竜人はご飯だったはずなのに4

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 君たちが仲良しすぎて少し嫉妬してしまった、なんて言いながら柔らかなキスが落ちる。それはそのまま深いキスへ変わり、惜しげもなくたっぷりと唾液が流し込まれるのを、喉を鳴らして飲み下す。
 相変わらず濃厚な旨味が詰まったような味で量も多いから、確かに食事をしているような気分になる。
「私には、足りないもっと、とは言ってくれないのか?」
 離れていく唇に満足げな吐息を零せば、さみしげな顔を作ってそんな事を言う。でも先程の嫉妬にしろこれにしろ、もちろん本気なわけじゃない。食事としてのセックスを楽しく彩る演出みたいなもんだ。
 口調や発言内容から生真面目なタイプかと思っていたが、相手は意外とノリがいい。最初に情も交えたセックスがしたいと言ったのはこちらだが、そのせいか人間の恋愛事情に興味津々らしく、なにやら勝手にアレコレ調べているらしい。そしてそれを、抱きに来た時に披露してくれる。ようするに、今夜は他者への嫉妬的な要素を取り入れてみた、ってことなんだろう。
 柔軟な対応は彼の持つ権限だけじゃなく、性格によるものも大きそうだった。
「残念だったな。あんたが盗み見てる間に、あいつのキスで満足したよ。それより、足りないのはこっち」
 ベッドの縁から下ろしていた足をM字に広げるようにしてベッドマットの上に乗せ、さらに自ら指をあて、押し開くようにして見せつける。部屋着は相変わらずペラい貫頭衣のみで、下着もないままだった。
 相手は楽しそうにふふっと笑いを零している。
 その笑みに、期待で腹の奥が蠢いてしまう。奥だけでなく、アナルもヒクつき、早くしろと彼を誘う。なんともはしたなくていやらしい体だ。けれどそう思うことで、体はさらに昂ぶっていった。
 彼との食事を重ねるうちにこんな真似まで出来るようになってしまったが、実のところ、こんな風に女の子に誘われたら興奮していた、というようなことをして見せる事が多い。誘われる側でも誘う側でもあまり変わりなく興奮するというのは、こんな体にならなければきっと気づくこともなかっただろう。同じ人間だって性癖は人それぞれなのに、人でもない相手がそれで興奮するかはかなり微妙なところだけれど、誘う自分自身が興奮するのと、相手もとりあえず楽しそうにはしてくれるから、あまり気にしないことにしている。
「あの子はここにはキスしてくれないのか?」
 言いながら、ベッド脇に膝をついた相手がその場所へ顔を寄せてくる。躊躇いもなく舌が伸ばされ、アナルを解しながら中へと唾液を注いでくれる。尻穴に味覚があるわけじゃないからそれを美味しいと感じるわけではないが、食欲に素直な体が彼の舌を食んで奥へ誘っているのははっきりわかる。後、単純にひたすらキモチガイイ。
 あっあっと喘ぐ合間に、足りないもっとと三回ほど繰り返してやれば、どうやら満足したらしい。体を起こして隣に腰を下ろした相手は、どうやらまだ話したいことがあるようだった。
