イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった(目次)

キャラ名ありません。全57話。
大学生活中、懐いてきたイケメンに気持ちよくして貰ってたら、卒業後に出来た彼女相手に勃たずに振られてしまったため、イケメンに責任をとってもらう話。大学2年頃から社会人2年目の夏くらいまで。
高校からの同級生同士でイケメン×視点の主。

同じ大学に行ったら卒業できそう、などという理由で同じ大学に進学を決めたイケメンを、その思惑通りに面倒見ているうちに始まった体の関係は、最初は手で抜いてもらうだけだったのに、だんだんとキスやフェラや酔ったら尻穴弄ってもOKと許容範囲が広がってしまい、卒業直前には素股まで経験。しかしそこまでしても恋人関係になることはなく、友人として付き合い続けたい相手に了承して卒業します。
イケメンと就職先が別れたことで卒業後に初彼女を手に入れるものの、彼女相手には勃たず破局してしまったことで、ようやく覚悟を決めた視点の主が、イケメンを落とすことを決意して呼び出し、自分たちが両思いであることを確認した後、恋人としてセックスします。

大学時代、視点の主はぜったいイケメンを好きになんかならない、という強い意志を持っていたり、イケメンも視点の主を恋愛的に好きだという気持ちを隠しているので、拗れて面倒くさいことになってますし、恋人になった後の行為も甘やかな雰囲気は少なめで、イケメンがちょっと必死です。つまり彼らがラブラブ恋人Hが出来るようになるのはエンド後。

体の関係が始まるきっかけシーンはなく、手で抜いてもらうだけ、という関係が既に出来上がっているところからスタートします。
攻めのフェラ描写あり。大学卒業前最後の行為がやや長め、恋人になった後の行為が相当長めに描写されてます。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 イケメンと(R-18)
2話 20歳の誕生日
3話 2人の高校時代
4話 レポートの見張り
5話 舐めて欲しいなら先にキス
6話 熱く滑る口の中(R-18)
7話 口の中でイッてみたい(R-18)
8話 卒研発表の夜
9話 絶対抱かれたくないのは知ってる
10話 服は全て脱いで
11話 いつもと違う
12話 今日で最後
13話 胸の先(R-18)
14話 もう止めたい、までは思ってない
15話 終わりを引き伸ばすために(R-18)
16話 一緒に弄ればキモチイイ(R-18)
17話 焦らしプレイ禁止
18話 ローションオナニー披露(R-18)
19話 気持ちよくなれそう(R-18)
20話 素股(R-18)
21話 ほぼ一年ぶりの再会
22話 相手の近況
23話 一人残された部屋の中
24話 会いたい
25話 ホテルに連れ込む
26話 まだ童貞だけど抱かせろとは思ってない
27話 責任とって恋人になって
28話 もっと早く好きって言ってくれれば
29話 相手がイケメンなのが悪い
30話 大学時代の真相
31話 抱かれる気はないけど
32話 風呂場で洗いっこ
33話 初めて握る相手のペニス
34話 過去を思いつつ初フェラ(R-18)
35話 相手だけ先に(R-18)
36話 焦らされる(R-18)
37話 手を貸す(R-18)
38話 気持ちよくなれるやり方(R-18)
39話 一緒にイク(R-18)
40話 食事に出かける
41話 泥酔を避けた理由
42話 頑張るのはほどほどで
43話 全部丸投げの相手任せ
44話 うつ伏せで
45話 慣らされる違和感(R-18)
46話 だんだんキモチイイ(R-18)
47話 精液お漏らし
48話 ダサいゴム装着
49話 挿入(R-18)
50話 全部は入らない(R-18)
51話 そろそろ馴染んだみたい(R-18)
52話 繋がりながらのキスと乳首責め(R-18)
53話 気持ちがいいならもうイッて(R-18)
54話 イカせてとは言えなかったけど(R-18)
55話 まだ繋がっていたい
56話 今日で最後じゃないんだから
57話 ちゃんと好きだから安心しろ

 
 
