無い物ねだりでままならない(目次)

キャラ名ありません。全19話。
大学生の可愛い系小柄後輩(視点の主)×頼りになる系大柄先輩。
2学年差で先輩は4年生。

見た目の可愛さからお前なら抱けると言われがちな視点の主が、性的な目で見ないという理由で懐いていたサークルの先輩が実はゲイネコ(抱かれたい側のゲイ)で、しかも可愛い視点の主を羨ましがっていると知って、恋人に立候補して可愛がってあげたくなる話。
先輩は過去に出会い系で抱かれた経験はあるものの、恋人が居た過去はなし。先輩の過去の男関係の詳細はないものの、過去の行為を匂わすような態度や発言はあります。
視点の主は童貞です。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 月曜2限の空き時間
2話 最後のランチ
3話 クリスマスデート
4話 先輩の親友襲来
5話 しんどい鍋パ
6話 2人きりの帰り道
7話 先輩のカミングアウト
8話 初詣デート
9話 いろいろ準備
10話 開封済みローション
11話 まだ恋人になりたいか
12話 童貞貰って下さい
13話 舐めてくれるの?
14話 そろそろ脱いで(R-18)
15話 おねだりしてよ(R-18)
16話 やらかした(R-18)
17話 先輩と恋人に(R-18)
18話 最高!(R-18)
19話 手を繋いで

おまけメモ。
本編に出せなかった先輩の過去の出会い系ですが、親友に恋人が出来たのをきっかけに自分も恋人が欲しくなって利用しました。しかし、2〜3人であっさり挫折。
自分に出会い系は向かないし、もう恋人を作ろうなんて考えるのはやめよう。と思うようになった決定打は、抱かれたい側なのに抱く側をやらされる羽目になったことで、つまり、先輩は実は非童貞でもある。という設定でした。

 
 
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ここがオメガバースの世界なら(目次)

キャラ名ありません。全16話。
隣に住む同じ年の幼馴染で高校生。
受けが腐男子。中学時代から攻めが好きでBLを読むようになった。
2歳年上な攻めの姉が腐女子で、受けが同じ高校に入学してきたことで腐友になる。攻めの姉は受けが弟を好きだと、腐友になる前から知っている。
ここがオメガバースの世界なら、という腐トークを聞いてしまった攻めが受けは姉狙いと勘違いし、妨害する気で受けの項を噛んだために仮想の番が成立。
そんな二人が恋人として付き合うまでの話ですが、双方とも自分たちが両想いだとは気づいてません。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
視点が途中で何度か交代しているので、タイトル横に(受)(攻)を記載しています。
途中、互いに抜きあう関係になりますが、性的な描写はありません。

1話 腐友とお茶会(受)
2話 闖入者(受)
3話 告白なんてしてない(受)
4話 Ωとして当然の選択(受)
5話 噛んでもいいよ(受)
6話 高校2年の夏の初め(攻)
7話 退院(攻)
8話 姉からの荷物(攻)
9話 読書(攻)
10話 アルファの振る舞い(攻)
11話 想い人の腕の中(受)
12話 手を出す、の意味(受)
13話 拒絶なんてできない(受)
14話 後ろめたい関係(攻)
15話 衝動で奪うキス(攻)
16話 本当には番じゃないから恋人に(受)