 体の奥は疼いているが、この後たっぷり抱いて貰えるのがわかっているから、こちらもそこまで焦っていない。早く抱いてくれとねだることはせず、会話に付き合うつもりで問いかける。
「なに?」
「腸内のが吸収が良いんだから、あの子にも、こっちにちょうだいって言ってみればいいのにと思って」
「いやいやいや。キスはあのマズい液体の口直しだから。お前が抱いてって言ったら無理って泣かれかけたし、抱けないならケツ穴舐めて、なんて言えるわけないだろ」
「あの子がお前を抱けないのは、繁殖期ではないからだと思うが?」
「は? 繁殖期? あいつ、んなもんあるのか」
「竜族は竜人も含めて大概繁殖期があるものだよ」
 彼にもあるのかと問えば、あるにはあるがとどこか含みのある言葉が返った。
「あ、もしかしてそれで、早く来てって言ってもなかなか来てくんないのかよ」
「それは半分当たりで半分外れだな。本当の意味での私の繁殖期は、後十年近く先のことだから」
「え、十年?」
「大柄になるほど長命な種族だからな。でも小柄なあの子だって、数年に一度のサイクルだぞ」
「ならなんで繁殖期でもないあんたは俺をこんな頻繁に抱けるわけ?」
 世話係の彼が繁殖期じゃないから抱けない、というのが本当なら、なぜ繁殖期が十年以上のサイクルだと言っている男が食事担当なんてしているのかわからない。
「詳しくは言えないが、血筋を絶やさないために作られた薬がある。簡単に言うと、強引に体を発情させて、一晩に大量の子種を撒き散らすことができるようになる。が、強い薬なので体力の消耗が激しい。私でもかなりギリギリ使用許可が出ているし、とてもあの子には使わせられない」
 魔法で人型になれるかよりも、その薬が使える状態にあるかのほうが実は重要で、こちらの要求に即応じられない事も多いのはそのせいらしい。
「なんだ。よっぽど魔法が下手くそなんだと思ってたわ」
「魔力ゼロのお前に言われるのは心外だな」
「だって人型で抱くのに拘ってんのそっちだろ」
「それはお前を傷つける心配があるからだと言ったろう。薬の副作用の心配もあるし」
 個体によっては理性が効かずに相手を抱き潰す勢いで盛ってしまう、なんて場合もあるくらい強い薬で、しかも本来ならこんなに短期間に何度も服用する薬でもないらしい。
「それ、相当負担掛かってるって話じゃないの。なんで食事担当、あんただけなんだよ」
「それはこちらの事情であって、お前が心配することではないな。対策はきちんと考えているし、実行もしてる。現に、私との食事の頻度を落としても、お前はこうして生きているだろう」
 それがあのマズい液体で、あれに慣れてあれが主食になる頃には、この彼は自分を抱きに来てはくれなくなるのかもしれない。彼の体を本気で心配するなら、そうなったほうがいいに決まっているのに。
「そんな顔をしなくても、味の改良は今後も重ねていく。いつか、美味いと言えるものが毎日飲めるようになるはずだし、いずれは固形物も提供できるようになる予定だ」
 そうじゃない。でも抱かれなくなるのは嫌だと言うのも躊躇ってしまう。だって彼の告げた未来のほうが、セックスが食事代わりの今より、よっぽど人間らしい生活だ。

