リバップル/処女を奪った友人が童貞も貰ってくれるらしい2(終)

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 仰向けに寝転がり頭だけ持ち上げ見つめる視線の先、自身のペニスが狭い秘所へと飲み込まれていく。澄ました耳に、ぬちゃりと湿ったいやらしい音と、相手の漏らす小さな呻き声と、キツい締め付けにこぼした自身のいやらしい吐息が混ざって届いた。
 手を伸ばして上にまたがる相手の尻肉を掴み広げれば、止めろと相手の焦った声が響く。
「入るとこ見えた方が良いだろって言ったの誰だよ」
「だからって広げるヤツがあるか!」
「せっかくなら入ってくとこしっかり見たい」
「ざけんな。手、放せって」
「じゃ、入るの見れなくていいからこっち向いて」
 代わりに顔見せてと言ったら即答で嫌だと返ってきた。
「なんで?」
「なんでも!」
「お前が初めて俺抱いた時、正常位だったろ。でもって苦しいのときもちぃのとでわけわかんなくなってる俺に、散々可愛いとか言いまくったよな?」
「お前は可愛いからそれでいーの」
「なんでだよ。俺だってお前に可愛いとか言いたいだろ」
 そもそも背面騎乗位というらしい、今のこの体位で繋がる事にイマイチ納得が出来ていない。
 初めて彼とセックスをした時、一度は抱かれる覚悟を決めた相手に上手く挿入出来ず、結果タチネコ交代した経緯があるので、百歩譲って相手が自分の意思で挿入される騎乗位なのは仕方がない。けれど、脱童貞するならちゃんと入ってくとこ見たいだろ、などという理由で背中を向けられたのはいただけない。
 勢いに押されるまま、背中を向けた相手に跨がられてしまったが、入っていく所を見たいなんて欲求は特にないからだ。しかも見ろと言うならじっくり見てやろうと広げてみれば、こうして文句が飛んでくる。
「言わなくていい。てか可愛いとかないからっ」
「お前が可愛いかどうか決めるのは俺だ。てかお前、その体勢キツくないの?」
 相手は先だけ入った状態の中腰で、若干前屈みになりながら身を固めている。もちろん、尻肉を開くこちらの手もそのままだった。
「キツイにきまってんだろ。だからさっさとその手放せよっ」
「やだ。つかさ、」
 言いながら少し腰を突き出すように浮かせてみる。
「うわっ、バカっ」
 そのまま入っていくところが見れるのかと思ったら、相手の尻も突いた分だけ浮いただけだった。
「無理にしようとすんなって。おとなしくその手放せば、俺がちゃんとお前の童貞貰ってやるってば」
「なんで入んねーんだ。俺はお前のあっさり入れられたのに」
「あったり前だっつーの! バリタチなめんな」
「バリタチ?」
「抱く側専門のこと」
「は? 何お前、抱く側のプロなの?」
「そーだよっ。俺に男抱いた経験あるのはお前もわかってんだろ」
「そりゃまぁ慣れてるとは思ったけど。でも抱く専門なんて聞いてない。てかなんで抱く専門のお前が俺に抱かれようとしてんの?」
「お前が抱く側ならだの童貞のまま抱かれるの嫌だのって言うから仕方なくだっつーの。だいたいさ、ちゃんとキモチくなれてんのに、なんでお前、抱かれるだけで満足しねーの? なんで俺、こんなことしてんの?」
「いやお前、自分で答え言ってるから。俺の童貞貰うって言い出したのお前の方だから」
「だってお前と恋人になりたいんだからしょーがないだろー」