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勝負パンツ1

 今日は顔を合わせた最初から、恋人の様子がおかしかった。ソワソワしているというか、どこか緊張していると言うかで、内心結構焦っていた。だって思い当たることがない。
 なんせ、互いの誕生日とも恋人同士が抑えておきたいイベント日とも全く近くないのだ。付き合い出した日だとか、初めてセックスした日だとかを今まで記念日的扱いをしたことはないから、そういや初めてセックスした日が近いなとは思ったけど、それはきっとあまり関係がない。
 実のところ、別れ話を切りだすタイミングを図っているのでは、と疑っていた。なんせ予定外の遠距離恋愛中で、ほぼ毎週末会えていた関係から、この半年ほどは月に1度会えるかどうかの関係だ。その月1度にしたって、距離がある分交通費で結構な額が飛んでいく。
 遠距離になってしまったのはこちらの都合なのに、こちらの多忙さを気遣って相手から来てくれるばかりなのも、正直心苦しいと思っていた。こっちでの食事は全て奢っているし、帰りの切符類もこちらが購入しているが、だとしたって、相手の負担の方が断然大きいのはわかっている。
 いい加減付き合いきれないと言われても、新しく気になる相手が出来たと言われても、情けなく相手にすがって考え直してくれと頼む以外の方法が思いつかないし、そんなのに絆されてくれる状況なら、付き合いきれないなんて言い出さないだろうことは想像がついてしまう。彼の性格的に、恋人がいる状態で他の相手と行為をするとは考えられないから、浮気報告という線は薄そうだけれど、それだって絶対にないとも言い切れない。ただそれも、やっぱり彼の性格的に、浮気報告=別れ話になるだろうと思ってしまう。
 別れたいと言われたら、それはもう、ほぼほぼ決定事項で、自分にそれを覆すだけの能力がないのも明白だ。せっかく手に入れた、生涯添い遂げたいと思えるような同性の恋人が、今もまだ、同じように生涯を添い遂げたいと思ってくれているかなんてわからない。
 しかし、そんな心配はどうやら杞憂だった。
 泊まる予定で来ている相手は、別の宿を取っていたりはしなかったし、帰宅後も話がしたいと言い出しはしなかった。いつもどおり、こちらに先にシャワーを浴びるよう促し、その間にトイレであらかた準備を済ませて、入れ違いでシャワーを浴びに行く。つまり、今夜も抱かれる気があるということだ。
 それだけでひどく安堵はしたけれど、でもそうするとますます、あの緊張の意味がわからない。しかも、風呂場から戻った彼は、あからさまにその緊張を膨らませていた。いつもは下着くらいしか着用しないくせに、今日はしっかりと寝間着代わりの短パンとTシャツを着込んでも居る。
 昼間、そういや初めてセックスした日が近いなと思ったせいもあってか、まるで初めての時のような緊張ぶりだと思う。なんだか随分と初々しい。
「なんかすげー可愛いんだけど」
「ぅえっっ?」
「なぁ、なんで今日、そんな緊張してんの?」
「そ、れは……」
「そんな緊張されると、初めてした時のこと思い出すな。大丈夫だからこっちおいで?」
 あの日と同じ言葉を掛けながら、あの日と同じように隣のスペースをポンポンと叩いて誘えば、幾分ホッとした様子で近寄ってきた彼が隣に腰を下ろした。
「で、緊張の原因は何?」
 抱かれる気があるという時点で、別れ話の可能性はなくなったと思っているので、他に考えられる要素はなんだろうと思う。
「何か変な性癖にでも目覚めちゃった?」
「はぁっ!?」
 驚きと不満とがあらわな声音に、どうやら違うというのはわかったけれど、同時にますます難易度が上がる。
「ああ、うん、違うのはわかった。けど、ごめん、全く理由が思いつかない」
 降参だと肩を竦めて見せれば、キッと眉を吊り上げて、お前が言ったくせにと強い口調で非難されて意味がわからない。
「俺が言ったって何を?」
「お前が言うから、買ったのに」
「買った? って何を?」
「パンツ」
「パンツ?」
「勝負パンツだよ!」
「ああ、って、ええっっ!?」
 理解が一気に押し寄せたけれど、同時にひどい驚きに襲われても居た。