続きました→

 
 
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竜人はご飯だったはずなのに3

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 カーテンを閉めに来た際に運ばれてきた液体をさっさと飲み干し、口直しのキスを足りないと言って何度もねだる。律儀に応じてくれるのは、やはり憐れみからだろうと思う。
 生きるために必要なエネルギーは朝夕飲まされる液体でかなり補えているはずなのに、先日目の前の彼の舌を吸いまくってから先、体の奥が疼いてたまらない。なのに食事担当の彼が来てくれる気配はないし、目の前の彼が代わりに抱いてくれるわけでもなく、日々少しずつ追い詰められていくような気がする。
 そんなこちらの状態を、世話係として付き添っている彼が気付かないはずがない。ただこちらを心配する彼の提案は、口直しのキスをしばらく止めることだったので、それは断固拒否した。
 彼の言いたいことはわかる。口直しのキスに触発されているのは事実だろう。でも抱いて貰えないのにキスまで取り上げるなんてあんまりだ。
 結果、口直しで貰う唾液に体が疼いてもお前が抱いてって誘わないからと頼み込んで、キス停止は免れたし、口直しで貰うキスの量も増えた。でもいくら直接的な誘いをかけなくたって、抱かれたくて疼いてしまう体を隠し切ることは出来ないし、それを振り切って部屋を出なければならない彼へ精神的負担を強いているのも事実だ。
 時折泣きそうな顔をするようになってきたから、憐れまれているのはこちらのはずなのに、可哀想なことをしていると思ってしまう。困らせたいわけじゃないのに、困らせてばかりだった。
「ありがと。も、いい」
 そう言いながら顔を離したくせに名残惜しくて、そのまま俯き相手の胸元へ額を押し付ける。羽織られた薄布が邪魔だった。直接彼の肌に触れたい衝動で、むき出しの腕をそっと掴んで撫で擦る。ところどころゴツゴツしているけれど、ひやりとして滑らかな肌触りは気持ちが良かった。
 緊張しているのか腕にはかなり力がこもっているし、呼吸もほぼとまってしまっているが、慌てる様子はなく触れる手を振り払われることもない。こちらからの接触に慣れてきたというよりも、慎重に様子を見られているがきっと正しい。事実、顔を上げて見つめる先では、泣きそうな困惑顔ではなく、真剣な目が心配そうにこちらを見つめていた。
「お前の肌、触ってると、キモチイイ。もし抱いてって言わなかったら、一緒に寝るくらいは、してくれる?」
「構わないが今の体じゃ一緒に寝るどころじゃなく、一晩中悶々と過ごすことになるだけなんじゃないか?」
 返事は思わぬところから飛んできた。いくら世話係の彼が小柄でも、ベッドに腰掛け目の前に立たれたら、その背後は見えない。そんな彼の背中の先、いつの間に入ってきたのか、出入り口のドア付近に食事担当の彼が人の姿で立っていた。
 声がかかった瞬間にビクリと体を跳ねて背後を確認した彼も、多分相当驚いたんだろう。
 しばらく部屋の中を沈黙が満たし、それからようやく発せられたのは、世話係の彼の咆哮だった。それは彼らの言葉であって、自分には吼えているように聞える、というだけだけれど。
「気配消して侵入したのは本当に悪かった。でも思った以上に仲良しなお前たちが見れて良かったよ」
 人の声帯ではやはり吼え返すことは出来ないのか、返事は人の言葉だった。
 そうか、気配を消して侵入したのか。ということは、もしかして結構長々と見られていたんだろうか?
「足りない、もっと。を三回ほど聞いたかな」
 いったいいつから見てたんだという疑問は、どうやら世話係の彼も持ったらしい。とはいっても、返答からそう推測出来るってだけだけど。
「だからゴメンって。お前のことは信用してる。だから彼を任せてる」
 興奮しているのか怒っているのか、もしくはこちらに会話を詳しく聞かせたくないのか、相変わらず世話係の彼は人の言葉を使ってくれない。でも多分前者で、ずっと穏やかで優しい声音が返る内に、咆哮のようだった発語が落ち着いていく。なのに。
「そう。お前のことは信用してるし、お前の判断で一緒に寝てあげればいい。いつか彼を抱く気があるなら、今夜、このまま見学してったって構わないよ。あ、彼が嫌がらなければだけど」
 ぶわっと目の前の彼が持つ気のようなものが膨らんだ気配のあと、もう一声吼えて、彼は珍しくドスドスと荒々しい足取りで部屋を出ていってしまった。
「だいぶ怒らせてしまったようだ」
「最後の、わざとだろ」
「まぁ、そうだね」
 おかしそうに肩を震わせて近づいてくる食事担当に彼に、思わず呆れた目を向けてしまったのはきっと仕方がない。