 童貞貰ったら恋人になるって約束したろ? したよな? と確かめるように問う声は僅かに鼻声だった。もしかして泣いてるのかと思ったら、どうにもその顔を見たくてたまらなくなった。けれど振り向いてとお願いした所で、絶対に叶えてはくれないだろうこともわかっている。
「あ、あのさ」
「なんだよっ」
「やっぱ一回抜いていい?」
「なんで!?」
「入るとこよりお前の顔みたいし」
「嫌だっ」
 拒否の声を無視して相手の尻をぐいと持ち上げつつ腰を引けば、深くまで入っていなかったそれはあっさり相手との結合を解いた。そのまま相手の下から抜けだし起き上がり、背中を向ける相手の肩を掴んで勢い任せに引き倒す。
「ちょっ!!」
「泣いてんの?」
「泣いてねー」
 そう言いながらも、上から覗き込んだ相手の目元は、泣くのを耐えてか赤く染まっている。胸がキュウとして鼓動が跳ねた。
「教えて」
「何を?」
「男の抱き方。上に乗られるんじゃなくて、自分で、お前に入れたい」
「だーかーらー! バリタチなんだっつったじゃん。入ったら童貞卒業に変わりないんだから、せめて俺に乗らせてよ」
 ますます目元を赤くする相手に、愛しいようなもっとしっかり泣いた顔が見たいような、なんとも言えない気持ちが湧いて、黙れという気持ちも込めつつその口をキスで塞いだ。もちろん彼に抱かれる時だってキスはするけれど、自分から積極的に相手の唇を奪うことは今までしたことがなかった。初めてだということは、多分相手もわかっている。
「童貞捨てたいだけじゃなくて。お前を自分の手で、抱きたいって思ってる。今、かなり」
 真剣に告げたら小さな溜息の後、引き倒した時に肩を押さえた手を放せという様子でピタピタ叩かれた。素直に従えば、クルリと位置を変えて、仰向けのままこちらに向かって足を開く体勢になる。
「ほら、こいよ」
「え?」
「今日は自分でしっかり慣らしてあるから、先っぽ押しあてて体重かけりゃそのまま入るよ。多分」
 言われるままにその場所へ先端を押し当て体重をかけていけば、失敗したあの時とは違って、狭い場所を押し開きぬぷぬぷと沈んでいく。熱に包まれメチャクチャ気持ちが良い。
 すぐに腰を振り始めた自分に、相手は苦しげに呻いたけれど、制止の声はかからなかった。
「ゴメン。俺ばっか、きもちぃ」
 動くたびにあっアッと苦しそうな声が漏れて申し訳ないとは思うものの、動きを止めることが出来ない。
「んなのいーから」
 むしろさっさとイッてと急かす声は本気だ。それに甘えてガツガツと腰を振れば、相手の目元からボロリ涙がこぼれていく。
 胸が締め付けられて、ぎゅうと抱きしめてやりたい気持ちが押し寄せる。多分きっと、愛しいのだ。相手のことも気持よくさせたいという気持ちはあるのに、まったく上手くいかない。
「ゴメン、ごめんっ」
 ゴメンを繰り返しながらあっさり果てて、それからようやく相手のことを抱きしめた。
「童貞卒業、おめでと」
 疲れきった声が、それでもそんな言葉を掛けてくる。
「うん。ありがと。てか本当ゴメン」
「いーよ」
 緩く抱きしめ返してくれながら、相手は続ける。
「でも、約束は守れよ」
「うん。好きだよ」
「えっ?」
「抱いたら、わかった。……と、思う。お前のこと、俺も、友人ってだけじゃなく好きなんだって」
 だからまた抱かせてと言ったら、童貞じゃなくなったんだからもう良いだろと言われたけれど。
「だってお前が俺に気持ちよく抱かれるとこ見たい」
 そんな姿を見たら、きっと今日とは比べ物にならないくらい、メチャクチャ愛しい気持ちが湧くだろう。
 それを正直に言ったら、相手は暫く言葉に詰まった後で、善処はすると困惑の混ざる声で告げた。