続きました→

 
 
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無表情トレーナーは変態でした(目次)

CHAT NOVELさんでWeb版が3章まで読めます
社会人同士。2歳下の年下攻め。本編9章+後日談2話。
新人教育係の山瀬は太っていることを気にしていなかったが、新入社員の一人に不快だと思われている事を知ってジムに入会する。そこで出会った無表情なトレーナーの川瀬が気になりだした頃、手料理に釣られて家に泊まったら手を出されて、相手の性癖を知らされる。焦らされエッチで泣いたりしつつも、性癖ごと受け止めて恋人になります。
後日談は本編ほぼ直後の仲直りエッチの続き。川瀬視点で、鏡に写しながらお尻だけでイクところを見せて欲しいとお願いするような内容。

1章 そうだ!ジムに入ろう
2章 トレーナーの川瀬くん
3章 美味しいご飯が食べたい
4章 想定してた抜きあいと違う
5章 自分から誘うしかない
6章 じっくり慣らされて
7章 みんなでランチ
8章 飽きちゃった?
9章 仲直りセックスをしよう
無表情トレーナーは変態でした・後日談1
無表情トレーナーは変態でした・後日談2(終)

 
 
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今更エイプリルフールなんて

 4月1日がエイプリルフールだということはわかっているが、下らない嘘を吐きあって笑えるような人間関係が成立していたのはせいぜい学生時代までで、社会人となってからはそう縁のあるものではなかった。どちらかというと、企業やらが仕込むネタを楽しむ日、程度の認識だ。
 だから、担当という形で一年近く仕事を教えていた昨年の新入社員の男からの、彼女が出来たという報告も、ただただ単純におめでとうと返した。そんなプライベートの報告は別にしなくてもいいのだけれど、浮かれて誰彼かまわず伝えたいのかも知れないし、そんな内容を話せる相手が他にいないのかも知れない。
 たあいない雑談の中で聞いた、休日に友人と遊びに行った話なども覚えてはいるが、その友人とどのような関係かは知らない。恋人どうこう話せるような相手ではないのかも知れないし、もしかしたらその話に出てきた友人が彼女となったのかも知れない。その友人の性別を聞いた記憶はなかった。
「それだけっすか?」
「それだけ、って、おめでとうじゃ不満なのか?」
「そういうわけじゃ……」
「そんな顔で言われてもな。で、なんて言ってほしかったんだよ」
「っていうか、彼女できたなんて嘘おつ、とか、お前が好きなの俺だろ、みたいなのないんすか?」
「は?」
 とっさに、何言ってんだこいつ、という気持ちから疑問符を飛ばしてしまったが、そういや思い当たるフシがないこともないなと思い出す。
「あー……そりゃ好意はちゃんと感じてたけど、ていうか好きとは言われたことあったけど、でもそれ、俺が担当で良かった程度の意味かと思ってたっていうか、恋愛方面絡んでとか思ってなかったし、彼女出来ましたって報告に、お前俺が好きだったろ、とか返すほど自信過剰でもないし」
 というかあれらは本当に恋愛方面込みでの好意なんだろうか。どう思い返しても、担当に恵まれて良かった、という気持ちをノリと勢いで「好き」という単語にしたようにしか思えないのだけれど。
 しかしそれを確かめてしまうのは躊躇われて、そこはグッと言葉を飲み込んだ。
「いやだから、そんなマジに取られても困るというか、そもそも、おめでとうでスルーされると思ってなかったと言うか」
「ん? どういう意味だそれ」
「えー……っと、だからその、今日、なんの日か知ってますよね?」
 今日がなんの日かと言われてようやく、エイプリルフールのネタだったのだと思い至る。
「つまり、彼女が出来たは嘘ってことか」
「そ、です」
 絶対嘘ってわかった上で乗ってくれると思ってたのにと、不満げに口先を尖らせているけれど、会社でエイプリルフールの嘘を振られるのなんて初めてだったのだから無茶を言うなと言いたい。というか言った。
「えー、マジっすか」
「マジだよ。だからな、今日も、来年以降も、エイプリルフールがやりたいなら、相手は学生時代の友達とか家族だけにしとけよ」
「えー」
「えー、じゃない」
「せめて先輩だけでも、来年も相手してくださいよ〜」
「なんでだよ」
「だって嘘ってわかってたら乗ってくれますよね?」
「いや乗らない」
「なんでっすか!?」
「じゃあ例えば俺が、お前俺が好きだったろ、って返したら、お前それになんて返す?」
「先輩が付き合ってくれんなら今すぐ彼女振ってきます!」
「言うと思った。つまり、お前と嘘ネタでやりあうと大事故起こる未来しか見えないからだ」
 それを耳にした誰もが、エイプリルフールの面白ネタと思ってくれるわけじゃない。もしエイプリルフールと気づかれずに本気にされたらどうするんだ。というか多分気づかれない確率のが高い。
「でも俺、先輩とだったら誤解されてもいいっていうか、まじに付き合うことになってもいいんですけど」
「嘘おつ。てかやめろって言ったそばから!」
 少しばかり声を荒げてしまったが、相手は満足げに笑っている。
「そういうとこ、ほんと好きなのに〜」
「わかった。それは信じるから、仕事しろ仕事」
「はーい」
 機嫌よく自分のデスクへ戻っていく相手の背を見送りながら、これは来年も何かしら仕掛けてきそうだと思って、深い溜め息を一つ吐き出した。エイプリルフールなんて、自身にはもう直接関係のないイベントだと思っていたのに。