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竜人はご飯だったはずなのに2

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 寝たきりではなくなった今、持て余す暇を潰してくれるのも世話係の彼だ。
 人の世界で生きていた頃はもっぱら体を鍛えるばかりで、頭を使うのにはあまり慣れていない。負けるばかりの賭け事も苦手だった。
 かといって、あまり体を動かしまくるわけにはいかない。エネルギーを使いすぎれば、すぐに腹の奥が疼き出す。結果、彼のキスをねだりまくって困らせるし、朝夕に飲まされる液体の量も増える。
 なので基本的には、話し相手。もしくはあまり頭を使わずにすむ簡易なゲーム。あとは風呂。
 トイレに行きたいと思うことがなかったのであまり気にしていなかったが、この部屋にあるのは大きなベッドと頑丈そうなテーブルと、そのテーブルとセットになった椅子が二脚だけだ。風呂に入りたいといえば、部屋の外へ連れ出されるのではと思ったのが最初だが、どうやらその考えは甘かった。
 部屋の中に陶器で出来ているらしいバスタブが持ち込まれ、そこに世話係の彼がせっせと湯を運び入れるという、なんとも面倒な事態になった。でもその一回で懲りること無く、たびたび風呂に入りたいと頼んでしまう。だってさして汗もかかず排泄もしない、あまり汚れている実感がない体でも、熱い湯につかり肌をこすられると気持ちが良い。
 一緒に入ってという言葉は無視されたが、じゃあせめて体洗ってと言ったら、それは受け入れられたから、今ではもう、風呂に入る時に彼に体を洗ってもらうのはセットになっている。
 最初の頃はこちらの体に傷をつけないようにおっかなびっくりだった彼も、今では慣れたもので、気持ちが良いと零すたびにどこか得意げな顔で嬉しそうに笑うから、ますます暇つぶしで風呂に入る回数が増えていく。
 世話係の小さな彼相手に、日々良からぬ遊びを少しずつ、アレコレ仕掛けている自覚はあった。
 彼が自分の世話を焼くのは仕事だからで、そこにあるのはただただ純粋な厚意や哀れみだろう。それをもっと明確な好意へ変えられないかと思ってしまう。出来れば恋愛的な要素も含んで、好きになって欲しい。
 雄の竜人相手に何をと思う気持ちはもちろんある。でもこの部屋で暮らすようになってから、自分と直接対峙し会話してくれたのは、世話係の小さな彼と食事担当の大きな彼の二人だけなのだ。しかもご飯な彼はたまにしか来てくれないのだから、今自分の世界は、この無駄に広い部屋と世話係の彼が中心の酷く小さなものでしかない。小さな世界を支えている相手と、懇意にしたくなるのは当然だった。彼と、もっともっと親密な間柄になりたい。
 あとはまぁ、単純に、落としがいがありそうという意味で楽しんでもいた。
 そもそも彼らは人のように、恋愛を楽しむような生活をしていない気もする。でも心はあるし、食事としての味気ないセックスではなく、情を交わすセックスがしたいといえば、食事としてのセックスに情を交えて優しくしてくれる。食事担当の彼だから出来る、という可能性もあるにはあるが、小さな彼に不可能と決まったわけでもない。
 立場的にも多分種族的にも食事担当の彼のほうが間違いなく上というか、こちらに対する柔軟性も圧倒的に高いし、世話係の彼は彼自身の判断でこちらにアレコレできないらしいのもわかっている。それでも口直しのキスをしてくれるようになったし、こちらのきわどい誘いにも前ほど逃げ腰じゃなくなった。
 どうせ時間は有り余るほどあるのだから、日々は少しでも多く、楽しい方がいいに決まってる。