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ここがオメガバースの世界なら1

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 隣の家には同じ年の男の子と2つ上の女の子が住んでいて、子供の頃は当然同じ年の男の子と仲良しだった。けれど中学に上がって同じ運動部に入った結果、同学年で誰よりも早くレギュラー入りした相手と、万年補欠で練習試合に数度、それも僅かな時間しか出られなかったような自分との間にはだんだんと目に見えない溝ができ、卒業して別々の高校に通い出した後は見かけたら挨拶を交わす程度の仲になってしまった。
 なのに今現在、相手の家のリビングでお茶を飲んでいるのは、招待者が彼ではなくその姉の方だからだ。
 彼女の進学先を知らなかったわけではないが、同じ高校へ進学したところで、お茶に呼ばれるような関係になるなんてことは、当然考えていなかった。しかし、中学時代まったく活躍できなかった部活へ再度入部するはずもなく、かといって他に入りたい部活も見つからず、まぁいいかと帰宅部となっていた自分を、ある日彼女が誘いに来た。
 新入部員の確保に失敗したそうで、このままでは廃部になるから名前を貸せ、というやつだ。もちろんもっと穏やかな口調で頼まれたけれど、弱みを握られ餌をチラつかせながらの「お願い」なんて脅迫でしかない命令だった。
 といっても最初は本当に、彼女が卒業するまで自分がその部に籍を置いてさえいれば良い、とだけ思って誘ったのだと思う。間違いなく、家に招いて一緒にお茶をする仲になる気はなかったはずだ。入部届を渡した後、一応は後輩になったのだからと気遣われたり、以前よりも親しげに挨拶をしてくれるようになったのだって、彼女からすれば特に意味のある行動ではなかったらしい。
 けれど弱みを握られ脅された身だったから、彼女の変化が部の後輩へ対する自然な態度だなんて考えつかなかったし、混乱してもいた。入部届さえ渡せば後は用済みとなって、前以上に疎遠になる想定しかなかったからだ。
 だって彼女の弟に恋愛的な意味で想いを寄せる男の存在なんて、気持ち悪いに決まってる。
 彼女の態度の意味をグルグルと考えすぎて憂鬱になり、そのせいで彼女を心配させ、不調を気にするその態度に追い詰められるようにして、限界を迎えたのは入部届け提出から1ヶ月ほど過ぎた辺りだっただろうか。心配する彼女に、どういうつもりですかと問いかけた。
 これ以上何をさせたいのか。なぜ罵らないのか、避けないのか。気持ち悪いと思わないのか。
 胸の中に渦巻く不安やら焦燥やらを半泣きで吐き出す自分に、彼女は随分と驚いた後、想いを利用するような真似をして申し訳なかったと謝ってくれた。更には、弟への恋情を知っていると伝えたのは応援したい気持ちがあったからだ、などと言い出し、こちらの恋情を暴いた代わりにと彼女の秘密を一つ教えてくれた。
 彼女はいわゆる「腐女子」というものらしい。
 まぁ彼女の秘密を知る人間は結構いるようなので、恋情を暴いた代わりというよりは、同性への恋愛感情を気持ち悪いと思わないことや、応援したい気持ちがあることの理由として、腐女子だからだと教えてくれた可能性の方が高いのだけれど。
 腐女子を公言している女子が中学のクラスメイトにいたおかげで、「腐女子」が何を指すかは知っていたし、漏れ聞く会話からBLという男同士の恋愛を扱う物語が世の中にたくさんあるらしいことも知っていた。
 読書そのものが比較的好きだし、男を好きになってしまった身として、男同士の恋愛物語が気にならないはずがない。けれど、それっぽい漫画の一部を目にしたことがある程度で、一つの物語を最初から最後まで読んだ経験はなかった。
 弟はいるが腐女子な姉など自分には居ないし、本屋で買えるのだろうことはわかっていても、そんなものを探したりましてや手に取れるはずがなく、ネットであれこれ読めるということも知らなかったし、そもそも個人でこっそりネットを閲覧できる環境が出来たのだって高校に入学してからだ。携帯は高校の入学祝いだった。
 結論から言うと、彼女とは腐仲間としてお茶をしている。
 彼女から借りたり、携帯で読めるオススメ作品を聞いたり、まんまとBL世界に嵌ったせいで、すっかり腐男子の仲間入りをしてしまったからだ。
 今の所自分が腐男子だということを知っているのは彼女だけで、たまに向こうの家族が出払っている時などに呼ばれて、一緒にお茶をして腐トークに花を咲かせる時間が出来た。
 自分の想いは未消化なまま彼女の弟へと向いたままだし、完全にただの腐友ではあるのだが、一応異性なので、家族が出払っている時を狙って訪問することへの抵抗感はある。ただ、家族がいる中で自室に通すのは誤解を生むだろうし、そもそも自室に入れたくはない。かといって家族が居る前で堂々と話せる内容でもない。という彼女の主張と、誰の目があるかわからない家の外は論外。というこちらの主張により、今のような状態に落ち着いた。

続きました→

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい(目次)

夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい(Web版で3章まで読めます)
社会人と学生。年の差・体格差有り。本編8章+後日談4話。
BLに夢見てる腐男子の颯真が、ゲイ掲示板経由で襲われかけたり理想の攻め(翔)に出会ったりする話。
頼み込んで抱いてもらった後、好きになったと告白するが恋人にはなれずセフレ状態を受け入れるものの、最終的には恋人になります。
後日談は翔視点で、颯真が高校生と知って恋人にはなるが卒業まではもう抱かないという約束をしていた翔が、颯真の高校卒業を待って久々にセックスをする話。玄関で中出し。

1章 腐男子仲間
2章 豹変
3章 本当に来てくれた
4章 初めてのH
5章 忘れられなくて
6章 翔さんのトラウマ
7章 タク VS 翔
8章 卒業まで待てるから
後日談1
後日談2
後日談3
後日談4