 
 
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リバップル/処女を奪った友人が童貞も貰ってくれるらしい

 その男と出会い、親交が深まるにつれ、友人として好ましいという感情は当然のように湧いた。恋愛的な意味で好きなんだと告げられた時、気持ちが悪いとかフザケルナと言って拒絶することが出来ず、それどころかひとまず距離を置くという道すら選べなかった程度に、その好意は育っていた。
 そんな態度だったから、無理だとか気持ちには応じられないと口にしたところで、やはり期待はさせていたと思う。生殺しだと苦笑されてさえ、のらりくらりと今までと変わらぬ友人関係を続けようとした結果、切羽詰まった相手に押し倒されたのも、今となっては自業自得だったと言わざるをえない。
 せめて抱く側ならと消極的にOKを出したものの、女性相手ですら経験がなかった自分に、男を抱くという行為の難易度は高すぎた。はじめは抱かれる側でもいいからとまで切羽詰まっていた相手は、次回持ち越しも時間を置いての再チャレンジも許してくれず、結果的に自分が抱かれる側になってしまった。
 思いの外気持ちが良かったため、それ以降も結局抱かれるばかり回数を重ねているが、男としてこの状態を良しとしてはいなかった。というか童貞なのに非処女という現状がなんとも居たたまれない。
 自分にも抱かせろと言ったこともあるが、のらりくらりと躱されて、押し倒されて、気持よくさせられて有耶無耶になった事が何度かあって、不信感を持ち始めたというのもある。もともと相手の気持ちが「抱きたいという意味合いが強い恋愛的な好き」だったというのもあって、切羽詰まって一度は抱かれることを了承したものの、抱く側でいいなら抱かれたくはないという事なんだろう。
 まったくもってフェアじゃない。けれどそれを詰って友人関係ごと終える気になるかというと、そういう気持ちには一切ならないのだからどうしようもなかった。
 だとしたら自分の取る道は、彼ではない別の誰かで童貞を捨てるほかない。しかし風俗には抵抗感が強すぎるし、恋人を作れるスキルがあるならそもそも童貞ではなかっただろう。という所で手詰まりだった。
 彼との行為を含んだ関係はなし崩し的に受け入れているものの、それでも、童貞なのに非処女かつ男に抱かれて善がっている自分に対する絶望感は日々押し寄せる。だから、最近何か悩んでる? と聞かれた時に思わず、恋人がほしい。童貞を捨てたい。と口走ってしまったのも仕方がないだろう。
「童貞捨てたいはともかく、恋人なら俺が居るじゃん?」
「何言ってんだ。お前は恋人じゃないだろ」
「えっ?」
「えっ?」
 本気で驚かれ、こちらも驚いた。
「セックスする仲なのに恋人じゃないとか言うわけ?」
「は? セックス出来ないまま友達で居るのが辛いって泣いたの誰だよ」
「え、っえええぇぇ……?」
「何?」
「えーちょっと待って。てことはお前、俺と友達で居るために俺とセックスしたっての?」
「そうだよ。だってそうしないと俺とはもう付き合えないって言われたら、そうするしかないだろ」
「俺、恋愛的な意味でお前好きって言ったよね?」
「だからその気持ちには応えられないって、俺もそう言っただろ」
「えー……」
 いたく不満気で納得の行かない顔をされたが、そんなのこちらだって同じだ。結果的に相手の要望はほぼ受け入れた形になっているのに、なぜそんな顔をされなければならないのだ。
「じゃあ俺とこんなことしときながら、別に恋人作ろうって思ってるってこと?」
「そううまく行かないのわかってるから悩んでんだろ!」
「てかなんで俺が恋人じゃダメなわけ?」
「なんでって……」
「セックス出来るほど友人としての俺に執着してるくせに、なんで恋人にはなれねーのよ」
「そんなの……だって、お前とはずっと友人で居たいと思ってて……」
「友人兼恋人だっていーじゃんよ」
「いやでもだって、そんな、恋愛絡めてお前と揉めるのとかヤダよ」
 友人としてなら上手く行っても、恋人として上手く行くとは限らないじゃないか。そう言ったら、酷く悲しげな顔で見つめられてたじろいだ。
「約束する。もし恋人として上手く行かないと思ったら、そんときゃ友人に戻っていい。だから取り敢えずのお試しでいいから、俺の、恋人になって?」
「でもそしたら俺、お前と恋人の間はずっと童貞のままって事になるだろ。嫌だよ。今だって、こんなに居たたまれないってのに」
「気持ちよさそうにしてんじゃん」
「気持よいのと童貞なのにって思っちゃう気持ちは別なの!」
「じゃあ俺が抱かれてお前が童貞捨てれたら、ちゃんと恋人になってくれる?」
「お前、俺に抱かれる気ないだろ。それにまたどうせ出来ないかもだし」
「俺で童貞捨てたら俺の恋人になってくれるって約束してくれんなら話は別」
 恋人になってよと言いながら見つめてくる顔は、切羽詰まって押し倒してきた時とどこか似ている。卑怯だと思うのに、選べる答えは「約束する」以外なかった。
「約束な」
 嬉しそうに笑う顔に仕方ないなと思う反面、なぜこんなにも彼との友人関係に固執してしまうのかわからず、胸の中がもやもやとして気持ちが悪くなった。