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竜人はご飯だったはずなのに1

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 開閉できないはめ殺し窓から見える景色からは、時間の流れというものを感じない。朝もなく、夜もない。ついでに言うなら時計もない。
 それでも夜になれば世話係の小さな竜人がカーテンを閉めに来るし、朝になれば開けに来るので、朝と夜の区別はあるようだ。
 朝、カーテンを開けにやってきた彼は、同時に、コップ一杯分の水のような何かを持ってくる。それは夜も同様だ。
 竜人の唾液や精液なら体が受け付けるとわかってから先、試行錯誤の末生み出されたらしいそれは、とりあえず吐き出すこと無く飲むことが出来る、簡易的な食事だ。これを食事だなんて認めたくないけれど。
 成分が何かは聞いていないが、精液を薄めたものに何かを足しているのかなとは思っている。相変わらず排尿も排便もないし、汗だって多分殆どかいてないが、だからってこんなコップ一杯の液体で、半日も体の飢えがしのげるはずがないからだ。
 でも使っている精液は、食事担当の竜人のものではない気がする。足している何かのせいという可能性もあるが、わずかに感じる味も香りも、彼のものとは全く違う。しかも毎回同じでもない。改良中なのかもしれないが、だったら美味しく飲める方へ頑張って欲しい。だって毎回なんとなくマズい。吐くほどじゃないけど結局のところマズい。
 いったい何を飲まされているんだと思うと気持ちが悪くて仕方がないのに、成分を確かめてしまうのも怖い。聞いたら今度こそ完全に飲めなくなる可能性もある。
 マズいし出来ることなら飲みたくないと思いつつも拒めないのは、拒んだ結果の体の乾きと飢えを知っているからだ。
 食事担当の竜人が定期的に抱きに来てくれる、みたいな話だったけれど、それは思っていたより、というかこちらが望むほど頻繁ではなかったから、こちらの体力が消耗しきって寝込めば、世話係の彼にも食事係の彼にも、心配と迷惑を掛けてしまう。マズいから飲みたくないなんて、子供みたいな我侭で彼らを困らせたいわけじゃなかった。
 ベッドに腰掛けたまま、受け取ったそれを渋い顔で一息に飲み干す。今日のは比較的マシでよかった。ホッと息を吐けば、これを運んできた彼も一緒に安堵の息を吐く。
「良かった。今日の、マズくない」
「まぁ、相変わらず欠片も美味くはないけどな」
「データ取る、する。マズいは減る、思う」
「ああ、確かに」
 やはり毎回味が少しずつ違うのはわざとなのか。そしてこちらの反応を彼に報告させているのか。
 でもそのおかげか、ゲロマズなものを飲まされる率は確かに減っているような気もする。
「口直し、いるか」
「それはいる。てか美味くはなかったって言ったろ」
 ん、と顔を突き出せば、相手の顔も寄ってくる。少し上向き大きく口を開けて待てば、相手も小さく口を開けて、溜めた唾液をトロリと落としてくれる。
 口の中へ広がる甘み。惜しむように口の中で転がすが、それはあっさり喉奥へ消えていく。
「足りない。もっと」
 空っぽの口を開けて、ねだるように舌先を少し差し出せば、少し迷う素振りを見せるものの、再度顔が寄せられる。同じように舌先を突き出し、その上に乗った唾液をこちらの舌の上に落としてくれようとするのを、首を伸ばしてパクリと舌先ごと喰んでしまう。
 口の中に入れた彼の甘い舌を、うっとり目を細めながら、ちゅくちゅくと舐めしゃぶる。
「んぅっ、ううっ」
 抗議するように呻かれはしたが、突き飛ばされることはなかった。最初にその口に触れた時のことを思えば、すごい進歩だ。
 マズいから飲みたくないと拒むのが子供の我侭なら、マズいから口直しがほしいと彼の唾液をねだるのだって、十分子供の我侭の部類な気がするけれど。でも、最初ははっきり断ってきていた彼が、毎回マズいマズいと言いながら嫌そうに液体を飲み干すこちらに絆されたのか、やがて応じてくれるようになって、困った顔で照れながらも少しずつ、この口直しのキスに慣れていくのがはっきりとわかるから、どうにも楽しすぎてやめられない。
 いっそ、食事担当の彼が来られない間は、この世話係の彼が食事も提供してくれればいいのにと思う。唾液だけで飢えを満たそうとするなら、かなり頻繁にキスしてないとダメそうだけど。
 いややっぱダメだ。ちゅくちゅくとしゃぶり続ける内に、体の奥が疼いてくる。勃ちあがった性器で塞がれ、擦られ、腸内へたっぷり精液を注がれたいと、ハクハクと尻穴が開閉している。
 自分から口を離して、ゆっくりとベッドの奥側へ退いた。
「抱かれたい」
 熱のこもったため息を大きく吐き出しながら呟けば、伝えておくという言葉を残して部屋を出て行ってしまう。
「抱いてくれるの、お前でもいいんだけど」
 そっと零した声は、もちろん彼には届かない。

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雷が怖いので プレイ(目次)

「雷が怖いので」プレイリクエストについて

キャラ名ありません。全37話で、雷が怖いので本編の隙間を埋めるプレイ中心。
リクエストで頂いていた「オナニー披露」「おしおき」「剃毛」「おもらし」の内容を含みます。おしおき時にスパンキングも少々。剃毛時にアニリングスも少々。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
プレイ中心なため殆どが性的な内容を含むものなので、性的描写がかなり多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。
それと隙間埋め話なので、切り替わる前後で本編とも繋げてみました。

2018年4月8日追記
プレイ連載当時(昨年11月)お題箱にて「風邪っぴきの受けくんが体調悪いの隠してバイト頑張る話」「2人で子供っぽい口調を使わせてえっち」というリクエストを頂いていたのですが気づいたのが3月でした。
その2つのリクエストで書いたもの全13話を下部に追加しました。

