わりないんだから、せめて俺に乗らせてよ」
 ますます目元を赤くする相手に、愛しいようなもっとしっかり泣いた顔が見たいような、なんとも言えない気持ちが湧いて、黙れという気持ちも込めつつその口をキスで塞いだ。もちろん彼に抱かれる時だってキスはするけれど、自分から積極的に相手の唇を奪うことは今までしたことがなかった。初めてだということは、多分相手もわかっている。
「童貞捨てたいだけじゃなくて。お前を自分の手で、抱きたいって思ってる。今、かなり」
 真剣に告げたら小さな溜息の後、引き倒した時に肩を押さえた手を放せという様子でピタピタ叩かれた。素直に従えば、クルリと位置を変えて、仰向けのままこちらに向かって足を開く体勢になる。
「ほら、こいよ」
「え?」
「今日は自分でしっかり慣らしてあるから、先っぽ押しあてて体重かけりゃそのまま入るよ。多分」
 言われるままにその場所へ先端を押し当て体重をかけていけば、失敗したあの時とは違って、狭い場所を押し開きぬぷぬぷと沈んでいく。熱に包まれメチャクチャ気持ちが良い。
 すぐに腰を振り始めた自分に、相手は苦しげに呻いたけれど、制止の声はかからなかった。
「ゴメン。俺ばっか、きもちぃ」
 動くたびにあっアッと苦しそうな声が漏れて申し訳ないとは思うものの、動きを止めることが出来ない。
「んなのいーから」
 むしろさっさとイッてと急かす声は本気だ。それに甘えてガツガツと腰を振れば、相手の目元からボロリ涙がこぼれていく。
 胸が締め付けられて、ぎゅうと抱きしめてやりたい気持ちが押し寄せる。多分きっと、愛しいのだ。相手のことも気持よくさせたいという気持ちはあるのに、まったく上手くいかない。
「ゴメン、ごめんっ」
 ゴメンを繰り返しながらあっさり果てて、それからようやく相手のことを抱きしめた。
「童貞卒業、おめでと」
 疲れきった声が、それでもそんな言葉を掛けてくる。
「うん。ありがと。てか本当ゴメン」
「いーよ」
 緩く抱きしめ返してくれながら、相手は続ける。
「でも、約束は守れよ」
「うん。好きだよ」
「えっ?」
「抱いたら、わかった。……と、思う。お前のこと、俺も、友人ってだけじゃなく好きなんだって」
 だからまた抱かせてと言ったら、童貞じゃなくなったんだからもう良いだろと言われたけれど。
「だってお前が俺に気持ちよく抱かれるとこ見たい」
 そんな姿を見たら、きっと今日とは比べ物にならないくらい、メチャクチャ愛しい気持ちが湧くだろう。
 それを正直に言ったら、相手は暫く言葉に詰まった後で、善処はすると困惑の混ざる声で告げた。