続きました→

 
 
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今更嫌いになれないこと知ってるくせに(目次)

診断メーカー(http://shindanmaker.com/474708)から頂いた
あなたは『「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」って泣き崩れる』誰かを幸せにしてあげてください。
というお題を、叔父と甥の2人で書いたらメチャクチャ長くなりました。
全34話です。

キャラ名はありません。
視点の主は叔父で、甥との年の差は10歳あります。
気持ちのベクトルは最初 義兄(甥父)←叔父←甥 ですが、最終的には叔父と甥で両想いハッピーエンドです。
最終的な肉体関係は叔父×甥ですが、途中、甥が叔父を押し倒して強引に色々弄るシーンなどもあります。

義兄への気持ちに気づいた後、実家とも姉家族とも久しく疎遠にしていた主(叔父)の家に、義兄そっくりに育った甥がある日突然押しかけてきた夏から、甥が高校卒業する春までの半年ちょっとの間の話です。
義兄への想いと甥への想いの間で主(叔父)が揺れまくって相当グダグダしてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 突然の訪問者
2話 懐かしい味
3話 義兄の夢
4話 義兄で自慰(R-18)
5話 自慰失敗(R-18)
6話 甥の手で(R-18)
7話 甥へのカミングアウト
8話 約束の週末
9話 甥の告白
10話 父さんの代わりでいい
11話 甥の経験値(R-18)
12話 甥の緊張(R-18)
13話 可愛い声(R-18)
14話 甥自身の手で拡張(R-18)
15話 拡張交代(R-18)
16話 指3本とお尻での快楽(R-18)
17話 ここまでで
18話 甥の帰宅
19話 姉の電話
20話 義兄の待ち伏せ
21話 甥の部屋
22話 甥の進路
23話 甥への好きを認める
24話 その気持ち、試していいの?
25話 今更嫌いになれないこと知ってるくせに
26話 親・姉・義兄に知られている可能性
27話 自分の覚悟
28話 良い報告
29話 甥の卒業と同居開始(R-18)
30話 まずは手で一緒に(R-18)
31話 性急に解す(R-18)
32話 繋がる(R-18)
33話 同時に果てる(R-18)
34話 明日も明後日もその先も

 
 
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やっと終わりました(雑記)

やっとやっと「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」を終えることが出来ましたー(^O^)
それまでけっこうざっくり目に話進めてる事が多かったので、ちょっと心理描写多めに気持ちの揺れとかじっくり書きたいな~みたいな気持ちはあったにはあったんですけども、それにしたってこの長さは想定外。
いくら適当にその場のノリで書き進めてると言っても、まさかここまで長くなるとは思ってませんでした。
それもこれも、幸せにしてあげてってお題に叔父と甥なんて2人をチョイスしたのが悪いんですよね。
しかも義父←叔父(主)←甥とか面倒な設定上乗せしましたしね。
代理セックス大好きなんですよー
好きな人と出来ないから別の誰かとやっちゃうのめちゃ萌えなんですよー
でも結局その代理セックス部分もグダグダしっぱなしで……(;´д`)トホホ…
ホントもう、最初かなりグダグダしてたし、それまでと比べてテンポ悪いし、話なかなか進まないしで、どうすんのコレー? いつ終わんのコレー? ってかなり思ってたんですが、それでもなんとかハッピーエンドまで書ききれて本当に良かったです。
2日に1度の更新なので結局2ヶ月もかけてしまったわけですが、お付き合いくださった方たちには本当に本当に感謝しています。
反応はやはり一番目に見えて分かりやすいのがブログ村のINポイントなんですが、更新日にちゃんとINポイントが増えてるとすごくホッとするんですよね。
そしてさすがに最終話を更新した今日は普段より多めにクリックして頂いているみたいで、書ききったーという悦び倍増中です(´∀`*)
他のランキングは日毎のクリック数がわかりにくいですが、それでも、そちらもポチポチと応援頂いているのはちゃんとわかっています。
応援クリック本当に励みになってます。いつもありがとうございます。