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H1

本編数ヶ月後。颯真の高校卒業を待って久々にセックスする二人の話。本編の主人公は颯真ですが、後日談は翔視点。

目次へ→
   
 仕事が休みの日の朝は、なるべく体を動かすようにしている。と言ってもせいぜい近所を1時間程度走ってくるだけだけれど。
 そんなわけで今朝も走りに出るつもりで靴を履いていた所、前方のドア鍵が突然ガチャリと音を立てたので、翔は驚き顔を上げた。
 とっさに頭に浮かんだのは、先日、誕生日プレゼントとして合鍵を渡した恋人の顔だったけれど、もちろんこんな早朝とも言える時間の来訪予定はない。そもそも颯真とは今日、昼前に駅で待ち合わせている。
 少し豪華なランチを奢って昨日卒業式だった彼の卒業を祝い、夕飯用に美味そうな惣菜類を買って帰ってくるのが目的だ。夜は久々のお泊りも決定している。ついでに言うなら、明日も仕事は休みである。
 卒業式当日はさすがに色々あるだろうからと、その翌日と翌々日が休めるように、かなり早くから準備していた。卒業祝いとして、泊まりでどこかへ連れて行きたいと思っていたからだ。
 しかし結局、ホテルに宿泊予約を入れることにはならなかった。なんせ、翔宅に泊まりたいというのが颯真の要望だったので、恋人としては、それを叶えてやらないわけには行かない。
 あの日の約束通り、恋人となってからはハグやキス以上の性的な触れ合いをしていなかったから、実質、恋人としては初めて抱き合う夜となるのに。翔としては、多少ロマンティックな演出をしてやるつもりだったし、颯真自身、そういうのに憧れる気持ちはあるとはっきり認めていた。
 けれど、久々に抱き合う場所はやっぱり慣れ親しんだ翔のベッドの中がいい、だとか、あのベッドに潜り込むのをどれだけ我慢してきたと思うの、なんてことを言われてしまったら、すぐにでもそのベッドの中へと連れ込みたい衝動を堪えるのが大変だった。
 頭の中では目まぐるしく颯真との記憶が巡っていたが、扉の向こうに居るのが彼だという確証はない。慌てて立ち上がり、隅に置かれた傘立てに刺さった傘を引き抜いたところで、目の前のドアが開かれる。
「ぅわっ!?」
 真っ先に驚きの声を上げたのはドアを開いた人物で、翔は脱力しつつ手にした傘を傘立てに戻した。色々と想定外ではあるが、合鍵を渡した人物が鍵を開けたのであれば、そう大きな問題はない。
「え、ちょ、何してんの?」
「何してるのはこっちのセリフだ。合鍵を使うのは構わないが、来るなら連絡くらいは入れてくれ」
「だってそれじゃ寝込み襲えないじゃん」
「んん?」
 想定外の言葉が聞こえてきて言葉が詰まる。てっきり、待ちきれなかったとか早く会いたかったとかの、可愛らしい理由を告げてくれるのかと思っていた。
「卒業したし、合鍵あるし、ならもう、寝てるとこにこっそり潜り込むしかないなって思って。まぁ、本当はもっと早く来るつもりだったの無理だったから、もう起きてるだろうなとは思ってたんだけどさ」
 さすがにドア開けた先に居るとは思ってなくて驚いたと言いながら、颯真の視線がゆっくりと、翔の姿をなぞるように上から下まで移動していく。
「もしかしなくても、走りに行くとこだった?」
「まぁ、休みの日くらいは、少し体を動かしておかないとな」
「そうなんだ。えっと、じゃあ、俺は留守番してていい? どれくらい走ってくる?」
 一緒に行きたいとこだけどさすがにこの格好で走るのはと躊躇う颯真は、昼からのデートを意識してか、普段好んで着ているカジュアル感の強いスポーツミックスコーデではなかった。前が開かれたコートからは、襟や前立てにデザインが入った白シャツや細めのコットンパンツという、スマートな装いが見えている。当然足元もカラフルなスニーカーではない。
 卒業祝いなのだからランチはコースを予約済みと言ったせいで、気を使わせてしまったのかも知れないが、見慣れない大人びた姿になんとなくソワソワしてしまう。
 大学生と思い込んで抱いてしまったが、本当は高校生と知って、せっかく恋人という関係に進んだものの行為は颯真が卒業するまでオアズケという状態に、実のところ、こちらも相当焦らされていた。颯真の手前、そんな気持ちは極力隠してきたけれど、やっと卒業したのだと思うと抑えが効かなくなりそうだ。
「翔さん?」
「うん」
 訝しげに名前を呼ばれたが、小さく頷くだけにとどめて、そっと目の前の体に腕を伸ばす。引き寄せ抱きしめた体からは、甘さのある爽やかな香りがした。
 正確には、毛先が元気よく跳ねた頭髪から漂う馴染みのあるこの香りが、香水の類ではなくシャンプーの香りだということを知っている。いつもより強い香りの中、ほのかな石鹸の香りが混じってもいた。
 先程、寝込みを襲いに来た、なんてことを言っていたから、場合によってはそのまま行為になだれ込む気だったんだろう。多分、その認識に間違いはないのだけれど、それならばと寝室へ連れ込むかは、大いに悩むところだ。