 
 
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無表情トレーナーは変態でした・直後の二人1

本編ほぼ直後。仲直りエッチの続き。鏡に写して、お尻だけでイクとこ見せて的な内容。本編の主人公は山瀬ですが、後日談は川瀬視点。

目次へ→
 
 ゆっくりと腰を前後させるたび、ひっ、ひっ、と小さな音混じりの息があがり続けている。気持ちよく喘いでいるというよりは、泣き声のようにも聞こえるそれに、腰の奥が甘く痺れるようだった。
 上体を伏せて、川瀬に支えられた腰だけを突き出すように持ち上げた体勢だから、顔が見れないのがなんとも残念だ。
「ひっ……ん、……ぁ、ァ、」
 泣きそうな息に、少しずつ色のある声が混ざりだす。また目の前の体が絶頂へ向けて登っていくのがわかって、ゆるやかな腰使いはそのままに名前を呼びかける。
「正志さん、また、気持ちぃの来そうですか?」
「ん、ぅん」
「顔、自分で上げれます?」
 声はしっかりと届いているらしく、上体を起こそうという素振りは見えた。けれど既に相当疲れているからか、持ち上がることなく再度顔がシーツに押し当てられる。
「じゃあちょっと、俺も手伝いますね」
 腕を引いて起こしますと説明しながら、片手は腕の付け根近くを、もう片手は腹を支えるように腕を回して上体を起こさせる。最後は両脇に腕を差し込んで、腕を挟み込むように固定して支えた。いわゆる羽交い締めの状態で、先程よりもグッと深くまで繋がったせいか、山瀬がイヤイヤと首を振る。
「ぁ、ゃぁ」
「深いとこも、きもちぃでしょう?」
「ぁ、ぁ、ぁっ」
 構うことなくトントンと深いところを突いてやれば、仰け反るように上向いた口から、たまらないと言いたげにトーンの上がった声が漏れた。
「ね、正志さん、前向いて。鏡見て?」
 白い喉に浮かぶ喉仏が震える様もいいが、どうせならやはりその顔が見たい。山瀬とそういった関係になってから寝室に増えた姿見は、体位を変えても山瀬のイイ顔を見続けられるようにと購入したものなのだから。
 促されて視線を鏡へと移した山瀬は、羞恥を耐える泣きそうな顔をしている。それでも嫌がることなく毎回、抱かれている最中の顔を鏡へ向かって晒してくれるのは、川瀬の性癖への深い理解と、なにより、次に続く言葉がわかっているからだ。
「正志さん、すごく、可愛い」
 鏡の中の山瀬と真っ直ぐに視線を合わせて告げてやれば、泣きそうな顔がふにゃりと緩んでいく。年上の男性に向かって「可愛い」なんて失礼かとも思っていたが、どうにも抑えきれずにこぼした「可愛い」を喜ぶような素振りを見せられたから、行為を重ねるたびに可愛い可愛いと繰り返してしまう。
 だって、泣きそうな顔も苦しげな顔も辛そうな顔も、めちゃくちゃ腰に来る可愛さなのに、その顔がふにゃっと緩む瞬間はそれ以上に可愛いのだから仕方がない。嬉しさと苦しさの混ざる顔で上り詰めていくさまは、いつだってたまらなく愛おしい。何度だって見たいと思う。