そして今回も結局名前は出さないままでした。
てかもう行けるとこまで名無しで頑張ろうって気になってます。
そのうちどうにも名前付いてないの無理だわってなったら突如名前が湧いて出る事になるかと思いますが、長くなろうと意外となんとかなるもんだなぁというのも今回わりと強く感じました。
むしろ親友に彼女ができたら~の方がクラスメイトと親友とって関係だったからか、名前ないの不便だなって思ってた気がします。
今回は義兄とか父さんとか使えた分楽だったかな。

長めの話を終えてなんか燃え尽き気味でぼんやりしておりますが、なるべく早く目次ページも作りたいと思います。
出来れば明日中にはなんとか……と思ってますが、でも先に明後日更新用のお話書かないとなんですよね。
相変わらずストックのない生活です。
というか2ヶ月も今更~にかかりきりだったので、いざ書き終わっても即サクッと短い話が書けるのか不安です。いや何かしらひねり出しますけども。
またあちこちお題覗きに行ってきます。
そんなわけで、暫くは連載ではなく軽い感じで読める短いお話を書けたらいいな~と思っているので、軽い気持ちで読みに来ていただけたら嬉しいなと思います。
とか言ってまたすぐダラダラ連載始めてたらすみません。
自分の書くものなのに適当執筆過ぎて自分でもまったく先が読めません。

 
 
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今更嫌いになれないこと知ってるくせに34(最終話)