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

リバップル/処女を奪った友人が童貞も貰ってくれるらしい

 その男と出会い、親交が深まるにつれ、友人として好ましいという感情は当然のように湧いた。恋愛的な意味で好きなんだと告げられた時、気持ちが悪いとかフザケルナと言って拒絶することが出来ず、それどころかひとまず距離を置くという道すら選べなかった程度に、その好意は育っていた。
 そんな態度だったから、無理だとか気持ちには応じられないと口にしたところで、やはり期待はさせていたと思う。生殺しだと苦笑されてさえ、のらりくらりと今までと変わらぬ友人関係を続けようとした結果、切羽詰まった相手に押し倒されたのも、今となっては自業自得だったと言わざるをえない。
 せめて抱く側ならと消極的にOKを出したものの、女性相手ですら経験がなかった自分に、男を抱くという行為の難易度は高すぎた。はじめは抱かれる側でもいいからとまで切羽詰まっていた相手は、次回持ち越しも時間を置いての再チャレンジも許してくれず、結果的に自分が抱かれる側になってしまった。
 思いの外気持ちが良かったため、それ以降も結局抱かれるばかり回数を重ねているが、男としてこの状態を良しとしてはいなかった。というか童貞なのに非処女という現状がなんとも居たたまれない。
 自分にも抱かせろと言ったこともあるが、のらりくらりと躱されて、押し倒されて、気持よくさせられて有耶無耶になった事が何度かあって、不信感を持ち始めたというのもある。もともと相手の気持ちが「抱きたいという意味合いが強い恋愛的な好き」だったというのもあって、切羽詰まって一度は抱かれることを了承したものの、抱く側でいいなら抱かれたくはないという事なんだろう。
 まったくもってフェアじゃない。けれどそれを詰って友人関係ごと終える気になるかというと、そういう気持ちには一切ならないのだからどうしようもなかった。
 だとしたら自分の取る道は、彼ではない別の誰かで童貞を捨てるほかない。しかし風俗には抵抗感が強すぎるし、恋人を作れるスキルがあるならそもそも童貞ではなかっただろう。という所で手詰まりだった。
 彼との行為を含んだ関係はなし崩し的に受け入れているものの、それでも、童貞なのに非処女かつ男に抱かれて善がっている自分に対する絶望感は日々押し寄せる。だから、最近何か悩んでる? と聞かれた時に思わず、恋人がほしい。童貞を捨てたい。と口走ってしまったのも仕方がないだろう。
「童貞捨てたいはともかく、恋人なら俺が居るじゃん?」
「何言ってんだ。お前は恋人じゃないだろ」
「えっ?」
「えっ?」
 本気で驚かれ、こちらも驚いた。
「セックスする仲なのに恋人じゃないとか言うわけ?」
「は? セックス出来ないまま友達で居るのが辛いって泣いたの誰だよ」
「え、っえええぇぇ……?」
「何?」
「えーちょっと待って。てことはお前、俺と友達で居るために俺とセックスしたっての?」
「そうだよ。だってそうしないと俺とはもう付き合えないって言われたら、そうするしかないだろ」
「俺、恋愛的な意味でお前好きって言ったよね?」
「だからその気持ちには応えられないって、俺もそう言っただろ」
「えー……」
 いたく不満気で納得の行かない顔をされたが、そんなのこちらだって同じだ。結果的に相手の要望はほぼ受け入れた形になっているのに、なぜそんな顔をされなければならないのだ。
「じゃあ俺とこんなことしときながら、別に恋人作ろうって思ってるってこと?」
「そううまく行かないのわかってるから悩んでんだろ!」
「てかなんで俺が恋人じゃダメなわけ?」
「なんでって……」
「セックス出来るほど友人としての俺に執着してるくせに、なんで恋人にはなれねーのよ」
「そんなの……だって、お前とはずっと友人で居たいと思ってて……」
「友人兼恋人だっていーじゃんよ」
「いやでもだって、そんな、恋愛絡めてお前と揉めるのとかヤダよ」
 友人としてなら上手く行っても、恋人として上手く行くとは限らないじゃないか。そう言ったら、酷く悲しげな顔で見つめられてたじろいだ。
「約束する。もし恋人として上手く行かないと思ったら、そんときゃ友人に戻っていい。だから取り敢えずのお試しでいいから、俺の、恋人になって?」
「でもそしたら俺、お前と恋人の間はずっと童貞のままって事になるだろ。嫌だよ。今だって、こんなに居たたまれないってのに」
「気持ちよさそうにしてんじゃん」
「気持よいのと童貞なのにって思っちゃう気持ちは別なの!」
「じゃあ俺が抱かれてお前が童貞捨てれたら、ちゃんと恋人になってくれる?」
「お前、俺に抱かれる気ないだろ。それにまたどうせ出来ないかもだし」
「俺で童貞捨てたら俺の恋人になってくれるって約束してくれんなら話は別」
 恋人になってよと言いながら見つめてくる顔は、切羽詰まって押し倒してきた時とどこか似ている。卑怯だと思うのに、選べる答えは「約束する」以外なかった。
「約束な」
 嬉しそうに笑う顔に仕方ないなと思う反面、なぜこんなにも彼との友人関係に固執してしまうのかわからず、胸の中がもやもやとして気持ちが悪くなった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更嫌いになれないこと知ってるくせに(目次)

診断メーカー(http://shindanmaker.com/474708)から頂いた
あなたは『「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」って泣き崩れる』誰かを幸せにしてあげてください。
というお題を、叔父と甥の2人で書いたらメチャクチャ長くなりました。
全34話です。

キャラ名はありません。
視点の主は叔父で、甥との年の差は10歳あります。
気持ちのベクトルは最初 義兄(甥父)←叔父←甥 ですが、最終的には叔父と甥で両想いハッピーエンドです。
最終的な肉体関係は叔父×甥ですが、途中、甥が叔父を押し倒して強引に色々弄るシーンなどもあります。

義兄への気持ちに気づいた後、実家とも姉家族とも久しく疎遠にしていた主(叔父)の家に、義兄そっくりに育った甥がある日突然押しかけてきた夏から、甥が高校卒業する春までの半年ちょっとの間の話です。
義兄への想いと甥への想いの間で主(叔父)が揺れまくって相当グダグダしてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 突然の訪問者
2話 懐かしい味
3話 義兄の夢
4話 義兄で自慰(R-18)
5話 自慰失敗(R-18)
6話 甥の手で(R-18)
7話 甥へのカミングアウト
8話 約束の週末
9話 甥の告白
10話 父さんの代わりでいい
11話 甥の経験値(R-18)
12話 甥の緊張(R-18)
13話 可愛い声(R-18)
14話 甥自身の手で拡張(R-18)
15話 拡張交代(R-18)
16話 指3本とお尻での快楽(R-18)
17話 ここまでで
18話 甥の帰宅
19話 姉の電話
20話 義兄の待ち伏せ
21話 甥の部屋
22話 甥の進路
23話 甥への好きを認める
24話 その気持ち、試していいの?
25話 今更嫌いになれないこと知ってるくせに
26話 親・姉・義兄に知られている可能性
27話 自分の覚悟
28話 良い報告
29話 甥の卒業と同居開始(R-18)
30話 まずは手で一緒に(R-18)
31話 性急に解す(R-18)
32話 繋がる(R-18)
33話 同時に果てる(R-18)
34話 明日も明後日もその先も

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