 だから今回もそのまま、またトントンと奥を突いてやる。
「ぁ、ぁっ」
 困ったように眉をひそめながら、それでも嬉しげに綻んだ口を開いて、先ほどと同じ甘い声をこぼす。仰け反ることはせず、顔は正面を向いたままだ。
「上手に気持ちよくなれてますね」
「ぁ、ん、きもちぃ」
「このままイケそうですか?」
「この、まま?」
「そうです。お尻だけで気持ちよくイッちゃうとこ、また見せてください」
「ぁ、おしり、だけ」
「そうです。お尻だけ。また気持ちいいの来そうだって言ってたでしょ? 今度は鏡みながらやってみましょう」
「ぅ、ぁ、はずかし、ゃ、ゃ、ぁっ、む、むり、ぁ、ぁんっ」
 緩く首を振って嫌がるものの、強い抵抗はない。
「正志さん、鏡見て」
 促せばやはり素直に鏡を見つめるけれど、一度は嬉しげに緩んだ顔は、またしても泣きそうだ。眉間にシワを寄せて、眉はハの字に眉尻が下がっている。そのくせ、鏡を見つめる瞳はとろりと快楽に蕩けていて、きっと脳内では、このまま川瀬に鏡越しで見られながら、お尻だけで絶頂する強烈な快感を思い描いている。
 その証拠に、視線を下げれば鏡の中、緩く立ち上がり掛けたペニスが見える。
「ね、ほら、おちんちん、期待してちょっと勃ってますよ」
「ゃ、ゃ、だめっ、やめて」
 触ってあげましょうかと提案するよりも先に、先程よりも強く、イヤイヤと首を振られてしまった。
 行為のたびに、焦らしまくってイカせてあげなかったり、逆に何度もしつこく連続でイカせまくったりを繰り返してしまうせいか、過度にペニスを弄られる苦痛を既に充分知り尽くしているせいだ。しかも今日は既に一度、もう出ないと言われるくらいにイカせた後で、潮吹きの披露をねだってしまった。
「触りませんよ。大丈夫。お尻だけで気持ちよくなってって言ったでしょう? 正志さんのおちんちん素直で正直だから、見たらわかるんですよ。もう一度お尻で気持ちよくイケるって」
「ほ、ほんと、に?」
「本当です」
「そんなとこで、はんだんして、の?」
 クスッと笑える程度には、まだ余裕があるのは事実だ。真面目にジム通いを続けてくれているおかげで、本来の目的である、脂肪を落とし筋肉をつけるだけでなく、持久力だって大幅にアップしている。
 ただ、正直に言えば、もう少し早く限界を迎えるだろうと思っていた。意識を飛ばすより先に、疲れたからもう無理だと、応じるのを嫌がられると思っていたからだ。
 でも抱き潰していいの言葉通り、川瀬が伸ばす手を拒むことはしないし、川瀬の求めに応じようとする意思も消えていない。

続きました→

 
 
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ツイッタ分(2020年-1)