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 ほぼ同時に終われた事に心底ホッとしつつ、さすがに疲れきって、なんとか繋がりを解いた後で甥っ子の上に崩れ落ちる。体格差はそうないどころか体力的にも筋力的にも若い甥っ子のほうが断然上だろうから、相手を潰す心配はまったくしていなかったが、やはりビックリはさせたらしい。
「わっ、ちょっ、にーちゃん!?」
 相手の声も随分と疲労が滲んでいたが、それなりの声量が出せるくらいには元気なようだ。
「ゴメン、先にちょっと休憩」
 年を感じるとぼやいたら、体の下で甥っ子がクスクスと楽しげに笑った。笑いながら、背中に回った腕がゆるりと抱きしめてくる。
「にーちゃんだってまだ20代なのに。でも、疲れきるほど気を遣ってくれたんだって、わかってるよ。いっぱい優しくしてくれて、ありがと」
「途中暴走もしたけどな。でも、ちゃんと一緒にイけて、本当、良かった」
「それ、まさか本当にそうしてくれるって思ってなかったよ。凄いね。というか、疲れさせたのって、それが原因だよね?」
「まぁお前初めてだから、こっちもかなり手探りだったし。でも、悪くない初めてになったろ?」
「うん。めちゃくちゃ幸せな初めてだったよ。あの時ムリヤリ抱かれなくて良かったって、凄く思った」
 にーちゃんの言った通りだったよと言われたが、当然それも意識してはいた。自分の体を大事にしろだとか、もっといい機会が来るだとか、そんな事を言った手前、ここまで待って良かったと思えるような初めてにしてやりたかった。
「そりゃ良かった。で、体はどうだ? シャワーとか浴びれそう?」
「俺の上で潰れてるにーちゃんがそれ聞くの? このまま寝る気かと思ってたよ」
「俺はそろそろ復活するって。まだ20代だからな」
 20代を強調したら、やはり体の下で甥っ子が楽しげに笑う。
「シャワー行く?」
「ああ。でもお前が無理そうなら先に体拭いてやるから」
「平気って言ったら一緒にシャワー?」
 期待に満ちた声に思わず笑ってしまった。
「平気そうだな。じゃ、一緒にシャワーするか」
 言いながら体を起こせば、下敷きになっていた甥っ子も続いて身を起こす。
「やった。洗いっこね」
 早くと急かす甥っ子の足取りは軽く、どうやら体は本当に大丈夫そうだ。
 風呂場で洗いっこなんて事をすれば盛り上がってしまうのは当然で、特に甥っ子は若さゆえかあっという間にガチガチにまた勃たせている。10という年の差をひしひしと感じつつ、洗ったついでだと言いながら口を使ってイかせてやった。
 もちろん甥っ子も同じように口でしてくれようとしたけれど、さすがにそれは断った。してもらえばそれなりに気持ち良くはなれるだろうけれど、もう一度吐き出したい元気はない。
 甥っ子は若干不満気だったけれど、明日も明後日もその先も、何度だって次があるだろと言えば納得したようだ。それどころか、酷く嬉しげでご機嫌になった。
 そのご機嫌はベッドに戻っても続いていて、隣り合って寝転がった後、こちらを見つめる甥っ子はなんだかふわふわとした笑顔を振りまいている。
「にーちゃんと一緒に暮らすの、本当にずっと憧れだったんだよね。うんと子供の頃からさ。なんで夜は別々の家で寝なきゃダメなんだろって思ってた。なのににーちゃん遠く行っちゃって帰ってこなくて、それでにーちゃんの嫁になりたいとか、完全に憧れ拗らせてる自覚あったけど、でも、今、すっごく幸せだ」
 恋人にしてくれてありがとうと言いながら、甥っ子がゆるく抱きついてくる。
「明日も、明後日も、その先も、ずっとにーちゃんと一緒に暮らしたいよ」
「俺だってそのつもりだよ。あちこち巻き込んで、許してもらって、それで一緒に居られるってのに、そう簡単に別れてなんかやれるか」
 覚悟しとけと言ったら、にーちゃんもねと返された。
「あのさ、不束者ですが、末永くよろしくお願いします」
「こちらそこ至らない点も……って何言わすんだ。てか何言ってんだ」
「恋人にはなれたから、次はやっぱ嫁狙いかなぁって」
 受験後に時間あったから一応花嫁修業もしてきたんだよねなどと言って、ふへへと照れ笑う。
「おまっ」
「料理のレパートリー増やしたかっただけなんだけど、それだけじゃダメって言われて、掃除とか洗濯のコツとかも、にーちゃんの負担にならないように教え込まれてきたからさ」
 家事は俺がやるからねなどと張り切られて、じゃあしっかり稼いでこないとなどという思考になってしまう辺り、とっくに嫁になりたい発言も受け入れてはいた。とはいえ、彼の今の身分は大学生で、叔父の世話で忙しく単位を落としたなんて事になったら、親や姉夫婦に合わす顔がない。
「そりゃ助かるけど、でもあんま無理すんなよ。先は長いんだから、頑張り過ぎると疲れるぞ。家事なんて分担してやりゃいいんだって。あと、勉強第一な」
「わかってるよ。でもご飯は俺の担当ね。そこ譲らないから。にーちゃんの胃袋掴むから」
「てか俺がたいしたもん作れないの、お前知ってんだろ。正直メシに関しては期待してるよ」
 キッチンは姉の家同様の3口コンロだし、冷蔵庫もこの機会に大きな物へ買い換えている。それに気づいた甥っ子が随分と喜んでいたのは、つい数時間前の話だ。
 調理器具に関しては、夏に甥っ子が購入したもの以外ほとんどないと言っていい状態だけれど、それも必要な物は追々揃っていくのだろう。
「後、俺の胃袋なら夏の間にお前がとっくに掴んでっから。10年ぶりに近い実家の味とか、あざとすぎなんだよ」
「ばーちゃんが味方で俺の大勝利」
 ふふっと笑う顔はやはりふわふわと幸せそうで、こちらもなんだか胸がじわりと暖かくなる。
「俺が作れるようになったばーちゃんのレシピ増えてるから、ホント、楽しみにしてて」
 言いながらあくびを噛み殺す。
 ふわふわとして見えるのは、どうやら眠さもあるようだとようやく気づいた。
「楽しみにしてるよ」
 軽いキスを一つ贈って、ベッドヘッドに置いていたリモコンで部屋の明かりを落とす。
「寝るの?」
「疲れてるだろ?」
「でもなんか勿体無くて」
 なんて事を言った割に、ものの数分後には寝息が聞こえてくる。可愛い寝息を吐き出す唇に、もう一度チョンと触れた後。自分もそっと目を閉じれば、すぐに心地よく幸せな眠りに包まれた。

< 終 >

最後まで読んでいただけてすごく嬉しいです。
長々とお付き合い本当にありがとうございました!