1話 バイト二回目
2話 じっくりキスだけ
3話 焦らさないで
4話 自分で腰を揺らす(R-18)
5話 手伝って(R-18)
6話 バイト三回目
7話 自ら腰を落として(R-18)
8話 褒めてくれると思ってた
9話 報酬の基準
10話 三万円分のご褒美
11話 直接、弄って(R-18)
12話 他人の手(R-18)
13話 オナニー披露(R-18)
14話 両方してあげる(R-18)
15話 意識する尿意(R-18)
16話 おもらし披露(R-18)
17話 プレイ後の優しい時間
18話 バイト四回目
19話 プレ放置プレイ
20話 迎えに行く
21話 誕生日の少し前
22話 胸の代わりにお尻の開発(R-18)
23話 自覚前に知りたかった
24話 キツイおしおき決定(R-18)
25話 前立腺にローター(R-18)
26話 玩具で吐精(R-18)
27話 おしおき後も止まらない涙
28話 他の誰かなんて居ない
29話 相手の副業
30話 第四土曜日ホテル泊
31話 酔ってふわふわ
32話 剃られてもいい理由
33話 アナル周りまで
34話 バスルームで舐められる(R-18)
35話 舐められるだけでイク(R-18)
36話 脇もスネもツルツルに
37話 昨夜の記憶に悶える朝(R-18)

プレイおまけ
1話 自宅で初洗浄(R-18)
2話 確認(R-18)
3話 媚薬を飲む
4話 薬の効果(R-18)
5話 スッキリした目覚め
6話 本当は風邪薬
7話 初めての旅行
8話 パパって呼んで
9話 剃ってしたい
10話 舐められて焦らされて(R-18)
11話 お漏らし我慢(R-18)
12話 上手におねだり(R-18)
13話 精液お漏らしと翌朝(R-18)

おまけのオマケ
1話 悶々と一瞬間
2話 アナルに体温計(R-18)
3話 本物の媚薬(R-18)
4話 初アナニー(R-18)
5話 体勢を変えて(R-18)
6話 限界とご褒美と(R-18)

 
 
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雷が怖いので プレイ37(終)