ツイッターに書いてきた短いネタまとめ2020年分その1です。
その2は今夜22時頃に挨拶を添えて投稿予定です。

有坂レイの元旦へのお題は『不器用な独占欲・「あなたの匂いがする」・片恋連鎖』です。
#ふわあま #shindanmaker https://shindanmaker.com/276636

 帰省しない一人暮らし連中で年越しパーティーをしようと誘えば、相手は誰が来るのと聞いた。参加決定メンバーの名前を挙げていけば、あっさり彼も参加を決めたけれど、その理由はわかっている。彼が密かに想いを寄せる男が参加するからだ。
 なぜ彼が想う相手を知っているかと言えば、彼が自分の想い人だからだ。想う相手を見続けていたら、その相手が見ているのが誰かもわかってしまった。
 男ばかりの不毛な一方通行片想いに、気づいているのは自分だけだと思う。

 当日は一番広い部屋を持つ自分の家に総勢7名ほど集まった。
 想い人の隣席を無事ゲットした彼の、反対隣の席に腰を下ろして、彼を挟んで彼の想い人と話をする。だって彼との会話を弾ませるには、彼の想い人を巻き込むのが一番いい。彼の想い人に、彼へ返る想いなんて欠片もないとわかっているから、胸が痛む瞬間はあるけれど、割り切って利用させて貰っている。
 年明け前からいい感じに酒が回っていたが、年明けの挨拶を交わした後もダラダラと飲み続けて、気づけば大半が寝潰れていた。そして隣の彼もとうとう眠りに落ちるらしい。
 先に寝潰れた連中同様、寝るなら掛けとけと傍らに出しておいた毛布を渡してやれば、広げて被るのではなくそれにぼふっと顔を埋めてしまう。酔っ払いめ。
 そうじゃないと毛布の端を引っ張れば、顔を上げた彼がふふっと笑って、お前の匂いがする、なんて事を言うからドキリと心臓が跳ねた。
 そんな顔を見せられると、男が好きになれるなら俺でも良くない? って気持ちが膨らんでしまう。いつか、言葉にしてしまう日が来そうだと思った。


バレンタイン

 金曜だからと誘われて飲みに行った帰り、ほろ酔いで駅までの道を歩いていたら、隣を歩いていた同僚の男が前方に見えたコンビニに寄りたいと言う。急いで帰る理由もないので二つ返事で了承を返し、一緒にそのコンビニに入店すれば、その男は入口近くに設置されたイベントコーナーで足を止める。
 並べられているのはどう見たってバレンタイン用のチョコレートで、バレンタイン当日の夜というのもあってか、さすがに種類も数も残りが少ない。
「なに? まさか買うのか?」
「なぁ、どれが一番美味そうに見える?」
 それらをジッと見つめている相手に問えば、問いの答えではなく、全く別の質問が返される。それでも聞かれるがまま、一番気になる商品を指差した。
「美味そうっていうか、気になるのはこれかなぁ」
「ふーん。じゃ、これでいいか」
「え、マジで買うの」
 驚くこちらに構うことなく、その商品を手に取ると真っ直ぐにレジへ向かっていくから、頭の中に疑問符が溢れ出す。まさかコンビニに寄った理由がバレンタインチョコの購入だとは考えにくいが、相手の行動には一切の躊躇いがなく、他商品には目もくれなかった。
 すぐに会計を終えて戻ってきた相手に促されるまま外に出れば、ズイと差し出されるコンビニの袋。またしても脳内は疑問符でいっぱいだ。
「は? え? どういうこと?」
「さっき、」
「さっき?」
「言ってたじゃん。チョコ欲しい、って」
「あー……ああ、まぁ、言ったけど、でも」
 バレンタインの夜に男二人で飲みに来ている虚しさを嘆いて、ここ何年もご無沙汰だって言う話は確かにした。ただ、ご無沙汰なのは本命チョコ、って言ったはずなんだけど。確実に義理で渡されるチョコは、今年も数個は貰ってる。
「うん、だから、本命チョコ」
 グッと袋を押し付けて、くるりと踵を返すと、なんと相手は走り出す。
「あ、おいっ」
 慌てて声を掛けたが、相手の背中はどんどんと遠ざかって行く。今更追いかけたところで、多分きっと捕まえられない。
 大きく息を吐いて、押し付けられたチョコを取り敢えず鞄にしまったけれど、さて、本当にどうしよう。