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http://shindanmaker.com/474708

 
 
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今更嫌いになれないこと知ってるくせに33

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 縋られ胸の中で泣かれていてさえ、抑えきれずに燻る情欲から、完全に動きを止めてやる事はやはり出来なかった。強引に突き上げる事をなんとか堪えているだけで、中を擦って揺すって辛そうに喘がせてしまう。
 代わりに、何度も名前を呼んで、好きだと繰り返した。泣いて喘ぎながらそれでも必死に、好きだと言い返そうとしてくれる相手が酷く愛しい。
「好きっ、俺も好きだかっ、ら…いー、よ。我慢、しないで…いーからっ」
 まさか、さっきみたいにしてなどと、甥っ子から言い出すとは思わなかった。
「だ、ぃじょーぶ…だから、…ね、俺で、きもちく、なって」
 胸がキュウとして痛い。これはダメだ、このままではダメだ。彼の言葉に甘えて、このまま自分の欲を吐き出してしまったら、絶対に後悔する。
「お前、ほんと、どこまで可愛くなるつもりだよ」
「んなの、にーちゃんの、せぃ」
「そーだな、俺が、悪い。もっとちゃんと、きもちくさせてやりたかったのに、ゴメンな」
「きもち、ぃよ。ちゃんと、きもちーから、へーきっ」
「もっとゆっくり、一緒にきもちくなる予定だったんだ」
 肩掴んでいいから少し腕を緩めてと言いながら、相手の肩を軽くさすってやれば、素直に従い肩が掴まれ、少しばかり互いの体の距離があく。空いた隙間に手を差し入れて、若干萎えつつも、腹の下で擦れていたせいかまだ硬さを残す相手のペニスを握った。
「んぅっ」
「一緒にイけなかったら、ほんと、ゴメン」
 大きく息を吸って吐いて深呼吸を一つ。それから抜いて差しての前後運動をやめて、グッと奥に押し入ったまま中を軽く揺するだけにした。そうしながら、手の中のモノをイかせる目的で扱きだす。
「あ、…? っあぁ??」
「前に……こっち、集中して?」
 大丈夫だからと言いながら、先程までに零した雫をすくって先端に塗り広げた。
「んぁあっ、っえ、ちょ、ちが……さっきの、ちがっ」
「うん。これはイヤ? 怖いか?」
「じゃ、ない。けどっ…にー、ちゃ、は? これっ、ぁっんん、これ、いーの?」
 こちらが動いているようには感じないだろうし、実質ほとんど動いてはいないから、自分ばかりがと思ってしまうのかも知れない。
「お前がキモチクなって、中、締めてくれたら、俺も、ちゃんとキモチクなるから」
 大丈夫と繰り返してから一度顔を寄せて、何度かキスを繰り返した。宥めるように、愛しむように、そして快楽を引き出すように。何度も触れ合ってから口を離せば、溢れる吐息の色が変わる。随分と甘く響くようになる。手の中のモノもしっかり硬さを取り戻していた。
 可愛い声を指摘しながらもっと聞かせてと告げれば、わずかに躊躇ったあとで、喘ぐ吐息に気持ちが良いと知らせる単語が混ざりだす。中がうねり、握って扱く先端からダラダラと先走りがあふれるようになってから、握る手をそのままに前後運動を再開した。
 弱い場所を狙って緩く突き上げる。若干戸惑いが滲んでいても、溢れる吐息は甘いままだった。やがて戸惑いは消えて、そうなる頃にはイッちゃうという訴えが混ざりだす。
「いいよ。イッて」
 手の中の刺激を強めつつ、自身の動きも加速した。
 前を弄りながらならイケるとは言っていたが、自分で強弱を調整出来る自慰と、こうして他者に強制的に快楽を送り込まれるのは違う。数カ月前までは指2本がキツイと言っていた彼の自己開発は、どう考えたって拡げる事が中心だっただろうから、中への強い刺激と吐精とがまだ噛み合っていないのかもしれない。
 イッちゃうと繰り返しながらも、なかなか極められずに身悶える甥っ子に煽られ焦らされながらも、どうにか先に果ててしまうのを耐えたおかげで、彼が達する時の収縮に合わせてあっさりこちらも精を放った。

続きました→

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