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 バスルームでの言葉通り、移動したベッドの上で、剃られてツルツルになった所を中心に、舌での愛撫を受け続けた。
 相手から、はっきりと明確に幼い言葉遣いをするよう求められはしなかったけれど、意識していたのと求められたら応じる気でいたせいか、結局自ら幼い態度を見せたりもした。彼もそれを嬉しそうに受け止めていたから、言わないだけでやっぱりそうさせたいのだと思ったし、ちょっと調子に乗っていた可能性は高い。
 既に一回吐き出しているのに、ペニスには触れてもらえないまま、その周りばかり舌を這わされちゅうちゅう吸われれば、あっという間に音を上げてしまったのも仕方がないと思う。結果、お願いだからおちんちん舐めてと、自らフェラをねだってしまったし、二度目を彼の口の中で果てもした。
 もちろん、ひたすら舐め可愛がりたいの言葉は、彼を受け入れた後も実行され続けた。腕を持ち上げられて晒した脇の下や、抱え上げられた足のスネなど、先程丁寧にカミソリが這っていたところへ、今度は彼の舌が丁寧に這う。ビクビクと体を震わせながら、そんな部分を舐められても感じてしまうのだと、初めて知った。彼と繋がる場所をキュウキュウと締め付けてしまって、それを楽しげに見下されるのすら、新たな快感を呼び起こされるようだった。
 おちんちんズポズポきもちぃよぉって、わざとらしく舌っ足らずに喘ぎまくった記憶は、正直、消せるものなら消し去りたい。だってツルツルで子供みたいで可愛いって何度も言うから。強制される幼い言葉遣いはあんなに嫌だったのに、蕩けるみたいに甘い声で可愛いって言われまくったら、今このときくらい子供に返ってもいいかもって思ってしまった。
 彼に喜んで欲しかったし、実際喜んでくれてたと思うし、後悔しているわけではないのだけれど、でも我に返ってしまうとひたすら恥ずかしい。多分、言わされていたあの頃よりも、ずっとずっと恥ずかしい気がする。
 そんな羞恥で身を焼きながらベッドの中で一人悶えていたら、どうやら隣で眠る彼を起こしてしまったらしい。たいがい自分よりも早く起きている彼が、珍しくまだ寝ていたというのに、それを堪能すること無く昨夜の痴態を思い出して悶えていただけだなんて。本当にもったいないことをした。
「朝から楽しそうだな」
 クスリと笑う気配とともに、背後から伸びてきた腕に絡め取られるように抱きしめられる。ちゅ、とわざとらしく音をたてて首筋へ唇を落とされたあと、その場所が濡れる気配に一瞬でゾワワと肌が粟立った。
「ゃ、も、舐めない、……ぁ、んっ」
 柔く歯を立てられて、朝から甘い息を吐いてしまう。
「続き、する?」
 首筋に歯を当てながら、クスクスと笑いを零しているから、どこまで本気で誘われているのかわからない。昨夜は抱かれている途中で意識を手放してしまったし、もしそれが原因で途中中断させてしまったのなら、このまま昨夜の続きをと言われるのも当然な気がするけど。でも単にからかわれてるだけな気もする。
「舐めたりない、なら」
 あなたが満足できていないなら続きをしましょう、というつもりでそろりと吐き出した言葉には、すぐに否定が返った。
「いや。昨夜は十分すぎるほど、子供みたいなお前を堪能させてもらった。でもお前が満足してないかと思って」
「え、なんで?」
「ノリノリで楽しんでたようにも見えたけど、でもやっぱあれは、俺に気を遣った結果だろ? お前のしたいことをしてやるための日なのに、俺の遊びに付き合わせたばっかりになったなと」
「思い出すとひたすら恥ずかしいんで、積極的に自分からやりたいわけじゃないですけど、あなたが楽しそうに子供みたいな俺を可愛がってくれるの、嫌じゃなかった、です、よ」
 剃られるのも、舐められるのも、相手が楽しんでくれてるのがわかれば、自分はそれなりに満足出来てしまうらしい。こちらを辱めるためのプレイとして、こんな子供みたいな体にされた上に舐め回されて感じるなんて恥ずかしいねと、そう言われたわけじゃない。バイト中だったらきっと、そんな風に言われて、たっぷり羞恥を煽られ泣いていたと思う。
 彼自身、昨夜のあれこれをプレイとは言わずに遊びと言ったのも大きかった。全身ツルツルに剃り上げて子供になりきったセックスなんて、かなり変態度が高い気もするけど、まぁ遊びで許容してしまえる範囲だ。
 もちろん、自分の感覚がおかしくなってる自覚はある。でも自分の感覚をずらしてでも、彼との時間を楽しみたいのだから仕方がない。
「楽しそう……」
 噛みしめるみたいな呟きが聞こえてきて、次には確かめるように問いかけられた。
「昨夜の俺は、楽しそうだった?」
「そう、見えましたけど……」
「そうか」
「楽しく、ありませんでした?」
「いや。お前に言われるまで、あまり自覚がなかっただけだ」
 楽しかったよと囁く声は、どこかしみじみとしている。だからか、今彼がどんな顔をしているのか、気になってしまった。
 ゆるく抱えられているだけなので、もぞりと動いて寝返りを打つ。見つめた顔は、柔らかに苦笑していた。
 自覚がなかったと言うから、子供みたいにツルツルにした体を楽しげに抱いていたと指摘されて、気まずい思いでもしているんだろうか?
 そんな人並みの感覚が、もしもあるなら、だけど。
「お前、なんか変なこと考えてるだろ」
 どうやら顔に出たらしい。
「変なこと、って?」
「俺に知られたくないようなこと」
 確かに。
「言わないと、ダメ、ですか?」
「言わされたい?」
 ニヤッと笑われブンブンと首を横に振ったら、にやけた顔はすぐに穏やかな笑みに変わった。ふふっと小さな笑いが漏れる。
「慌てなくても、言いたくないなら無理に聞いたりしないって。今日はそういう日だろ。それより、続きしないなら、起きてご飯を食べに行こうか」
 ビュッフェでいいんだろと言われて、今度は思いっきり盾に首を振ってみせた。

<終>

プレイおまけ7話へ→

随分あれこれ書いてしまいましたが、頂いたリクエストも、出来れば書いておきたかった気がかりも、全て消化できたと思います。長々とお付き合いありがとうございました〜

 
 
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