SM=SiroMesiというツイを見て

 同窓会に参加して数時間。そろそろお開きも近そうだという頃合いに、少し離れた席から「SM同好会に入ってた」などという単語が飛んできて、思わず飲みかけだったビールを思い切り吹き出した挙げ句に盛大にむせてしまった。すぐさま隣から何やってんだの声と共に布巾が差し出され、わたわたと後処理に追われている間に、SM同好会についての話題は終わってしまったようだが、チラと視線が合った発言者が悪戯が成功したみたいなちょっと悪い顔で笑ったから、どうやらわざと聞かせたらしいと思う。

 二次会には参加せず、地元の同窓会だったにも関わらず自宅へも戻らず、わざわざ少し離れた駅に取っていたホテルに戻ったのは、結構遅い時間だった。隣には、先程SM同好会なる爆弾発言を投げ落とした男がいるが、もちろん偶然でも誘ったわけでもなく、元々、二人でこの部屋に泊まる予定だっただけである。
 高校時代そこまで仲が良かったわけでもなく、大学なんて飛行機移動が必要な遠さだった自分たちが、同窓会に合わせて一緒に帰省したり、同じホテルの同じ部屋に泊まるような関係になったのは数ヶ月前だ。連絡を取り合うような関係ではなかったから、まさか相手も同じ地域に就職していたとは知らなかったし、仕事絡みで顔を合わせたのは本当にただの偶然だった。
 懐かしさから意気投合し、そこから何度か飲みに出かけ、あれよあれよと恋人なんて関係に収まってしまったのは、間違いなく相手の手管にしてやられたせいだと思う。気楽に出会いを探す勇気など持たないゲイの自分には、一生恋人なんて出来ないと思っていたし、無駄に清らかなまま終わる人生だろうと思っていたのに。
 なんとなくそんな気がした、などという理由から、なぜかあっさりゲイバレした上に、バイで男とも経験があると言った相手に口説き落とされた形だけれど、今の所後悔はない。既に2度ほど抱かれたけれど、めちゃくちゃ気を遣ってくれたのは感じたし、出会いを求めたことはなくとも自己処理では多少アナルも弄っていたのが功を奏して、ちゃんと気持ちがいい思いも出来た。
 そして今夜、3度目があるんだろうという、期待は間違いなくあるんだけど……
「やっぱSM同好会、気になってる?」
 部屋に入るなりスッと距離を縮めてきた相手に、含み笑いと共に耳元で囁かれて、ビクリと体が跳ねてしまう。
「そりゃ、だって、てか、事実?」
「事実だよ。って言ったら、期待、する?」
 ピシリと体を硬直させて黙ってしまえば、可笑しそうなクスクス笑いが聞こえてくる。
「あれね、シロメシ同好会の略。白飯て白米ね。美味しい炊き方とか、白飯に合うおかず探しとか」
 吹いたビールの片付けで全然聞こえてなかっただろと続いたから、きっとあの後も、そんな説明をしていたんだろう。なるほど。あの悪い顔の意味がやっとわかった。
 ホッとしたら体から力が抜けて、咄嗟に隣に立つ男に縋ってしまう。ジム通いもしている相手の体は逞しく、よろける事なく支えてくれる。
「あんま脅かすなよ」
「んー、残念。これ、脅しになるのかぁ」
「え、残念て?」
 思わず聞き返せば。
「白飯も好きだけど、プレイ的なSMも、好きなんだよね。っつったら、どーする?」
 再度身を固めてしまえば、元々耳元に近かった相手の顔が更に寄せられ、チュッと食まれた耳朶にチリとした痛みが走った。

その2はこちら→

 
 
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