続きました→

 
 
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知ってたけど知りたくなかった1

お題箱より「スレンダーな兄が、自分より体格が良い弟に襲われ、快楽に逆えず兄としての尊厳をへし折られる、的な短編。年齢差は3歳位」な話

 終電で帰宅した夜遅く、音に気をつけながら静かに上り終えたアパートの階段上で、ギクリとして足を止めた。
 自宅のドア前に座り込んでこちらを睨んでいた塊が、ゆっくりと立ち上がる。三歳下の弟だ、という事にはさすがにすぐに気付いたが、なぜここに居るのかはわからない。
「今日は、帰ってこないのかと思ってた。おかえり」
 掛けられた声は穏やかだけど、顔は不満げで怒っているようにも見えた。ポケットから取り出して思わず確認してしまった携帯には、やはり弟からの来訪を告げるような連絡はない。
「あんま脅かすなよ。めっちゃビビった。で、なんで、居るの?」
「ちょっと、今日中に確かめたいことがあって……」
 様子がおかしいのはあからさまだから、余程の何かを抱えているらしい。親のことか、就活か、大学関係か、バイト先関係か。別に相談に乗るくらいは構わないけれど、もう実家を出ているのだから、いきなり部屋に押しかけてくるのはどうなんだ。
「だとしたって、連絡くらいしろよ。週末だし、帰ってこないことだって、あるんだぞ」
 実家と同じノリで、帰ってきたなら話聞いてよと押しかけてくるには、今は互いの部屋の距離が有りすぎる。もう数歩で行き来できる隣の部屋ではないのに。
「ほら、入って」
 鍵を開けてドアを引き促せば、大人しく家の中に入っていく。勝手知ったるとばかりに暗い中をどんどん部屋の奥へと進んでいく相手を、廊下や部屋の明かりをつけつつ追いかける。
「今日はもう、帰ってこないのかと思ってた」
 テーブルセットもソファもない部屋なので、座る場所がそこしかなかった、というのはわからなくもないのだけれど、何の断りもなく部屋の奥に置かれたベッドに腰を下ろした弟が、疲れた様子で大きく息を吐く。会った最初も同じことを言われたが、どうやら、なかなか戻らない自分によほど焦らされていたらしい。
 連絡もなく来るからで、自業自得だ。でも、ギリギリ終電に間に合って良かったなと思う程度には、この勝手な弟の来訪を受け入れてしまっている。
「まぁ今日は、泊まりになるほど盛り上がんなかったからな」
「へぇ。てことは、今日一緒に居たのって、恋人とかではないんだ?」
「週末に恋人と過ごしてたら、間違いなく帰ってきてないだろ。良かったな、俺に恋人居なくって」
「そうだね」
 うっかりアパートの廊下で一夜を過ごさなくて済んで、という意味の自虐だったのに、相手はムスッとしていてそっけない。
「なぁ、お前、ホント、どうしたの?」
 自分もベッドに近づいて、真正面から相手を見下ろしてやる。弟といいつつ、とっくの昔に背を抜かれ、ずっと運動部だったせいか横幅だって下手したらひょろい自分の倍くらいありそうなので、いつもは見上げなければいけない相手を見下ろせるのはちょっとだけ気分がいい。
「兄ちゃんが聞いてやるから、話してみ」
 久々に兄貴風を吹かしている気分の良さと、相手の不機嫌さに釣られて、相手の頭に手を乗せてヨシヨシと撫でてやれば、じっとこちらを見上げていた目がゆるっと細められて、口の端が上がっていく。しかし、頭を撫でられて多少なりとも機嫌を良くするなんて、図体はデカくなってもなんだかんだ可愛いとこはある、なんて思ったのもつかの間、頭に乗せていた手を掴まれ引かれて慌てる。
「おわっ、ごめっ、え、ちょっ」
 前のめりに弟にぶつかった体はあっさり抱きとめられて、気づけばベッドに背中が付いていた。
「えっ……?」
 こちらをベッドに押さえつけるようにして上から見下ろしてくる弟の顔は、もちろん欠片も笑っていない。ジッと見つめてくる顔に焦るのは、そこに紛れもなく男の欲を感じ取ってしまったからで、早く逃げなければと思うのに、こんな体勢を取られて逃げられるわけがないとも思う。
 力で無理なら冷静に言葉で、とも思うけれど、焦る頭の中はヤバいだとかマズいだとかどうしようばかり浮かんでいて、相手を引かせる言葉なんて全く思い浮かびそうになかった。

続きました→

 
 
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